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牛乳か相談だ

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牛乳ができるまでの十勝の牧場のとある日常をご紹介。牧場で働く前に読むと、どんな仕事なのか、牛乳の選び方等もわかります。
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2021年8月の記事一覧

だからあれほど盗み食いするなと

だからあれほど盗み食いするなと

朝、牛舎内をウロウロしてたベテラン牛。

搾乳後に様子を見ていると餌を食べない。

「あーあ。盗み食いしたなーーー。」

ということで午後から獣医さんに診てみてもらいました。

牛の消化は微生物のベッドが何より大切牛の1番目の胃には大量の微生物達が住んでいて、牧草などの繊維質を分解してくれます。

この微生物が元気に動くために胃の中がちょうどいいPH値があって、その状態が崩れると牛は消化がうまくで

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バターの作り方を見てみよう

バターの作り方を見てみよう

バターは生乳からどうやって作るかわかる人ー!!

普通はみたことないですよねー。僕たちも理屈は知っていても実際に見たことはありません。

きっかけは「バターミルクパウダー」今までバターを作った後にできるのは脱脂粉乳だけだとばかり思っていたら
「バターミルクパウダー」という製品を目にしました。

その一方で脱脂粉乳もある

これは調べなければならない! ということで、調べてみました。

今どきのバタ

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バターは牛乳のおいしさてんこ盛り

バターは牛乳のおいしさてんこ盛り

アレルギーのある場合を除いて、バターを食べたことない方ってあんまりいないと思います。

ケーキやお菓子にも欠かせない大切なもの。

1リットルの牛乳から約40gバターは簡単に言えば、「乳脂肪分の塊」です。
通常、生乳の乳脂肪分は4%前後。これを大型のバターチャーン等で遠心分離させ、固めたものです。その量は1リットルの牛乳から40gほど。
手間ひまかけて作っているのでどうしても値段は高くなってしまい

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トラブルの時ほど冷静に

トラブルの時ほど冷静に

牧場に入るとほんと、いろいろ起きます。

トラブルは成長の種何か起きた時に瞬時の判断と対応力が問われるのは他の現場と同じ。

自分でできることはすぐに手を打ち、ダメな時はメーカーでも獣医さんでも頼るべきところにすぐ連絡して動く。

一度経験しておくと2回目からは対応できるので、何かが起きると新しいことが学べる成長のチャンス。

自分から積極的に原因を拾って対応していきます。

日々、安心して搾れる

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牛ものんびりできる季節

牛ものんびりできる季節

朝の搾乳を終え、集荷も無事完了。

帰る前にふと牛舎を見ると遠くの牛までみんなゴロンと横になって寛いでいる。

今朝がこの気温。これぐらいだと牛も人もちょうどいい感じで仕事できる。

収穫の秋がやってくるもうすぐ牧草(2番)の収穫がスタートし、その後、いよいよ、デントコーンの収穫がやってくる。

まあ、牛たちはのんびり過ごしていただけたらそれでいいので、こんな感じでごゆっくりしていただけると安心し

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デントコーン、食べたのだーれ?

デントコーン、食べたのだーれ?

先日まとめて降った雨のおかげで少し勢いを取り戻したデントコーン。
牛のエサとして食べれるようになるにはもう少し時間がかかりますが、よーく見てみると、道端に実が落ちていて誰かが食べた痕がある。

わかるかな?

さらに、フォーカスしてみます。

明らかに食べた痕。

デントコーンは人が食べても甘くない飼料用のコーンは、スイートコーンと違って甘くはありません。
食べたことありますけど、”ペッ!”と吐き

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朝は1杯のミルクから。

朝は1杯のミルクから。

朝、牧場に入るとネコ達がミャーミャー言いながら寄ってくる。

朝のミルクくれ!毎朝ネコ達はバケツに残った前日のミルクを楽しみに待っています。

バケツを目の前に置いてやると嬉しそうにしばらく飲んでます。

1匹こっちを見てますが、離れたら3匹仲良く飲んでました。

乳脂肪分が浮いててかなり濃厚なミルクだと思いますが、美味しいんでしょうねー。

普段、ネズミを獲ってくれる(はず?)分のご褒美です。

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美味しいソフトクリームの見つけ方

美味しいソフトクリームの見つけ方

この時期、ソフトクリームを初めとしてアイスが欠かせない時期ですよね。
このところずっと牛の写真ばかりなので、たまには美味しそうなものでも(笑)。

ついつい食べ過ぎちゃいますが、どれもこれも、おいしい牛乳があってこそ。

アイスクリーム > アイスミルク > ラクトアイスこれ、牛乳を原材料に使っている比率の大きいものから順番に並べたもの。
お店で売っているアイスクリーム等の成分表記を見ると、この3

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なんで外やねん!と言われても(汗)

なんで外やねん!と言われても(汗)

朝、出勤してすぐに外の牛を見ていると、何か動きがおかしい。
薄暗いなかをよーく見ると真っ黒な仔牛がいる❗️
どうやら、予定日よりも早く産まれちゃったらしい。
親牛やいろんな牛に舐められたおかげかとても綺麗で元気な状態。

牛舎に空きはないが、産んだ牛を搾らねばならない仔牛を産んだ以上、すぐに牛舎に運び入れたいけど空きがいま全くない状態。かといって、このまま搾らないということにはならない。
「あ、そ

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予定日は来月なのに。。。。

予定日は来月なのに。。。。

午後、慌てた感じで別のスタッフから

「育成にもう(仔牛の)足が出てる牛がいて・・(汗)」

、と声を掛けられた。

妊娠した受精が1回早かった何度か受精をしている牛で、妊鑑してもらった際の計算よりも1回早い受精の時に妊娠したんだと思われる。

たまー、にあります。こういうこと。

取り急ぎ、牛舎に連れてくる場所を作って、その牛を牛舎の中へ。

初産でしたが比較的早くスルッと出てきました

久しぶ

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あなた、搾れないんです。。。

あなた、搾れないんです。。。

こんな牛もたまにはいるんだよ〜、ってお話。

8/4に分娩したばかりの初産牛。

ミルカーを付けたいのだけど、どうやってもうまく搾れない。

乳頭がこんな感じでほぼ足にくっついているくらいなので、ミルカーで搾ろうとしても空気が入ってしまい、しかも常に張り付いていないと搾れない。

頑張って搾るにも限度がある無理して頑張って搾るにしても他の牛も搾りながらなので、この1頭だけを見ておくというわけにもい

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引っ張るべきか、引っ張らざるべきか・・・

引っ張るべきか、引っ張らざるべきか・・・

最近は迷わなくなってきたのですが、以前だったら悩んでいたお話。

もうすぐ産まれる!出荷できない牛を搾っている横にいた分娩予定牛。 初乳がダダ漏れになっていて、どうやら破水もした様子。
「あー、もうすぐだよな〜」って様子を見ていたら、両足がニュッと出てきた。
※慣れると前足をみるとだいたい、♂♀の判定ができるようになります(-_-;)。

一応、両足にロープをかけていつでも引き出せる状態にした。

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せっせと麦稈集めてます

せっせと麦稈集めてます

ずーっと晴れが続く十勝。

雨予報が出ているのでそれまでに何とか運び切りたい麦稈ロール達

途中で機嫌が悪くなったロールベーラーも修理後に調子を取り戻しフル稼働。

何とか雨が降る前に残り60本くらいまで運び終えました。

雨に当たった麦稈ロールはどうなる?昨日の雨は久しぶりの本降り。

これだけ降ると巻いてあるとはいえ、麦稈ロールにもかなりの水分が入り込んでしまい、時間が経つとカビが出てきます。

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