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日本の発見


Le Japon 1883年(明治16年) 長い鼻の曲芸


本資料はフランスの著述家 エドモン・ヴィルタールが明治16年に著した『Le Japon』の挿絵です。何枚か手に入れましたので何回かに分けてご紹介します。

1880年代、海外から日本へ渡り数々の土産物や情報を手にして帰国した人々が次々と日本に関する本を出版しました。ヨーロッパではジャポニスムといわれる日本趣味が流行し、日本に興味津々でした。

意外なことに日本の海外公演のパイオニアは能や歌舞伎ではなく旅芸人でした。エキゾチックな極東の芸人達はヨーロッパで注目され、日本文化の紹介に大きく寄与しました。

『明治百話』に明治33年に世界各国を回った烏森芸者が当時の様子を証言しています。少しご紹介します。

「品のいい長唄だの、イキな清元だのの踊りはチットも受けません。道化がかった滑稽な踊りが一番受けるんです」

この証言からもヨーロッパで受ける日本の芸は本資料にあるような大道芸のようなものであったことがわかります。それにしてもこの絵の天狗の芸は無茶過ぎます。

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