見出し画像

運動とASD児の関係性


こんにちは。発達支援×作業療法士です。

今回は論文をもとに…
運動と自閉スペクトラム症(ASD)の関係性についてお話していきます。
よろしくお願い致します。

早速本題に入っていきますね♪


1.論文紹介


【タイトル】
自閉スペクトラム症(ASD)児への運動介入手段とその効果:系統的レビュー


【目的】
自閉スペクトラム症(ASD)児の運動能力の低さについて、臨床・教育現場で認識されている。
ASD児は定型発達児と比較し、運動発達の遅れや、運動の困難さに伴う自尊心の低下、集団からの孤立など二次的な心理的社会的問題につながるとの報告がある。
本研究はASD児に関する系統的レビューを実施し、運動手段やその効果を検討する。


【結果】
バランス能力、協調性の向上を目的としたダンスやランニング、縄跳び、サッカー、フリスビーなどの運動(12週間:40分/回・3回/週)を行うことで、バランス能力は有意に向上し、社会的相互作用も向上したとの報告あり。
ASD児において、運動における安定性や正確性が乏しい場合、社会適応能力に問題が生じているとの報告あり。


【考察】
運動介入によって、必ず運動能力は向上し、社会適応能力にも影響することが示されている。
運動手段は、走るなどの基本的な運動とサッカーなどのスキル的な運動を組み合わせたものがほとんど。
今後、どのような運動手段が運動能力や社会適応能力に効果的であるか検討する必要がある。

上記内容は要約してありますので、
必ず原著論文(上記タイトルを検索して)をご確認ください。

2.こどもの運動量の現状

ある調査ではこども(中学2年生)の1週間の運動時間においてこのように報告されています。

スライド5


簡単にまとめると…

・女児は男児に比べて運動量が少ない傾向
・1週間の運動時間が1時間未満の子どもの多くは、全く運動していない

ということになります。


では、次はどのような運動がこどもが行うことが多いかというと…

スライド6

このような調査があります。
個人的な解釈にはなりますが、上記のような運動が小学生が好みやすく・親しみのある活動と言えるかもしれません。

現在、私が関わる発達障害(ADHD・ASDなど)を抱えているお子さんの中で、運動が苦手なお子さん、意欲的でないお子さんがいます。

そのようなお子さんにどのような運動を提供していくか悩むことが多いですが、このような調査を見ると…

・外で遊ぶ

ということが一つ運動を引き出すきっかけになる可能性が高い‼!
と考えれますね♪


3.支援者・療育者の方へのアドバイス


スライド4


今回の論文の中で報告されているように…

・一定量の時間の運動を(1回40分の運動)
・定期的に行う(週に3回)

ことで、ASD児のお子さんの運動発達を改善するだけでなく、社会適応能力も改善する可能性があるということを多くの方に知って頂けると…

お子さんと身体を使って遊ぶことの意義・重要性が理解しやすいかと思います。

今の時代は物が溢れ、遊び方も多様化し…
「外で遊ぶ」という選択肢は減っているかと思います。

が、先程もお伝えしたように外で遊ぶことで、お子さんが好きな運動を促すきっかけになりやすいこともあるかと思います♪

もちろん外遊びだけでなく、屋内でも身体を使うような遊び・関わりを持つことで同等の効果が得られる可能性もあります。

是非、今回の内容を参考にして頂き、支援・療育などにつなげて頂けたら嬉しく思います。

最後までお読み頂き本当にありがとうございました。


もしよければ、フォロー・いいねをよろしくお願い致します♪


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?