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心の中の夢

第3話  そして

男に渋々、「仕方ないな。ほれ、持っていけよ」と幸弥がお金を出した。
男2人組が「へへ、分かってんじゃねーか?兄ちゃんよ」と笑いながら、もう1人の男に指示をして、扉を閉めた。
幸弥と有紀は、扉を閉められて、「出してよ。えぇ?」と有紀は慌てていた。
幸弥が「仕方ねーよ?こんな暗い狭いところに閉じ込めた所で、僕達の居場所が分かれば、犯人は時間の問題で捕まるぜ」と笑いながら話し掛けた。
有紀が「そうだよね?今は、冷静に考えたら、警察に連絡して場所を知らせないと」と慌てて携帯を出しても、場所もわからないまま途方に暮れて居た。
幸弥が「あ、そうだ。このチラシを持って居たから、此処の住所を教えれば良いんじゃないか」と懐中電灯を手に持ち、チラシを照らした。
有紀が、「あのすみません。こちらは、畠中町143-5です。至急来て下さい。倉庫みたいな所に閉じ込められて、犯人は逃げたと思います。犯人の車は黒の18-57の番号でクルーザーと言う種類の車です」と電話で警察に通報した。 
警察が「わかりました。至急そちらに向かいますので、お待ち下さい」と電話を切った。
警察がピーポーと言うサイレンを鳴らし、有紀と幸弥の元に来て倉庫のドアを開けた。
警察が「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?今、犯人を探して居ますので捕まるのも時間の問題かと思います」と幸弥に伝えた。
そして、2人は無事、倉庫から出られて警察のパトカーに乗って、家まで送って行った。
家についてから、家族から「心配したのよ。今まで、何処に行っていたの?」と有紀を抱きしめる真由実が居た。
幸弥が「すみません。このチラシを見て、こちらまで行っていたので、知らない倉庫まで来て、見知らぬ男2人組に捕まり、倉庫に閉じ込められて居たんです」と真由実に見せた。
真由実が「あら?此処はほとんど、何も無い倉庫の場所よね?そんな所まで行ったのね」と納得して居た。
幸弥が「すみません。僕が居ながら、もう危ない事はしないので」と真由実に約束をした。
有紀が「お母さん、ごめんなさい」とお辞儀をしていた。
真由実が「バカね?もう、危ないことはしないでね」と涙を流し抱きしめた。

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