こんな僕でも社長になれた

こんな僕でも社長になれた - #全文公開 にあたって

貧乏、イジメ、登校拒否、ひきこもり、両親の離婚、月収6万で新聞配達・・・それでも人生は変えられる!ユーザー50万人を擁する革命的レンタルサーバー「ロリポップ!」を開発、今や年商13億まで登りつめた、paperboy&co社長・家入一真のサクセスストーリー。今話題の「ナナロク世代」の風雲児が、人生のカベに悩むすべての人々へ、勇気と感動、そして成功のヒントを捧げます。

 お待たせしました。一番最初に

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こんな僕でも社長になれた - 新装版にあたって

こんにちは、家入です。
 この本を出したのが二〇〇七年。paperboy&co.を立ち上げて五年後のことでした。そして再出版にあたり、この後書きを書いている今が、二〇一二年。
 そうか、もう最初の起業からちょうど十年たったんだ。
 二〇〇七年にたちもどって後書きを書くというのは、タイムマシンで過去に行ったようで何だか不思議な気持ちです。

 あれから更にまた色々やらかすよ、お前は。
 僕は当時の僕

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こんな僕でも社長になれた - 解説 佐々木俊尚

家入さんとのつきあいはもう六年以上になる。最初は酒も飲めない控えめなオタク青年という外見だったのが、今ではすっかりイケメン化し、夜の六本木西麻布界隈を騒がせる「遊び人」風になった。しかしそういう外見の変化とは裏腹に、彼の心の中にある繊細さと誠実さは、驚くほどにずっと変わっていない。

 最初に会ったのは、二〇〇六年六月七日午後のことである。なぜそこまで日にちを正確に覚えているのかと言えば、取材メモ

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こんな僕でも社長になれた - エピローグ

ナウでヤングなレンタルサーバー、ロリポップ!のサービスを開始して以来、早いもので五年の月日が経った。

 考えてみると、開業当時、まだこの世に生まれていなかった息子は今や四歳。新たに三歳年下となる妹が誕生し、僕達は四人家族になった。アキコさんは相変わらず恐……優しくて美しく、しなやかだ。親戚も友達もいない東京という地にやってきて、一時はどうなることかと思われたものの、今では水を得た魚のように、日々

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こんな僕でも社長になれた - 第六章 成功、そして未来へ

突然届いた買収話

 当時の、ペパボで働く社員の平均年齢は二十五歳前後。スタッフが若いことは、こういう業界では特に珍しいわけでもなく、新しい技術を逐一取り込める柔軟性、という意味では、必然といえるかもしれない。ただそんな、僕を含めた若い技術者たちは、どうしても経験値が絶対的に低い。学校に通ったり、技術書を読んだりするだけでは、ケースバイケースの不慮の事態への対応は学べない。そこはただ、場数を踏んで

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こんな僕でも社長になれた - 第五章 ペパボ黎明期

起業を決意

 十月下旬。
 その日僕は、薬院の住宅街の中にひっそりと佇む小洒落た料理屋に、アキコさんを連れだした。
 彼女の長く苦しいつわりはようやく落ち着いて、おなかも少しずつ目立ち始めていた頃だった。その店の名物は鶏料理で、入り口の暖簾には大きく「鳥すき」の文字。
「今日、これ食べよう」
 僕が言うと、彼女は、
「おぉ、豪勢だねえ」
 と言って目を輝かせた。

 アルコールの飲めない僕と彼女

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こんな僕でも社長になれた - 第四章 起業前夜

父さんの事故

 二年目の受験にも失敗(大きな意味で)。
 自分でまいた種とは言え、僕は途方に暮れていた。もう一年浪人して、来年こそ合格を……いや、試験会場を目指すべきか。それとも、縁がなかったと割り切って、このまま就職するべきか。
 箱崎に戻ってからというもの、僕は悩みに悩んだ。これからどうしよう。考えても、考えても、一向に結論を見出せないまま、ただ時間ばかりが過ぎていった。誰々がどこの大学に受

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こんな僕でも社長になれた - 第三章 長いトンネル

大学に行きたい

 そんなこんなで、絵を描き、詩を書くだけの気ままな生活は相変わらず続いていた。……と言っても、十八にもなって働かない、両親の脛(すね)をかじり続ける堕落した生活には、僕自身、いい加減に嫌気が差していた。
(働かなくちゃ……)
 そんな思いは日増しに大きくなっていくのに、相変わらず外に出るのも、人と話をするのも嫌だった。
(このまま一生、誰とも会わずに家の中で絵を描いていられたらい

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こんな僕でも社長になれた - 第二章 「ひきこもり」だったあの頃

チン騒動で転落

 それは僕が小学校一年生のときの出来事だった。
 当時僕たちは、もっぱら家の近所にあった寂(さび)れた神社で遊んでいて、その日も例によってランドセルを置くなり、鉄砲玉のように家を飛び出した。ところがあんまり急ぎすぎたのか、僕が到着したときには、まだ一人も友達の姿はなかった。
(みんな、まだ来とらんちゃが……)
 空は曇りで、妙に蒸し暑い初夏の日だった。ただ待つのも面白くないので、

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こんな僕でも社長になれた - 第一章 貧乏な家に生まれて

お金がないゆえの幸せ

 まんまるなお顔
 細いおめめ
 天を向いたお鼻
 だけどあなたは世界で一番かわいい

 あなたは私たちの宝物
 丈夫に元気に育ってね

 僕が生まれて間もなく、産院のベッドの上で、僕の母さんはこんな文章を記した。何てことないメモ用紙の端切れに、ボールペンで書き留められたこの短い詩は、父さんの手で二十七年もの間大切に保管され、先日ついに、僕のもとにやってきた。

 一九七

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