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カルヴァドスで乾杯を

フランスのノルマンディー地方で、りんごからできたお酒、カルヴァドス。

りんごのフレッシュさよりも、少しクセのある風味が印象的なお酒。

皮肉めいたジョークのようで、フランス人が好みそうな味、というイメージがある。


3月は、卒業の季節だ。

わたしにとっても、外側に変化はないのだが、

自分の内側が変化したのを感じた不思議な1ヶ月だった。

何が、どう変わったのか。。。

うまく言語化できない自分がもどかしい。。。


はっきり自覚しているのは、

脳内で繰り広げられていた、狡猾なエゴの存在を見抜くことができたこと。

そのエゴは、ただ、

「あ、これ、エゴだな。。。」

と気がつくだけでいい。

それだけで、癒される。

そして、それを繰り返していくと、エゴは舌を巻いておとなしくなっていく。

人として生きている限り、エゴが完全に消滅することはないと思う。


でも、わたしはエゴが登場するたびに、この反復作業を繰り返して、自分自身が心底癒やされた。


そして、エゴは、わたしに道を譲ってくれた。

わたしから湧いてきた純粋な思いを、

望んでいい、と。

幸せになっていい、と。


それだけで、わたしは宙に舞うように軽やかになった。


数少ない得意料理である、トマトとチーズのパスタと、

カルヴァドスで乾杯した。


少しクセのあるカルヴァドスは、

自分のようで、笑える。



晴海たお


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