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海のような人になる

ようやく読みました。話題になってましたけど、心が悲しくなるような内容は嫌だなと思って、なかなか手がでませんでした。

絶対に読んで!って、知人がわざわざ送ってくれたので💦読まないわけにいかず。。
結果、泣きながら一気に読みました。

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事実は小説よりも奇なり。とは、よく言ったもので、私はまた1人の男の子を思いました。

ブラジル人のギーくん。中学から体格はずば抜けて大きく強く、目立っていたのでね、目をつけられていた。

ケンカばかりして、有名だったみたい。高校もすぐにやめちやった。

大きなケンカをして、失明寸前になったギーくん。相手は少年院に入った。

復讐に仲間が動き出して、ギー君はこの街に入れなくなった。まだ10代の子どもなのに。

関東の親戚の家にいくから、3日だけお母さんの家においてほしい。

って。私は「いいよ。」と言った。

一緒に最低限の荷物を自宅や友達の家に取りに行ったりして、3日後にギー君は出て行った。

しばらくして、部屋の片隅に、携帯を忘れているのを見つけて、私は裏を返した。

そして、その携帯を抱き締めて泣いた。裏には、一粒の涙を流しているクマの絵のシールが貼ってあった。

この子の優しい穏やかな気持ちをなぜ誰も受け止めてあげなかったんだろう。親でさえ気づくことなく、無理やり暴力の世界で生きることしかできなかったなんて。悲し過ぎる。

そして、私は自分を責めた。「ずーっといてもいいよ。」って、言ってあげれなかった。

「いいよ」と「ずーっといいよ」は、ぜんぜん違う。

それは、息子に害が及ぶのが心配だったこともあるし、まだ私の心が大きくなかった。

その事があってから、私は「海のような人」になろうって決めた。

受け入れてあげればいい。しばらくすると、みんな自分の行くべき所に行く。行かないで、って言ったって、行っちゃうんだもん。それまでは、休ませてあげたい。

元気に幸せにしていてほしい。

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