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【適応障害で休職】 会社に考えてほしいこと

僕は適応障害で休職や離職している方の社会復帰のお手伝いをすることを仕事にさせてもらっています。今日はそんな僕が感じている適応障害に関することを少しだけ話してみようと思います。

まず僕の仕事のこと

直接的な休職者の支援ではなく社会復帰に向けた枠組みづくりの仕事です。

休職者側は、休み期間中に何かしらの機関を利用して社会復帰までの道筋を自ら作っていきます。休職者が適正なプログラムを受けることや、復職に向けての課題整理や準備対策をすることが必要です。

一方の企業側は、産業医や復職規定や復職プログラムの準備、社内組織や課題再発防止に向けた対策の整備などとさまざまな連携や準備が必要になってきます。僕は、休職者の発生に困ってる企業に対し「復職までの道筋やストーリーを企業と一緒に作る」ことや「休職者発生を予防していくマネジメント改善」というお仕事をしています。これには企業規定や企業文化、マネジメントレイヤーの社員など、多くの人が関わってきます。

今回はそんな目線で、会社側視点から見聞きしたことを書きますのでその点はあしからず。

まず適応障害ってこんな症状

適応障害の例をあげていくと、慢性的な疲労感や体の不調不眠や過眠、集中力や記憶力の低下、感情の不安定さやイライラ感、自己評価の低下や否定的な考え方、感情の鈍化や無感情、孤立や孤独感、感情のコントロールの困難、などが挙げられます。短期間の不適応反応のことでストレス性障害の一つで、もう少し重症化していくと鬱の診断が出ることもあります。ストレス反応が出てしまっている状態のことです。

ストレス反応のことについては少しだけこちらにも簡単に書いてあります。是非目を通してみてください。


それでは、適応障害の要因にはどんなことがあげられるのか、会社側の視点でみていきたいと思います。

会社側の視点

適応障害によって休職に至った要因例をざっと並べてみました。あくまでも例ですが僕が直接企業の担当者から聞く話です。

  • ストレスチェック制度上では問題なかった

  • 時々欠勤することがあった

  • 欠勤に対して大きく捉えていなかった

  • 期日超過やミスが増えていた

  • 責任感が強いので乗り切れるだろうと思っていた

  • コミュニケーションが取れていると思っていたが本音は聞けていなかった

  • 上司のサポートやフィードバックを適切にできていなかった

  • 家庭の問題は把握していなかった

  • 組織文化に合っていないように見えた

  • 人間関係が不器用だった

  • 不満や不公平感を口にしていた

  • 文句ばかり言う人材に見えた 問題社員としてみていた

  • 仲の良い同僚はいなかった

休職者本人ではどうしようもない課題が多い気がしますが、結果的に

  • 会社側の休職者対応スキームが形だけ

  • 気づけていない よくみれていない

  • 推定で問題ないだろうの判断

  • 予防対策を取れていなかった

というケースが多いように感じます。

実際に、人事担当者と話をすると「休職するまで本人に要因があるとみていたが、休職後に振り返ると会社側が対策を取るべき内容も多かったのでは」言う話をよく聞きます。つまり問題はここにあるのではないかと思っています。

休職者側の視点

一方で、適応障害の休職理由でよく耳にするのはこんな項目です。

  • 過度のストレスや負荷

  • 職場環境の変化や人間関係の問題

  • 仕事の適応能力の不足

  • 仕事の責任やプレッシャーへの対処困難

  • 働き方や労働時間の過剰な負担

  • 仕事とプライベートのバランスの崩れ

  • 仕事の意義や目標の欠如

  • 性格や価値観の不一致

  • 上司や同僚とのコミュニケーションの困難

  • 不十分なサポートやフィードバックの欠如

  • 組織文化や価値観の不一致

  • 仕事の成果や評価に対する不満

  • 専門知識やスキルの不足による自己評価の低下

  • 急激な業務量の増加や変化への対応困難

  • 個人的な問題や家庭環境の影響

  • 恐怖や不安による心理的な負担

  • 適切なストレス管理の欠如

  • 仕事へのモチベーションの低下

  • 職業適性の不一致や自己認識の不足

当然、本人の課題認識や対策準備は必要だと思う反面、それなりに会社側でなんとかできたのではないかという項目が多いようにも感じます。

例えばマネジメントの仕方とか組織の体制が従業員に適合できてるのかとか、上司に当たる人のマネジメント能力は十分行き届いているのかなど。採否判断や役割やタスク分担などは適切なのかなど。

会社側の対策ひとつで防げることが多い

会社体質や会社の歴史に関わらず、どんな企業にも起こり得ることかと思います。組織管理に関わる人が、マネジメントをもっと大きく捉えていてほしいと思っています。

制度や仕組みを整えるのは当然必要ですが、従業員を適切にマネジメントできているのかは別です。特にストレス管理については、マネジメントの仕方ひとつで大きく変わるものでもあります。
マネジメントの中でも、人間関係の改善など個人の力ではどうしようもないものも多いと思います。単にストレスチェック制度を導入したり、アンケート形式のストレス管理をいれたところで物事の本質は変わらないし、プライドや自尊心の高い人ほど、悪い結果になることを恐れて影響のない範囲で嘘をつくことがあります。

潜在的なストレスや意識の部分は見えませんよね。
先日某企業にて管理職向けのストレス管理セミナーを実施したのですが、「自分のストレスを管理することは多少は考えていたけど、マネジメント対象者に対してのストレス管理知識を持っていなかった」という声が上がりました。もちろん知識を持つことは重要なのですが、

その前に結局は人の管理を人がするということという本質を理解した方が良いかもしれません。だからこそ関わる人が責任をもたないといけないのではないか、と言うのが今の僕が出している結論です。

最後に思うこと

就職というものは、実際に会社に入って働いてみないと、その選択が正しかったのか誤りだったのか、後にならないとわかりません。就業者にとっては、運試しの場面でもあります。なので、関わる人がしっかりと管理をしたり方向性を絞って対応していかないと「なんか違うな」になりますしそれがストレスになると思います。

良いストレスは行動的になりますが、悪いストレスが閉塞的になってしまします。就業環境は、周囲の人々や組織によって大きく異なります。会社側ががしっかりしていれば、状況を変えることは十分に可能だとおもっています。。

まとめ

仕事や働くことで困っている人、いろいろ話を聞いてみたい人、ビジネスマインドやメンタルヘルスの領域で困っている人 などなど。趣味レベルですが無料で相談受けています。是非気軽にご連絡ください。


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