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傘はどこかに置いてきた【エッセイマガジン】

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事実に基づいたフィクションみたいなノンフィクションを書きたいエッセイnote集です。 無料公開してないのは、ちょっとだけ恥ずかしいからです。 「コンテンツ」というよりは「僕という…
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アーカイブするモノと、場所と、それから記憶

アーカイブするモノと、場所と、それから記憶

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引っ越し前の断捨離で、靴を捨てた。茶色いスウェードの、気張ってはないけど少し洒落た、ジャケットなんかに合わせられそうな靴。そんなにたくさん履いた覚えはないのに、踵の内側の皮がべろべろとめくれていて、買ってからの時間の長さを感じた。

この靴をみる度に思い出す人がいた。大阪の保険会社に勤めていた2つ上の人。

大学3年生の時に親が僕に生命保険をかけたのだけど、あれはなかなか大変で契約に僕の

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クリスマス・モーニング

クリスマス・モーニング

平成最後のクリスマスの朝に。

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目が覚める。

眠い目を左手でこすりながら、右手で枕元にある少し大きめの靴下を探す。

こつんと、手が、眠るときにはなかった硬いものにあたって跳び起きる。

クリスマスの朝は、いくつになっても早起きだった。

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「サンタさんっていくつまで信じてた?」

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バックアップ

バックアップ

エッセイマガジン『傘はどこかに置いてきた』
事実に基づいたフィクションみたいなノンフィクションを書きたいと思って、「自分語りエッセイ」をはじめました。
詳しくはこちら→「エッセイnote、はじめました」

今回はほぼ無料です。
最後の有料エリアには、終わりの1文と、大事な写真を1枚おいてあります。

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いろんなものがシルバーのiPhone SEに詰まっていた。

写真も動画も、誰かとLIN

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