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『ミギとダリ』第9話「コロスコロスコロスコロスコロス」感想 神回!!今週泣いちゃったよ!!ミギダリまじてぇてぇ…


◆これまでの感想

◆罪の償い

「ミギ…ミギ…」
どうしたの?右心房が痛むの?

うっかりミギの名を出したことにヒヤヒヤしたが、まあフツーは人名とは思わないよなあ。「右のどこかが痛んだのかしら」と疑うよなあ。だからって右心房というチョイスはなかなか思いつかないから面白フレーズになっている。
もしこれが逆にダリだったら「サルバドールのおヒゲが欲しいのね!?任せてちょうだいちょっと競り落としてくるわ!!」とか言い出す自信は絶対ある。

瑛二くんはやはり罪を償いたいために前回庇ったのだという。
そんな予感はしていたが、やはり単なる事故とは思いたくないし、吐き気を催すほどのガチの罪悪感があったから自然と赦してあげたい気持ちになってしまう。もっと言うなら、瑛二くんの気持ちを汲み取ってあげたくなる。

また、真相を尋ねる為に同じ学校に通うサリーというガワをここで活かす発想が巧い。単なる一発ネタだと思っていただけに、良い意味で都合の良さがある。素直に賢いな、と感心した。しかも今回ダリではなくミギがサリーちゃんにチェンジである。それでも違和感ないのがすごい。

ジオラマは瑛二ママ作成という納得しかない解像度の高さ。
もう黒幕ないしラスボスはこの人としか思えないし、残り話数も少なくなってきたから思わぬ新キャラ出してそいつと共謀されても無駄にスケール広げて微妙だ。寧ろ、ひとりだけでこれを作り上げた狂気を孕んでいる。
そして瑛二くん曰く「幼少期に突き落としたメトリー(ミギダリママ)なんて女はオリゴン村に存在していない。ただのお化けだ」とママに信じ込ませられたのだという。幼少期ならそうなってもおかしくないだろう。それから数年の時を経て自分が殺してしまったという事実を知れば、そりゃあトラウマと化して嘔吐したり罪を償いたくなっていいだろう。

こうして情報が整理されると、瑛二くんの境遇が生々しくなってきたな。ものすごく同情したくなってきた。

◆完全にホラーアニメ

ヒエッ…
フランスパンはよく鈍器扱いされるが、実際には硬いけどそこまで殴殺できるものではない。だが、「キチガイに金物」というフレーズがしっくりくるホラー展開開幕となった。瑛二くんはサリーもといミギを逃がしてやるが…

KOEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1111111111111111111111111111111111111111111

妹ちゃんの部屋に潜伏してもこれだよ!バイオ3の追跡者よろしく執念深く追いかけてきてまじこええんですけど!!これまでも怖かったけど、ラスボスの本性を一気にあらわにしてきたよ!!

理解のある妹ちゃんがミギを庇ってくれた。特に疑いの余地はない子なので助かった………のだが、瑛二くん共々実母ではないことが判明した。つまるところ、ミギダリ同様養子関係…??

「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス」

もう妖怪じゃん…ターボババアみたいじゃん…
あっ、『ダンダダン』アニメ化おめでとうございます。

◆ついにばれた

瑛二ママが園山夫妻を眠らせ、ダリを束縛。先に園山家へ乗り込んでいたのだ。とうとうふたりの秘密が初めてバレてしまった…よりにもよって本作の黒幕にだ。
そしてここからがえげつなく、双子のうち片方を絞め殺すことを決意。そうなればひとりだけになるので園山夫妻は特に困らないのだという。サイコ野郎に相応しい思想だ。ここで初めてヘイトをぶちまけてくれるキャラがようやっと登場してくれた。

…われわれは忘れてはならない。前回の話で大分わからされただろう。ふたり(ミギとダリ)で秘鳥(ひとり)でなければ、園山夫妻を幸せにできないのだと。

ダリはやっぱり本質的にお兄ちゃんだよなあ。
ミギを出来の悪い弟のように見なしながらも、「だから死ぬべきは僕だ」と覚悟完了するダリがかっこいいよ…
「僕の…分まで…ごはん食べろよ…」とミギ想いなのもすごくいい。前々回あんなことになったのに、優しいお兄ちゃんだもん。

死という苦しみと引き換えに、走馬灯から母親と再会できたのはせめてもの救いだろうか。だがこんな哀しい結末は望んでいない…

「見えない所にほこりはたまる!
 それらをくまなく掃除するのが、ハウスキーパー!」

!?

みっちゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああんんんんんんんんんンんンんンんンんンン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!11111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111

◆ゲキアツ一転攻勢開幕

来ちゃったよ!!
マジのガチでみっちゃんきちゃったよ!!最高のタイミングできちゃったよ!!!!

いやあもう、ここまじ最高でしたね…!
みっちゃんは生きているはずだとワンチャンを期待をかけて数話経過。瑛二ママというアクが濃すぎるラスボスに追い詰められて絶体絶命の最中、ここで救世主として登場!この展開は全く予想できなかったわ!いやその気になれば想定できなくはないのだが、想定するヒマもないくらい見入っていただけに、みっちゃん再登場はサプライズすぎた。

めっちゃ感情が込み上がった。
みっちゃんが生きてて嬉しい歓びと、流れを大きく変えてくれる救世主降臨の胸熱展開。なんかすげえ少年漫画みたいな展開だったよ!ハルタ連載だけど!おばちゃんが助太刀だけど!もうなんで生きていたのかどうかすら今はどうでもいいくらいゲキアツだった!

その実、生き埋めにされていたのだという。妹ちゃんが気づいてくれたのもすごいが、かろうじて生き延びていたみっちゃんもすげえな…まあみっちゃんだからな、これくらいのスゴ味は魅せてくれるだろうと信じていたぜ。
この後妹ちゃんの実母と出会ったり等、暫く未登場だったのはこうして暗躍していたわけなのだ。流石みっちゃん!

みっちゃん鬼つええ!!このまま逆らう瑛二ママブッころがしていこうぜ!!

勿論瑛二ママもやられっぱなしではいられない!
すげえな今週!見事におばさん同士のバトルアニメだよ!作画も気合入ってる!シュールギャグホラーバトルアニメじゃん。彼岸島みたいじゃん。

超必殺技「秘境デスツアー御一行」!!
やっぱりこのアニメギャグなんだなあ…と原点回帰しているみたいだった。みっちゃんはもうなにをやっても面白さ保障じゃないか!?

こうしてミギダリを逃がしてやったが…

えっ

そ…そんな…
嘘だろ………??

Cパートでは「秘鳥が刺した」ということにされているが、いやそれよりもみっちゃんは生きているんですか…!?致命傷はかろうじて避けられたと考えたいが…
どのみちここで死亡退場させて幕を閉じてもモヤモヤさせられるんだよなあ。かといって生存だと瑛二ママの格下げになりかねないが、ここはみっちゃんのタフさに期待したい。むやみに下げる必要などないのだ。

◆逃避行

とうとう村を離れてしまった。すごい劇的な展開だ。チャリで逃げている間のテーマBGMが哀愁漂うものになっていたのもすごく好き。もうあの日々には戻れないんだなと強く悟らせてくれた。残り4話だから、本当に終盤なんだなあ…

それは誰からのおいなりさんだ。
ミギダリは「ふぐり」と呼んでいたが、いったいなんのことだとググったらキンタマのことだった。いやしかし、こんな展開で果たして笑っていいのかどうか…見ている間は感情が激しかったからな…
最初みっちゃんかなと思いたかったが、流石にあの状況でここまでやってくれるのは流石に無理があるし、単に赤の他人からのお供え物なのだろう。

◆兄弟喧嘩

園山家に戻りたいミギと、村から逃げるダリ。ふたりの兄弟喧嘩が勃発された。合理的ならダリのほうが全く以て正しい。自分を殺そうとしてくるやべーやつが追いかけてきたのだから、今はこうして身を隠すのがいいだろう。
だが、自転車を初めての贈り物として大事にするミギにどうしても情が動かされてしまう。これまで自分たちの面倒を見てくれた園山家を放っていられないのは御尤もすぎる。

お互い吐き散らされてゆく本音。
ダリがかっこよく勝手にひとり死のうとしたこと、ミギの初恋を奪われたこと、秋山くんがミギに心を開いたこと。いや秋山くんは別にいいだろ!と思いたいのだが、視聴者も気になっていたモヤモヤがすべて吐き出された微笑ましい兄弟喧嘩だった。こういうの、思えば見るのは初めてなんだよな。

「老婦と老夫と僕とダリとで…チェリーパイ食べるんだ」

ひとりだけではなく、ふたりでいっしょに食卓を囲む。
ふたりの目的のために、今までやりたくてもできなかった光景だ。ミギが優しい子なのは分かっていたことだが、本当の家族らしい家族を求めたかった心情を想像すると涙が出てきた。わかる、わかるよミギ。もうこれには流石のダリも情が沸いてくるよな…一緒にそうしたいよな…

ふたりの和解。そして再び園山家へ――――

園山夫妻にも秘密を明かすのだろう。
けれど、園山夫妻なら告白しても問題ないどころか快く受け入れてくれる絶対的信頼がある。きっと「これまでずっと我慢していたのね…私たち気づけなくてごめんなさいね…」と頭を撫でてくれるんだと思う。秘鳥くんではなく、ミギくんダリくんと呼び改めるのだろうか?
Cパートから察するに、感動の再会に至るハードルはなかなか高いだろうが、その分多大なカタルシスは約束されているはずだ。残り4話とはいえ、生き急ぐほど余裕がないわけではない。どうかハッピーエンドに導いてほしい…!

◆神回ですが?

今週すげえよかったです。マジモンの神回。
笑って怯えて熱くなって泣ける、まさに感情を大きく揺るがしてくれる理想的なアニメだった。元より感情ガンガン動かしてくれていたのだが、今週過去最大にソレだった。残り4話は今週を超えられるポテンシャルだって有り得る。マジ期待しています。

最近めっぽうアニメ見ていなくて(年間全本数の3%くらいに過ぎないと思う)分母が少なすぎるし、数十年後には大分意見は変わっているかもしれない。どちらかというと変わってほしくない本音はあるし、そもそも本作はまだ最終回を迎えていないのだけれど、今のうちに言わせてください。

『ミギとダリ』は2023年度最高のベストアニメーションです。

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