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三絃の猿【第一夜】

<備忘録として>

2023年11月10日(金)。

三絃の猿【第一夜】が
終わってみたら
今まで感じたことがない
充実感で満たされ
あふれあふれ
とめどない余韻が
つづいていた。

昨年から夢見ていたことが
想像をはるかに超える形で
その場に現れて
終演後、共演の前山真吾や
お客さんの顔を見て「自己満足」では
なかったんだなぁと思えた瞬間、
全てがすっきりしていて
安堵の気持ちが体にゆっくりと
染み渡っていくのを感じていた。

真吾、マヤスコけいごさん、
いつも強力サポートしてくれてる
RIEを始め、ライヴの宣伝に
関わっていただいた方たち、
そしてご来場いただいた
たくさんのお客さんに
ただただ感謝です。


時間を約1ヶ月戻し、
10月16日(月)。
この日【第二夜】に
出演してもらう
里朋樹との初めてのリハ。

この日までに奄美のシマ唄の
メロディを数曲体にしっかり
入れておくつもりだったが、
9月30日から入った韓国でフェスに
出演し、そのあと東京での
姉みっち。の還暦記念ライヴまでの
一連の流れが終わったあと
腰と腸に一気に疲れが来てしまい、、、
奄美のシマ唄を体にしっかりと
入れておく余裕は全くなかった。

【第一夜】に出演してもらう
真吾と朋樹、それぞれと
一緒に演奏したい奄美のシマ唄と
沖縄の曲をリストアップしただけで
朋樹との初リハに奄美ASIVIの2階にある
スタジオへ向かった。

朋樹とのリハ、そして
翌日17日(火)の真吾とのリハ。

この2日間で聴いた
2人のシマ唄の感触は
一生忘れない。

数百年にわたって
綿々と伝えられてきたものを
2人がそれぞれ大切に時間をかけて
積み重ねてきた「結晶」を
目の前で見せてもらった。

その「結晶」と
どう関わりながら
私が今回「三絃の猿」で
やりたかったことを
どういう形で表現するのか。。

そして、結果的にお客さんに
「楽しかったなぁ」と
思ってもらえるようにするには
どうしたらいいのか。。

正直どえらいところに
足を踏み込んでしまった
感じがした。

2人とのリハから
11月10日までは
リハ中録らせてもらっていた
真吾と朋樹の唄を
ひたすら聴いては唄い、
今回私は「三線」しか
使わないという<しばり>が
あるので三線のみで
ライヴ前半に唄う曲を
連続で唄っていく練習、
そして初披露となる
講談スタイルの<語り>
『ワイド節・誕生物語』を
作って語っては修正して
また語る、の毎日。

気づけばあっという間に
その日を迎えていた。

『三絃の猿』のポスター写真の
撮影以来久々に着る着物を
なんとか着て帯を必死に締めて
マヤスコで真吾とのライヴ前の
音合わせが始まった。

素直な気持ちを書くと
真吾が歌うシマ唄へ
囃子を入れることに対して
感じていたことは
「真吾に迷惑をかけたくない」
ということだった。

音合わせで真吾から
うれしい反応をもらえて
ホッとできた。

いろいろ流れの確認を
しながら、ほぼライブと
同じテンションで唄い、語り
ライブ前にはすでに
一度ライブをやり終えたような
感じになっていた。

開演してからは
最後まで
無我夢中だった。

まずは私が1人で
三線で5曲歌ったあと
真吾を呼び込んで
奄美シマ唄定番のご挨拶の曲
『朝花節』。

『朝花節』での
私の囃子一節目で
拍手と「おー!」という声が
上がったとき、
すべてが報われた気がして
そこからは『しあわせ』が
充満していた。
無邪気な子供のように
はしゃぐ私が映像に残されている。

『朝花節』『いきゅんにゃかな節』
『稲スリ節』この3曲は
私が元唄のイメージを崩さないように
作詞をした歌詞で唄ってみた。

沖縄の曲「芭蕉布」「月ぬ美しゃ」
「イラヨイ月夜浜」3曲は
真吾が、他の地域で作られた唄を
自分の世界に引き寄せて
独自の色を出しながら
唄えることを証明できたんじゃないだろうか。

男性ユニゾンでの
唄の広がり方は
また今後も試したい
一つの形。

今年7月に京都芸術大学で
大好きな落語家「十一代目桂文治」さんの
落語講座を2日間受け
その後も寄席に数回通い
Youtubeにアップされている
「六代目神田伯山」さんの講談
『中村仲蔵』を覚え<カバー>することで
『ワイド節・誕生物語』を
構築することができた。

「語り」という
今までやったことがないことを
ライヴで初披露することは
語り始めるまで、極度の不安と緊張が
走ったが、語り始めたら
その世界にすぐに入れた。

お客さんが物音一つ立てずに
聞き入ってくれているのが
よくわかった。
反応もかなりよく、そのあと真吾を
再度呼び込んで2人で唄った
『ワイド節』は
今まで唄ってきた『ワイド節』とは
別物で格別だった。

ラストは
沖縄のカチャーシーから
奄美の六調へ。

お客さんが踊り、声を出し
指笛が飛び交う。
『楽宴』だった。


三絃の猿【第一夜】セットリスト

ハシケン(唄、三線)
前山真吾(唄、三味線)

<ハシケン・ソロセット>
1、与那国のネコちゃん
(元唄「与那国のマヤ小(ぐゎー)」
2番以降はハシケン超訳、作詞の標準語歌詞)

2、月光の道
(ハシケンのオリジナル)

3、Perfect
(イギリスのシンガー
「エド・シーラン」のカバーを三線で)

4、白雲節
(沖縄民謡。ハシケンが超訳、作詞した
標準語歌詞を載せたり、奄美のシマ唄で
唄われてる歌詞を載せてみたり)

5、海ぬチンボーラ
(沖縄民謡。ハシケンが超訳、作詞した
標準語歌詞で)

<奄美シマ唄セット>

6、朝花節
(最初の3番まで前山真吾、あとの3番を
ハシケンが作詞した標準語歌詞で)
※真吾の三味線

7、いきゅんにゃかな節
(最初の3番まで前山真吾、あとの3番を
ハシケンが作詞した標準語歌詞で)
※真吾の三味線

8、ヨイスラ節(前山真吾メイン、
ハシケンは囃子のみ)
※真吾の三味線

9、塩道長浜節(前山真吾メイン、
ハシケンは囃子のみ)
※真吾の三味線

10、稲スリ節(前山真吾とハシケンで
交互に唄うスタイル。ハシケンは
作詞した標準語歌詞で)
※真吾の三味線

<沖縄の曲セット>

11、芭蕉布(2人で)
※ハシケンの三線

12、月ぬ美しゃ
(前山真吾とハシケンで交互に唄うスタイル。
ハシケンは作詞した標準語歌詞で)
※ハシケンの三線

13、イラヨイ月夜浜
(前山真吾とハシケンで
交互に唄いユニゾンもあり)
※ハシケンの三線


<語りから唄へ>
14、語り『ワイド節・誕生物語』

15、ワイド節(2人で)
※奄美の三味線と沖縄の三線での共演。

<沖縄のカチャーシーから奄美の六調>

16、ハリクヤマク〜唐船ドーイ〜
一切朝花〜六調
※奄美の三味線と沖縄の三線での共演

<アンコール>
・講談『中村仲蔵・序章編』
・ワイド節

三弦の猿【第二夜】につづく
https://note.com/hasiken/n/n012ddf189e48






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