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母の旅立ち、私の見送りへの道 入院編④ 2/15~2/19 (嘔気との戦い、薬の投与量倍増、会話激減…)第17回/全35回

この記事は母が旅立つまでの道のり、私が母を見送るまでの道のりを綴ったものです。

入院生活も中盤から終盤に差し掛かる頃。薬が効かなくなったのか、嘔気が出るようになってきた時期。これは薬の投与量を増やすことで解決出来たように見えるが、その分だけ眠る時間が増える事になる。母との会話する機会も減り、こちらの問いかけ頷いたり首を振ったりするだけになっていく…。


2月15日 木 S病院 入院17日目【常に嘔気との戦いとなる】


14:00
入室
14:20
嘔気あり
14:40
少量の氷を口に含む
15:00
嘔気あり
15:30
氷食す
16:10
退出
16:50
帰宅。
自宅ポストに母上の介護保険証が届く。
なんと要介護5の判定だった。

【2/15補足】

この日は終始嘔気(吐き気)と戦っている様子。
吐き気が無い時は眠る感じで、氷を食べさせるのみで会話は殆ど無し。
右目に貼っていたアイパッチを鬱陶しいと自力で剥がしたように、少しイラつき加減が見えている。いつも顔や首に塗るクリームも拒否するほどで、常に吐き気に苦しめられていた様子

痛み止めや吐き気止めに関しては、訴えれば即座に点滴を入れてくれる看護師さんもいれば、してくれない看護師さんも居るとの事。先々の事を考えて薬の制限があるようで、看護師さんによっては頑なに吐き気止めを入れてくれない人もいるらしい。

母上には楽に過ごしてほしいが、薬に慣れると後々が大変なので制限されて少し苦しんでいるようにも見える。どちらの判断が正しいのか…。

2月16日 金 S病院 入院18日目【要介護5認定】


13:00 
入室
13:20
うがい(介助)
14:00
ポカリスエット少量飲む
14:10
ガリガリ君少量食す
14:30
看護師さんによる清拭
15:00
脚マッサージ
15:30
痛み止めが切れているのか背中を痛がる
16:00
担当医T先生から現状報告とお話し。
この時に母が背中を痛がっている事を伝えると、太ももに大きめの痛み止めのテープを2枚貼ってくれるとの事。
16:20
退出

【2/16補足】

昨日介護保険証(正式版)が自宅に届いたのでケアマネのYさんに第一報を入れる。要介護のレベルが5となった事に驚きを隠せない
この日は母の背中を触ったが、かなりのしこり(腫物)の量と大きさを確認。

家に居る時よりも確実に増えているし、ガン転移の凄まじさを感じる。
そのしこりが最近特に痛いようで、背中部分はベッドに面しているのでかなり痛みを感じる様子。

帰り間際にたまたま担当医(T先生)と話す機会があり、その時に母の背中の痛みの事を伝えると即座に対応してくれた。皮膚から吸収するタイプの痛み止めだろうが、太ももに貼り付けるタイプの痛み止めらしい。これの効果がある事を祈るばかり…。

2月17日 土 S病院 入院19日目

13:30
入室。
入室と同時に部屋が暑いのでクーラー入れる(室温が25度くらいだった)
13:15
ゼリー少量食す
13:30
ポカリ飲ませる
14:00
眠る…
15:00
看護師さんによる清拭
16:00
退出

【2/17補足】

この日は外気温も暖かく日差しもあった日。部屋の温度も結構上がっていて、私が入室時にすでに暑いと感じたくらい。母上は相変わらずカーテン閉めなど細々としたことは看護師さんには言い難い感じ。

それにしても室内温度はけっこうな高温という印象で、即座にクーラーを起動させた。昼前からは暑さで少し寝苦しかったらしい。クーラーで部屋の温度を下げた事、昨日帰り際の太ももへの痛み止めテープが効いているのだろうか、その後は痛みは無く終始眠る感じ。
今日は暑さとの戦いとなったね…。

眠さが勝るのか、それどころじゃないのか最近はうがいをしていない状態。
私が独自に母の口元を湿らしたりしているが、口腔ケアが心配なところ

15:00に受付に行って2/1~10の入院費の支払いをする。この支払金額の3倍が1か月分の入院費となるのだが、もはや金額の問題ではない状況。ここに来た時から月額でいくら掛かるから分かっていたし、事前にちゃんと数か月分を見積もってあるのでね。

2/18 日 S病院 入院20日目【会話量が減る…】

13:20
入室
13:30
いろはす(桃)飲ませる
13:40
眠る…
14:20
顔、首、手足に乳液とクリーム塗る 脚マッサージ
15:30
氷を食べさせる
16:00
退出

【2/18補足】

薬が良い感じで聞いているのか終始眠る感じで会話は殆ど無し。
水を飲ませる際、帰る際に声をかけて僅かに頷く程度までになった

ただし痛がる感じ、しんどい感じが見られないので母の為には非常に良い事ではある。

ただこれで真面な会話が無い状態が4日目になった。寂しさを感じつつも、いよいよ…という感じも出ていて、それなりの覚悟が必要な時期に入ったのかもしれない。

今日で入院して20日目。家に居ている時の痛がり方と苦しがり方を知っているから、正直なところここまで来れるとは思っていなかった。嬉しい誤算ではあるが、このままもっと長く生きて欲しい。ただ母にとっては痛みと苦しさの戦いになるし、この戦いが長引く事はあまり良い事では無いのかもしれない。

ちなみに母上が家に居る時に話してくれた事で、母方の祖母(母の母)が亡くなった時は「やっと苦しさから解放されて良かったね」と思ったと話してくれた。そう思うとやはり命を永らえる事は母にとっては苦痛という事になるのだろうか…。

2月19日 月 S病院 入院21日目【痛み止めの投与量倍増】

(入室前に担当医(T先生)から説明あり。痛み止めの投与量を倍にしたとの事)
13:30
入室
13:45
暑がる。
おしぼりを湿らせて額に乗せる
13:50
ポカリスエット飲ませる
14:40
看護師さんによる清拭
15:00
脚のマッサージ
16:00
退出

【2/19補足】

終始殆ど眠っている状態。
入室前の担当医(T先生)からの話では、今朝から痛がる感じを見せたので、痛み止めの投与量を倍にしたとの事。その効果なのか痛がる感じは全く見せないし、終始おだやかに眠る感じ。かなり本格的に眠っているのか母上の寝息を聞いたのも久々だった。

本日は昼以降はほとんど雨。室内の温度も上がらないので母上も快適かもしれない。

相変わらず会話も殆ど無い状態で、終始水を飲ませるのと額に濡れたおしぼりやタオルを乗せ換えるだけ。母上の上半身、顔、首は熱っぽく感じるが、手足は冷えているのが気になる。

【2/15~2/19 まとめ】

嘔気が出始めた事で薬の投与量が増やす事に。母も嘔気に耐えかねて、何度か看護師さんに吐き気止めの投与をお願いしたが中々対応してもらえなかったそうだ。まあその理由が後に分かるのだが、当時は苦しがっている母の姿を見ると辛いものがあった。正直「これじゃ家に居た時と変わらないではないか…」と思った事もある。

看護師さんによって対応がまちまちなのは、看護師としてのキャリアに拠ると後に担当看護師さんから聞いた。経験の少ない看護師さんは患者(この場合は母)の訴えに応じて吐き気止めや痛み止めを投与(追加)しようとするが、ベテランになると患者の感情、精神面の不安定さから薬の追加を要求していると見抜けるそうだ。実際担当のベテラン看護師さんは母が吐き気止めを欲した時に「氷を食べさせる事で解決する」と言い、ナースステーションから大量の氷を持って来て私に食べさすようにと渡してくれた。実際に母はこの貰った氷をガリガリと食べる事でストレス的なものが軽減されたのか、落ち着きを取り戻したことがあった。

それでも後半には薬の投与量を倍増せざるを得なくなった。それで嘔気や痛みを訴える事はなくなったが、その分だけ眠る時間が増えて母との会話をする機会は殆どなくなった。まあそれでも母が楽になるのであればこれで良いと思ったし、苦しむのであれば緩和ケア科に入院したのか?となってしまう。母と話す事が出来ないのは本当に辛いし、何かいよいよ…という雰囲気がして嫌だったのだけど…。

【注意事項】

この記事を書いている私は医療に関しては素人なので記事の中で間違った認識、表現、名称を記述している可能性は高いです。さらに一部で感情論に走っている面もあると思いますが、なにとぞご理解と温かい目で見て頂けるとありがたいです。


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