一言感想 アンソロジー表題作、タイトルでバレてる「死んだ恋人」から届く時系列がめちゃくちゃの手紙たち。それと並行して人間の思考に及ぼす「時間」の感覚がそもそも異星人と違うのでは? もしかしたら時間の感覚があるのは宇宙でも人間だけなんではないかしらん的な発想が面白く感じました
短編ひとこと感想 日本SFの臨界点恋愛篇より 「月を買った御婦人」-新城カズマ 時は19世紀。メキシコ帝国一の美貌と権力をもつ姫君に男たちは求婚するが、姫は自分が欲しい物を持ってきた男でないと嫌だという。その物とは、ずばり月。世界中が暴走して月到着レースを繰り広げる歴史改変SF
短編ひとこと感想 日本SFの臨界点恋愛篇より 「生まれくる者、死にゆく者」ー和田穀 じわじわ存在確立が上昇し生まれくる者と、逆に減って死にゆく者のすれ違いと家族の絆が描かれる。過不足ないさりげない文体がめっちゃスマート!うまいなって思ったら和田穀って草上仁の変名だとか!どうりで!
短編ひとこと感想 日本SFの臨界点恋愛篇より 「ムーンシャイン」-円城塔 数を色や形に認識してしまう共感覚の究極的なやつ(謎)を体得してしまっている少女が寝かされている机の前で教授たちがホワイトボードに向かい、「僕」は拳銃を手に廊下に立つ。そこから紡がれる群論・巨大数SF!最高!
短編ひとこと感想 日本SFの臨界点恋愛篇より 「人生、信号待ち」-小田雅久仁 「本にだって雄と雌があります」で我々(主に私)を打ちのめしたあの大法螺吹き(褒めてます)が帰ってきた!より洗練されてぎゅっとコンパクトになっているけれど読み味そのまま!うれしい!楽しい!大好き!
短編ひとこと感想 日本SFの臨界点恋愛篇より 「G線上のアリア」ー高野史緒 「ヴィクトリア朝時代のインターネット」を彷彿とさせますが、それよりも数百年早くにもう電信・電話が発明されていたという設定の歴史改変もの。中世ヨーロッパを舞台に怒涛の如く加速していくテクノロジー感が見もの
短編ひとこと感想 日本SFの臨界点[恋愛篇]より 「奇跡の石」藤田雅矢 多くの超能力者を輩出し、エスパーがばかりが住むという東欧の小さい村を訪れたESP研究者が見たものとは? 共感覚が生み出す感覚の錯綜が見事に描かれる。ファンタジックなエンディングが素敵♡
短編ひとこと感想 日本SFの臨界点恋愛篇より 「アトラクタの奏でる音楽」-扇智司 三条大橋のたもとでギターを奏でるアマチュア・ストリートミュージシャンのもとに、彼女の音楽をある実験に使わせてほしいと同性で同い年の京大生が訪ねてきて…。京都!百合!AR!と三拍子そろった逸品です♡
短編ひとこと感想 日本SFの臨界点恋愛篇より 「劇画・セカイ系」ー大樹連司 あの「劇画・オバQ」をセカイ系ライトノベルでやってみた的な短編。最終兵器たる彼女を最後の戦いに送りだして世界に居残ってしまった「彼」を現実が塗りつぶす。これは痛いって人多そう><