味噌づくりをならい、源流へともどる。
私はまかふしぎな引越しをして減量達成をし、人生においては本来の自分に戻っていくプロセスへと流れにのってきているのを感じています。
とはいえ日常生活を普通に送ることには変わりなく、ただそれが自分にとって興味のあるやり方ですすんで行っている。
そうやって、だんだん点と点がつながり始めたことに気づく今日この頃。
自分の興味が赴くことをしていると、それが仕事にも役に立ち、人生に豊かさと深みをもたらす。
そう感じるようになりました。
今回はそんな話です。私のささやかな例で恐縮ですが。
私は高血圧すらムダにせず、活かす在りかたで過ごす
私は「人生創造ダイエット」という独自メソッドを開発し、減量してヘルシーな体になりたい方のために、ご本人由来の善玉菌(善魂の菌)エネルギーを注入!して応援するサポートをしています。
そのプログラムを開発したきっかけは、わたし自身が成人ぜんそくと高血圧になり、食生活と運動習慣の見直しをしておこなう体質改善に、本気で取り組んだ結果、-12kgの減量を意図せず達成したからでした。
そこで気づいたことは、ダイエットと健康的なからだをつくる考え方とプロセスが同じ。ということでした。
そんな食生活に気を配るようになった私は味噌のつくり方を習いたくなり、味噌づくり体験教室に行ってまいりました。
お味噌を仕込んだのは2月のことで、3ヶ月後の5月の頭には食べられる予定です。
高血圧の私にとって、味噌汁はちょっとハードルが高めのひと品でした。
解決策としては要は塩分量の話しなので、「お野菜をたっぷり入れる」とか「汁は飲み干さない」とか、やりようはあるのですが、
美味しくいただける微塩料理*をいろいろ試しているうちに、
「お味噌汁を罪悪感なく飲みたいなぁ」
という願望が芽生えるようになりました。
*微塩料理(びえんりょうり):お塩をほのかに。
減塩料理をポジティブな言葉でそう表現しています
具だけ食べて、汁を飲み干さなければいいだけの話なんでしょうが、お汁も飲みたいのです。
しかも、美味しいお味噌汁が。
高血圧を体質から改善中とはいえ、我慢して過ごしたくないなど、今の生活もないがしろにはしたくありません。
私はここぞという時には粘り強く追求する性質なので、お出汁の取り方にも工夫していたのですが、どうもパンチが足りない。
どうしたものかと思っていた矢先に、近くの街で「味噌づくり」の教室が催されることを知りました。
じぶんの手でつくる味噌づくりに挑戦!
さっそく応募したその企画は、もともとは「街おこし」の一環で行われていて、その地域でとれる大豆を使って味噌がつくれるという魅力的なものでした。
そのちょっと前に、引越し先の地域で大豆も栽培していることを知り、
「えー!?こんな近くの土地で大豆ってとれるんだ!」
と、正直、驚きつつも、そのことが妙に心に残っていました。
そうした流れの中、味噌づくり教室の当日を迎えました。
味噌づくりの前に、今回使う大豆を作られた生産農家の方が、現在取り組んでいらっしゃる「農業のいま」についてお話ししてくださった内容が非常に興味深く面白くて、
「今の農業ってこんなことになってるんだ!」
と、胸が熱くなり、まさに目からウロコが落ちたように感じました。
多角的な気づきも得られた内容の濃い「農業のいま」の話は、別立てでぜひシェアしたいなと思っています。
今回は食とお味噌に関する内容にフォーカスして、話を先に進めます。
生産農家さんのお話の後で、味噌づくりを教えてくださる先生のご指導のもと、続いて実際につくる教室が始まりました。
大豆を煮る工程は時間がかかるため、先生のほうで下ごしらえしてくださっていました。
マスク越しでも分かる大豆の甘い香りに、なんとも幸せな気持ちに包まれます。
まずは、2種類の麹をほろほろに手でほぐすところから始まりました。
そこにお塩を投入。
自分の体温で塩を溶かすようにして、時に両手をこすりあわせたりして、
とにかくひたすらほぐして混ぜ合わせるところからスタートです。
限られた時間内でしたので、そろえていただいた材料を言われるがままに仕込んでいきます。
仕込みの作業は楽しく和気あいあいとした雰囲気の中でさくさくと進んでいきました。
味噌を仕込みながら思い出す、子供の頃の原体験
生産農家さんもごいっしょに作業をしながら出てきた会話のなかで、
「子供の頃の原体験は大切だと思う。」
とおっしゃられた言葉にわたしも深く頷きました。
私はというと、手を動かしながら実は母のことを思い浮かべていました。
この教室に通う気になったのも、むかし母が味噌を自家製して作っていた記憶があったからです。連れられて買い出しに行ったことも、いい思い出です。
麹と塩をポロポロになるまでまぶして、茹でた大豆を潰す作業をすべて手でやりながら、
「そうだ。お母さんが作ってた味噌は大豆が形のまま残ってたりしてたけど、この大豆をつぶすときに大雑把にやってたのかも。わたしは形が残っていたのが子供のころは苦手だったから、形がなくなるまで完璧につぶそう。」
と心の中でつぶやきながら、私だけ作業が遅れがちになっていることは認識しながらも、思い出を頼りに自分好みのなめらかな味噌になるよう、まわりを気にせず思う存分こねました。
手で触りながら、
「いま目の前で見ているものだけで、この味噌はつくられるんだ。」
大豆の甘い香りに包まれながら、そんな当たり前のことに気づいて、何とも言えない感動が広がります。
ほかにも、味噌に紛れている爪のような形の黒いものは、分解した大豆のへそであることが、やっと自分のなかで結びついたり。
こねながら、「なんで気づかなかったのかな〜」なんて自分のあほさ加減に驚いてみたり。
五感が刺激されたからでしょうか。
小さなことにいちいち感動してしまいました。
でも、
五感が刺激され「経験する」ということが大切なんじゃないかな?とも思いました。
私たちの経験に無駄なことは何ひとつないのだ。とも改めて思いました。
経験することで学びは深まっていく
グループの中に3度目の参加の方がいらっしゃいました。
その方が仰るには、自分で何度か試したけれど、ここで仕込む味噌のようにはおいしくできないから、リピートして参加してしまう。とのこと。
そのあとで塩分が気になる私が先生に、
「投入する塩の量は変わらないから塩分濃度は変わらないはずなのに、
熟成されると色も変わるし、味が変わっていくのは
何が違ってきて味に変化があるのでしょうか?」
と質問したところ、
発酵が進むにつれて塩みが変わってくること
時とともに色は濃くなるけれど、塩みは角が取れてまろやかになること
だから、何年か後の味噌も楽しんでみるのもよいこと(手作りの無添加ならでは!)
そして先生は味噌づくりに、2種類のブレンドしたお塩を使っていることが分かりました。
「美味しいもの(食事)には訳がある。」
そう思いました。
食生活に気を配るようになって私が気づいたのは、
この材料へのこだわりと、分量の配合の妙にこそ、
食のプロの腕が光るのだろうな、と言うことでした。
また、カビについての説明もあり、カビを拭えば食べられるとのこと。
実は味噌をつくるちょっと前に、自宅のベランダで干柿を作った経験から、気にしなくていいカビと、生えたら食べられなくなるカビと種類があることを知った私は、
「味噌にはどんなカビが生えるのか」突っ込んで質問をしてみました。
すると、干柿と同じで、赤カビはダメなようで保管場所に注意すれば大丈夫そうだと分かりました。
そして、興味深かったのは、味噌をこねる時に何人かの人に手を加えてもらうと自分一人の時よりも美味しくなるのだそうです。
人間の手についている、それぞれの異なる菌がおいしく発酵をうながしてくれるのだそうです。
時節柄、希望者のみということでしたが、
私はワクワクしながら手を挙げ、
「先生!私の味噌もお願いします!!」
とリクエストして、手を加えていただきました。
生産農家の方も握力が弱い方のために、こねるのを手伝っておられたので、私の味噌にも手を加えていただくようお願いしました。
こうして味噌づくりを楽しむ、参加されているみなさんの
幸せな良い気も自分の味噌にいただいた気がして嬉しくなりました。
また、保管場所が大切だと書きましたが、人の気配があり、
人の声がするところに置いてあげると美味しくなるそうです。
だから、毎日話しかけてあげるといいらしく、
私も「お味噌ちゃん」と(直球なネーミングを)名付け、
「美味しくなあれ」と毎日声をかけるようにしています。
手間を惜しまず原点回帰:それが日常すらワクワクさせるミソだった
片付けの時間の時、この頃、味噌汁のダシについても試行錯誤していた私は先生に高血圧でも味噌汁をおいしく飲むための出汁の取り方に秘訣はないか、質問してみました。
ダシを焼きあごの粉末で試したり、
ネットで見る[塩分を控えたい人におすすめされている]椎茸のもどし汁にしてみたり、
具沢山にしたり色々やってみるけれど、
「美味しい!」とはならないのだと申し上げたところ、
急な質問ということもあり、その時にはこれといった打開策は得られなかったのですが、
今となって私が見つけた最善策は「なんと!」
水出しで煮干しからダシを取る…
という昔ながらの良く知られた方法だった…
なんて、まるで青い鳥のようなオチであっさりと解決したのでした。
私はダシをとったあとの煮干しの扱いに知恵がまわらなかったので、
あごだしの粉末でラクをしようとしていたのでしたが、
何事も手間を惜しまない
原点回帰
基本が大切
こんな当たり前のことがやっぱり大切なんだなぁ…
わざわざ特別な方法を探さなくても、知っていたやり方でよかったんじゃん。
今回の件で、そう改めて思った次第です。
ここでもむかし、次の日の朝に使う味噌汁のために毎晩、
母が煮干しのはらわたを取り除いていた記憶が蘇りました。
子供の頃は、味噌汁にギラギラ光るいりこの破片や、
つぶしきれてない味噌の大豆がイヤで、実は味噌汁はお汁をいつも残して飲んでいました。
いま思うと、子供の頃のほうがよほど、高血圧対策バッチリです。
ですが、心から美味しく味噌汁が飲みたいという、熱い思いからはじまった今回は、煮干しは火にかけずに水でダシを取るだけでも十分美味しいことを、自分でやってみて知ることができて大満足です。
こんな探求心のおかげで、日常に、ちょっとした非日常のたび気分を味わうことが出来ました。
わたしが求めた[高血圧でも美味しい味噌汁]が味わえるのも、
もう間もなくです。
探求の旅のすえに、煮干しでダシをとることを思い出し、
子供の頃の原体験をいかし、
味噌教室の時間を一緒に共有してくださったみなさん、先生、生産農家さんの想いが詰まった味噌をといていただく。
そう思いを巡らせるだけで、まだ味わっていない私の理想の味噌汁に、
今から胸がときめいてワクワクしています。
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