見出し画像

君の面影

チヅルは、大人になって「あれ?キョウコとノゾミはどうしたんだろう?」といつも、木で遊んで談笑して居た場所は、木が伐採されて無くなっていた。
キョウコが「あ、チヅル?久しぶり。元気にしてた?」と大学で勉強をして、今は一人暮らしをして居る。
チヅルが「おー、久しぶりだな。俺は、あれから何も無かったように静かな街の景色や、行き交う人々を見て居たよ。やっぱり、皆忙しい人ばかりだな」と久しぶりに話すキョウコと楽しそうに話をして居た。
キョウコは「そうね。皆、人それぞれやる事があるのでしょうね?そんな毎日が普通に過ぎて行く中で、本当に自分がやりたい事って何だろう?みたいな疑問が出て来たりするのよね?」とチヅルに笑って話し掛けた。
チヅルが「そう言えば、ノゾミはどうしたんだろう?」と疑問に思っていた事を口にした。
キョウコが「あー、ノゾミなら本当に自分のやりたい事を探す旅に出て居たけど、あの子はあの子で家の仕事を手伝っているみたいだから、今は掻き入れ時で忙しいんだとか」とチヅルに話を始めた。
チヅルが「そうかー。何かこう1人が居なくなると寂しくなるな。俺は、やりたい事が見つかっても仕事が就けなくて困って居る1人なんだよね?」とボソッと話をした。
キョウコが「そう。大変ね?じゃ、チヅルがやりたい事って何?」と声を掛けると、チヅルは「俺は、あまり言いたくはないけど、子供の世話がしたいな。昔から小さい妹の世話をしていたからね」と話し掛けた。
キョウコが「そう?それは感心しちゃうな。私だったら、自分の好きな研究したり、自分の好きな事を追求して行くかな」と声を掛けた。
チヅルは「キョウコ、ありがとう。じゃ、俺はこれで」と言って、秋の紅葉が木から落ちていた。
キョウコは、秋風に吹かれながら、チヅルとノゾミの幸せを願って、大学の勉強に励んで行った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?