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天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎

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今もあふれる悲しみ。『天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎』(文春新書)を書くことになったのも、私にとっては宿命だったような気がしています。いつまでも忘れられず、記憶のなかで生き… もっと読む
ふたりの天才と名人のことが今でも、こころから離れません。『天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎』(… もっと詳しく
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#歌舞伎座

【劇評258】右近、巳之助の『弁天娘女男白浪』は、歌舞伎の未来を予告する。

 歌舞伎座で『京鹿子娘道成寺』を踊るのは、女方舞踊の頂点に立つひとりと認められるに等しい…

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長谷部浩
2年前
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【劇評255】幸四郎、右近の愛情深き『荒川の佐吉』

四月大歌舞伎、第二部は新作歌舞伎とめずらしい舞踊の狂言立てとなった。  真山青果が大の苦…

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長谷部浩
2年前
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【劇評237】勘三郎が演じていない役を、勘三郎のように演じてみせる勘九郎。七世芝翫…

 懐かしい演目が歌舞伎座にあがった。  北條秀司の『お江戸みやげ』は、十七代目勘三郎のお…

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長谷部浩
2年前
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【劇評232】歌舞伎座第二部、七月は白鸚の『身替座禅』の内省。菊之助の『鈴ヶ森』の…

一年のうち、もう半分が過ぎたのか。  終息の気配が見えないコロナウィルスの脅威のなか、懸…

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長谷部浩
3年前
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【劇評220】菊之助の『春興鏡獅子』は、十年後、伝説の舞台となるだろう。

 記憶に残る伝説の舞台が生まれるには、なんらかの必然が働いている。  五月大歌舞伎は、三…

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長谷部浩
3年前
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歌舞伎に未来はあるか、断崖にいる私たちについて考えたこと。

 大阪では、医療が緊迫している。東京も明日はどうなるか、わからない。  ロンドンやニュー…

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長谷部浩
3年前
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【劇評210】勘九郎、七之助による追善となった『猿若江戸の初櫓(さるわかえどのはつやぐら)』

 歌舞伎には、寺社が設立された経緯を構造として組み込まれている演目がある。『摂州合邦辻』は、大坂、四天王寺にほど近い月江寺建立。『三社祭』は、江戸、浅草、漁をしていて観世音菩薩像をすくいあげ、三社様の本尊としたという枠組みがある。中世の説話や説経節を日本の藝能は引き継いでいる証しだろうと思う。  ならば、江戸から綿々と繋がる歌舞伎の家系を寿ぐために、ある種の神話を新たに作ってしまおう。こうした新作舞踊ができたのは、先の伝統に連なる作劇の方法の流れがあるのだと思う。  今月

有料
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三津五郎の墓参りに行って、ぼんやり考えたこと。

 入試の季節は、受験生の必死な思いとぶつかりあうことになる。  もっとも、二○一五年の二…

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長谷部浩
3年前
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【劇評207】十八代目勘三郎が勘九郎に乗り移った『連獅子』。十七代目勘三郎三十三回…

 一見、関係ない話から始める。  二○○七年の三月、パリオペラ座で市川團十郎、市川海老蔵…

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長谷部浩
3年前
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【劇評205】二月大歌舞伎。魁春、歌舞伎座で久し振りの『十種香』を出す。松緑、巳之…

 二月大歌舞伎は、第一部『十種香』から。年表を見ても、松江から魁春となった平成十四年から…

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長谷部浩
3年前

三月大歌舞伎も三部制。歌舞伎座が開いている意味を思う。

 三月の歌舞伎座、番組が発表になった。今年になってからは、三ヶ月続いて三部制を取る。緊急…

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長谷部浩
3年前
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『野田版 桜の森の満開の下』の劇評。シネマ歌舞伎のDVD化を記念して。

 4月7日(水)に、シネマ歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』のブルーレイ、DVDが発売されると…

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長谷部浩
3年前
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【劇評203】幸四郎家三代の『車引』に酔い、勘三郎を受け継ぐ『らくだ』に笑う。

 新春の観劇予定を立てたのは、十二月の半ばで、緊急事態宣言が迫っているとは思っていたが、…

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長谷部浩
3年前
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未曾有の苦難にあえいだ歌舞伎。今年、私が揺さぶられた三本を選んでみた。

有料
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