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日本最古の神社での不思議な体験

著者: 六甲もこ

先日日本を訪ねた際に、不思議で神聖な体験をしました。この事について書こうかどうか迷ったのですが… 多分に「気のせい」または「思い込み」によるものかも知れないので。でも私にとっては忘れられない経験となったので、自分の気持ちを整理するためにも書き記しておこうと思います。

まずここはハッキリさせておきますが、私はいわゆる「スピリチュアル」なタイプではありません。どちらかと言うと現実的で懐疑的。目に見える物をより信じる方です。が、神社仏閣は結構好きで、ハワイ出雲大社でボランティアをしていたこともあります。

と、前置きはこれぐらいにして…

思い立って神社へ

先日、大阪の高齢者施設で暮らす母親に会うために、3泊5日で日本を訪ねて来ました。初日は夕方に到着し、すぐホテルへ。翌日はほぼ一日母親の元へ。で3日目に今回のタイトルにある日本最古の神社、奈良県の「大神神社(おおみわじんじゃ)」を訪ねました。

私の入っているハワイ短歌会で以前、会員の一人による大神神社のササユリについての短歌にいたく感動したことがあり、それ以来ずっと気になっていたのです。また、「山の辺の道」にも憧れていたので、いつかはこの一帯を訪ねたいと思っていました。

元々母を訪ねた翌日は一日梅田でショッピングしようと思っていたのですが、予定変更。早起きして午前中に大神神社を訪ねる事にしました。

神話の世界へ

近鉄電車とJRを乗り継いで、1時間少々で到着。大神神社の御神体は三輪山自体で、三輪山への登拝も行われています。往復4時間ほどの本格的な登山をしつつのお参りだそうですが、私が調べた時は、コロナのため登拝はしばらく行われていないとの事でしたので、神社だけを参拝する予定で、ワンピースにフラットシューズで出かけました。が、着いたら登拝が再開されており、登山姿の方もたくさんおられました。次回は、動きやすい服装と足回りで臨もうと思います。

最寄駅である三輪駅から歩く事5分程で、正面に大神神社が見えてきます。こんもりとした森に近寄ると二の鳥居が。以前ハワイ出雲大社でボランティアしていた時に、鳥居をくぐる前に自分の名前とどこから来たかなどを心の中でしっかり告げると良いと聞いた事を思い出し、心の中でハワイの住所と私の名前、家族の名前を告げて、一礼して入場しました。

見ていると、参拝されている方の殆どが鳥居の前でお辞儀をされているので、私も倣いました。鳥居をくぐると涼やかな風が頬を撫でてとても気持ち良く、軽々と足を運ぶ事ができました。少しずつ神話の世界に足を進めていく感じです。

お願い事と言うよりも

境内マップをもらい、祓戸神社、夫婦岩、手水舎を経て拝殿へ。本殿はなく、三輪山自体が御神体となっているとのことで、拝殿より三輪山へ向かって手を合わせました。

何をお願いしようかと思っていたのですが、現地に着いたら、お願い事と言うよりも、母親と義母、夫を含め、家族がここまで元気に生きている事への感謝の念がブワーッと湧いてきたので、先ずはそれを伝え、今後家族のそれぞれが人生を全うできるよう努力するので背中を押してくださいと頼みました。

拝殿の前にはしめ縄が張り巡らされた巨大な杉の木が。樹齢400年らしく、大物主大神の化身である白蛇が住んでいるのだそうです。なのでたくさんの卵やお酒が備えられていました。

その後左手に進み可愛い「なで兎」へ。兎の像を撫でると痛みが取れると言われているそうで、たくさん撫でられてピカピカに光っていました。私もしっかり撫でさせていただき、境内マップに沿って狭井神社へ。くすり道と呼ばれる林道の両側にはさまざまな薬草が植えられており、歩いているだけで健康になりそう。

くすり道

知恵の神様の久延彦神社と芸能をつかさどる市杵島姫神社では、短歌についてよりしっかりとお参りし、最後に狭井神社へ。ここから登拝に出かける人々を横目に、次回こそはと気持ちを新たにしました。登拝をせずとも、境内を巡るだけでもかなりのアップダウンがあり、良い運動になりました。

帰り道で急に…

つつがなく参拝を終え、帰途へつきます。参道を二の鳥居に向けて歩いていた時急に、フワッと風が吹き、耳元で亡き父の声がハッキリと聞こえたのです。とても優しい口調で、私が子供の頃に呼ばれていた愛称と共に、母を訪ねてくれてありがとうね、と。懐かしい声を聞きボロボロと涙が勝手に出てきて、涙と共に私の醜い部分の一部が排出されたような、とても浄化された気分になりました。

冷静に考えると、おごそかな雰囲気に呑まれ、自分で父の声を脳内再生しただけだとは思うのですが、それでも久しぶりに聞くその声は懐かしく、嬉しいものでした。

戻って写真を見返してみると

今回の旅行ではポケットタイプのWifiルーターをレンタルしていたのですが、何故か奈良方面では全然用を成さず、さらにスマホもどうも調子が悪かったので、大神神社では数枚写真を撮ったのみでした。それより、見るもの全てが貴重で、写真を撮るより目に焼き付けるのに必死だったわけですが、ホテルに戻って数少ない写真を見返してみると、思わず声が出てしまいました。

巳の神杉辺りで撮ったものなのですが、構図も良くなく斜めっていて、記憶もあまりない写真を横切るように大きな緑色の光が。それも木の又から伸びて、 一方が頭のような形をした蛇型の虹がしっかりと映り込んでいたのです。これまた思い込みとは思いますが、その写真を見たときに、なんだかとても得心したと言うか、 今回は行くべきして大神神社へ行ったのだな、と。その写真をここに掲載しようかとも思ったのですが、やはり宝物として大切にしたく… 掲載は控えますね。

その後は予定通りショッピングを楽しみ、一気に太古の昔から現実に引き戻されたわけですが、日本滞在中にこんな濃い時間が過ごせて嬉しかったです。

よく、「神社に呼ばれる」などと聞きますが、僭越ながら今回はどうやら神社にあたたかく迎えてもらえたように思います。


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