ひとりベランダで、中秋の名月を見上げる。 遠くに高層ビルのあかりが見え、車の走る音がかすかに聞こえる。 星がひとつ見えるな。 こんな、ただのひと時を私はずっと覚えているのだろうか。 とても穏やかな気持ちだったということをずっとずっと覚えていたい。