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「自分自身」というファンの熱量を最大化させることが生きる意味(読書メモ #ファンベース)

本書を1年以上前に読んだ時は、広告・マーケティング関連の新手法を紹介する本として読んでいた。

だけども、先週の「持続可能な資本主義」とか、その前の「ニュータイプの時代」「VISION DRIVEN 」あたりを読んだ上で本書をよみかえすと意味合いが変わって見えて来た。

それは、本書はマーケティングの本と狭義にとらえるべきではなく、今の時代における企業の在り方とか個人の在り方について書かれた本と解釈するべき、という視点。

つまり、企業も個人もファンの最大化こそが存在目的なんじゃないかと。(ここで最大化を目指す「ファン」は頭数の話ではなく、熱量の総量という意味。「ヘイトを集める」の「ヘイト」の対義語としての「ファン」)

そして、その「ファン」最大化の方法論として、本書は参考にされるべき名著なんだなと。

一方で、現実に受け入れやすくするために、キレイゴトとされてスルーされるのを防ぐために、企業にとりいれてもらうために、既存のパラダイムである「売上最大化」「利益最大化」の手段として位置付けている。

結果、受け入れられて、少しでも実行されていくことが、世の中を変える事につながるのであれば、そっちのがいい、という判断なのかもしれない。

「俺はいいけどYAZAWAはどうかな?」の構造においては、「俺」さえもYAZAWAを共創しているファンの1人として捉える事も出来る。

そう捉えたら、自分自身も、どんな価値を大切にしているのか?という事に自覚的にならざるを得ない。ファンとしての自分自身が喜ぶか?そういう生き様を選択できているかどうかが大切。

信頼があればいつでもマネタイズする事は容易になった時代に、信頼と共感と愛着の総量であるファンを追いかけること、どんな旗を立て、どんな価値を大切にして行くのか、企業も個人も、まずそこから考えないといけない。

ファンベースは信頼におけるサブスクリブションであり、「意味がある」ことにおけるカスタマーサクセスと捉えると、SaaSのフレームワークに落とし込めていろいろつながると思う。

ちなみに「心の本音」が類友に届くのがオーガニックリーチ、というところが本書で一番好きな定義

誰かに言わされたのではない、自分の中から出てきた言葉、心からの本音みたいなことだ。で、その「自分の言葉」が周りの類友や友人に届くことを「オーガニック・リーチ」 と呼ぶ。

そろそろ読み返しておきたい一冊かと。

線を引いたところ

後で見返す用に線を引いた箇所の中でも特に大事と思ったところを引用しておく。

ファンベースとは、ファンを大切にし、ファンをベースにして(ベースには、土台、支持母体などの意味がある)、中長期的に売上や価値を上げていく考え方だ。
もう少し言うと、 ファンとは「企業やブランド、商品が大切にしている『価値』を支持している人」 と、この本では定義したい。
企業の本業とは「生活者の課題解決」 であり「笑顔を作ること」 なのだ。
現時点でのSNSは「リーチ 量 を上げるメディア」ではなく、「リーチ 質 を上げるメディア」と捉えたほうがいいと思う。不特定多数への拡散としてはまだ弱いメディアだが(テレビのほうがずっと強い)、それよりも、企業とファンとのつながりを強くする、または( 3)で述べる「ファンから類友へのオーガニックなオススメ」に活用される時などにはとても有効なメディアなのである。
誰かに言わされたのではない、自分の中から出てきた言葉、心からの本音みたいなことだ。で、その「自分の言葉」が周りの類友や友人に届くことを「オーガニック・リーチ」 と呼ぶ。
ファンベース施策のとき一番間違えがちなのは「全員にファンになってもらいたい」と望んでしまうこと。
経験上、特にメーカーの人は、商品を愛するあまり「商品を買ってくれた人=すべてがファン」と考えがちな人が多い。くり返すが、ファンは 買ってくれた人の 20%くらいである。
ファンの支持を強くするための 3 カ条
・その価値自体を、アップさせること「共感」を強くする
・その価値を、他に代えがたいものにすること「愛着」を強くする
・その価値の提供元の評価・評判を、アップさせること「信頼」を強くする
ファンって意外と不安に苛まれているのである。「この商品が好きな自分ってイケテルのか」「この商品のファンって言って笑われないか」「この商品を友人に薦めても大丈夫か」など、意外と自信がない のである。
自信を持ってもらうために一番いいのは、他のファンのオーガニックな言葉を読むことだ。だから、企業側で意識的にそれを用意しておくのは基本中の基本である。  
ファンやユーザーの声、有識者へのインタビューなどを
・アクセスしやすく(探しやすい)
・リンク元にしやすく(シェアしやすい)
・より自信がもてるように(共感しやすい)  
きっちりと自社サイトなどに載せて、用意しておくことは必須である。  
顔がわからない新規顧客を相手にするのとは違って、ファンを相手にすることは、顔が見える者同士の「人間のつきあい」なのである。そこをよくよく意識しないと、すぐ見透かされるし、ファンを喜ばすことはできないだろう。
企業もブランドも商品も一緒である。   生活者の課題を解決するためにどれだけの「想い」があったか。どれだけの人がそのプロジェクトに携わり、どのくらい「時間」をかけたのか。そして、どのくらい生活者のために試行錯誤し「努力」したのか。 そういうストーリーやドラマが、ファンに愛着という感情を起こさせる。
何度も書いているが 、ファンとは商品そのものではなく 、商品が 「大切にしている価値 」を支持している人である 。ということは 「価値 」にファンがつく 、ということだ 。その価値を軸にファン ・コミュニティを作るべきだし 、そのほうが活気づくだろう 。
ただ、もう検索ですべて出てきてしまう時代である。隠すのはあまり得策ではない。自社サイトで整理して見せて、どう対処しどう改善したかを明らかにしよう。そういう誠実さこそが信頼を作っていく。
ファンを大切にする施策というと「ファンとつながる」みたいな実際のつきあいを想像しがちだが、その前に、ファンが共感したり愛着を持ったり信頼を感じたりする「要素」を丁寧に増やしていくことが重要だ。  
それらが増えることで、 ファンがオーガニックなオススメをするきっかけが生まれるし、言いたくなるような状況を作れるし、言いやすくなるような環境ができていく のである。
コアファンになってくれた(と思った) 人を神様的に扱い、下にも置かない扱いをする担当者は意外と多い。そういう態度こそがファンベースだと勘違いしている人も多い。違う。 それは単なる「平伏」だ。お金をより多く使ってくれている人への「土下座」である。「はじめに」でも書いたが、企業がやっていることは「生活者の課題解決」であり、それは最大の「社会貢献」なのである。そういう価値を、お金で生活者と交換しているわけだ。  つまり、 価値的に対等、なのである。
共感(価値自体を、もっとアップさせる) 熱狂
愛着(もっと他に代えがたいものにする) 無二
信頼(提供元の評価・評判を、もっとアップさせる)応援
妨害して無理やり広告を見させるのではなく、望んでくれる人に謹んで情報を提供しますよ、という感じに近い。  
そしてその提供は、「笑顔」をもって迎えられる。
でも、あえてキレイゴトを言うが、あなたは人生において何を大事にするのかということを試されているとボクは思う。何のために会社に入り、何のために仕事をし、何のために生活者にその商品を売っているのか、である。
企業の本業とは生活者の課題解決であり笑顔を作ることで、それを日々実行している企業活動はそれ自体が社会貢献だ、と、「はじめに」で書いた。  ファンベースでできる「つながり」が、その貢献をもうひとつ増やしてくれるなら、それは本当に素晴らしいことだと思う。

毎週note書いてます!

ぎっくり腰に初めてなってしまい。痛すぎる。横になりながら初めて完全にスマホのみで更新しました。

今のところ毎週更新なんとか継続中。

https://note.mu/hasenor/m/mebccddc42e20

※今回は、8月18日(日)~8月24日(土)分の週報になります。


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