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三春タイムズ

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福島県三春町での暮らしや季節の行事、風景など ゆるやかで心地よい時間の流れを 「三春タイムズ」と題して追っていきます。 題字をはじめ、毎回文章に合わせて 素描家shunshunが… もっと読む
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#三春のinkyo

vol.35 小暑 「あいさつ」 7/7〜7/21

 お昼を過ぎ、陽が傾きかけたといっても外はまだ明るい。in-kyoのカウンターに座って作業をし…

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vol.47 小寒「箒」1/5~1/19

 東京でひとり暮らしをしていた頃、今からもう10年以上前になるだろうか。掃除道具を掃除機か…

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vol.48 大寒「光のつぶ」1/20~2/3

 こよみを意識して生活するようになってから数年が経つ。それは三春で暮らし始めた時期とも重…

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vol.40 秋分「ニラの花」9/23〜10/7

   お隣りのお宅の庭にニラの花が咲き始めた。白くて可憐な花。朝、出がけに見かけて、その…

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vol.46 冬至「モミの木」12/22~1/4

  カサッ、クシュッ、カサッカサッ、クシュッ。 カラッカラッに乾いた落ち葉を踏む音が耳に…

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vol.45 大雪「ストーブ」12/7~12/21

 陽が暮れるのが日に日に早くなっている。午後を過ぎてin-kyoの白い壁に、冬のやわらかな光が…

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vol.44  小雪「ゆべし」11/22~12/6

 東京でお店を構えていた頃から今も、なぜか食べ物をよくいただく。それは甘いお菓子やパンのこともあれば、お惣菜ということも。祖母譲りの食いしん坊が顔にでも書いてあるのだろうか?  三春では季節の野菜や果物も多く、しっとりとした畑の土をつけた採れたてのものだったり、スーパーではなかなか出回ることのない土地ならではのものだったり。初めて出会ったサツマイモの茎は、簡単に調理できるようにと下茹でまでした状態でいただいた。シャキシャキの食感が蕗に似ているけれど、苦味がないのできんぴらや焚

vol.43 立冬「昭和歌謡」11/7~21

 朝の開店準備は、まずは入口のドアを開け放ち、箒で店内の掃き掃除を始める。ヒヤッとする…

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vol.42 霜降「バス待ち人」10/23〜11/6

 「あぁお腹が空いた」と、時計を見るともうすぐお昼。私の腹時計はだいたい正確にできている…

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vol.41 「新米」寒露 10/8~10/22

 カラリと乾いた風が心地良い秋晴れの日が続いている。日中は汗ばむような陽気でも、金木犀の…

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vol.39 白露「井戸」 9/7〜9/22

 自宅の敷地内には古い井戸がある。この辺りの水はその昔、三春城下の名水のひとつに数えられ…

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vol.38 処暑「送り火」 8/23〜9/6

 お盆が近づくと、in-kyoの二軒隣にある花屋「まるおん」さんの店先にはお供え用の花が束とな…

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vol.37 立秋「蝉」 8/7〜8/22

 朝からジリジリと強い陽射しが照りつける。気づけば家の軒下や木戸には、セミの抜け殻があち…

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vol.36 大暑「駅」7/22〜8/6

 今年に入って、以前から興味のあったアロマテラピーを学ぶために、月に一度いわき市にお住いの先生のご自宅まで通っている。私が車の運転をしないものだから、はじめの1~2回は夫が用事を兼ねて送ってくれたものの、それもなんだか気が引けて列車で通うことにした。  三春駅からいわき駅までは本数は限られるけれど、磐越東線の直通運転の列車に乗れば約1時間半で行くことができる。私が乗る時間に通学で使っている学生は、田村高校へ通っているようで三春駅で皆降りる。入れ違いに乗り込んだ車内は大抵ガラン