見出し画像

【チェンソーマン】アニメ第12話「日本刀VSチェンソー」感想

遂に最終回です。ザ・ラストチェンソー行ってみよう!

◆これまでの感想まとめ

◆チェンソーマンは神だと証明する第12話

今週第11話は原作第35話途中から第38話途中まで+α、沢渡とのリベンジマッチから最強の大会まで+αがアニメ化された。無事、到達すべき箇所まで到達することができました。そして続編に期待できる、とてもキリの良いところで締めくくってくれました。シリーズ構成の瀬古先生本当にお疲れ様でした。4.5巻分を1クールにまとめるのはなかなかむつかしかったと思いますし、期待通り一度幕を閉じられて安堵を覚えました。これなら続編も大丈夫そうですね。

原作サブタイはこちら。

第35話「未成年」
第36話「日本刀 VS チェンソー」
第37話「電車・頭・チェンソー」
第38話「気楽に復讐を!」

ええ~~~~~~~~~~~~!?
「気楽に復讐を!」じゃないの~~~~~~~~~~~~~!?

あの、その。
ずっと「気楽に復讐を!」だと思っていました。なんならこの134時間前から下書きしていた本記事も「気楽に復讐で決~まり!」と勝手にこうだと気楽にサブタイ決めてました。それが放送12時間前に公式Twitterにアップされた予告PVとサブタイ見て「ええ~!?」って声に出ました。

いや分かるんですよ。「日本刀VSチェンソー」のほうが如何に相応しいかって。実際そんな対戦カードが今週の目玉になるわけだし。今週のこの超絶バトルを主張するサブタイとしてチョイスすべきなんだなと理解している。
だけど、サムソ編終幕を迎えるには「気楽に復讐を!」がエモタイトルとして最強にして最高だったので、個人的に残念な気持ちがある。2話サブタイを「ポチタの行方」にしてほしかったのと同じだな。ううむ、我ながら面倒くさい視聴者だな。まあこういう意見もアリってことだ。

◆未成年

現在も実年齢不明のアキくんだが(というかプロフィールが明らかになるほうが珍しいなこの作品)、今週久々に流れた姫野先輩との回想はアキくんにはじめてのタバコを渡すくだりの続きだった。
そんな予感はしていたけれど、この頃のアキくんはまだ未成年だったのだ。デンジくんより三年先輩とのことなので、仮に高校卒業後公安所属であるなら当時19さい、現在22さいかもしれない。荒井くんと同年齢になるが、仕事としては先輩って意味なのだろう。

姫野先輩はゲロキスの印象が一生匂いが取れないくらいこびりついている気がしなくもないが、根はちゃんとしている、あまり頭のネジがぶっ飛んでいない、十分マトモな人だ。飲み会の時でも酔い潰れる前、デンジくんが16さいだと知ったときすぐさま「アンタ酒飲んでないよね!?」と気遣ってくれたし、今回のタバコの件もちゃんと弁えてくれた。こちらからたばこを勧めていたからホント一大事だったな。
あと「よこせ」の言い方がちょっとだけ子供ぽくって好き。原作だと表情も併せて大人ぽかったのだけれど、本アニメ版は「ちぇっ、アキくん未成年かよ~」と残念がっているように見えた。

アキくんが未成年だと分かれば、このタバコ一本は「何かに寄りかかりたくなったら返してあげる」と預けてもらい――――
それが今、「Easy revenge!」という姫野先輩の遺言も託して返された。

……はいいんですが、テロップくんが入ってないやん!
テロップくん入りの名シーンが見たかったからアニメ第12話見たの!

えー、いちおう補足しますと、原作ではこのように「Easy revenge!(気楽に復讐を!)」という意訳がされておりまして。う~ん、ここ原作同様にあえて映画みたいにテロップくん表記しても良かったんじゃないかなあ。
まあ、「Easy revenge…?簡単な復讐…?そう深刻に考えるな的な意味か?」って具合に意味はなんとなく把握できなくもないのだが、原作未読勢はここが一体なんなのか分かりづらかった、モヤモヤした人もいるのではないだろうか。

姫野先輩はアキくんに片想いだから、タバコ一本ずっと持っていたというのは改めて重い女だなと思ってしまったが、彼女にとってはそれくらい思い出にして大切なものだったのだろう。そして、復讐に囚われたアキくんへの最善を尽くしてくれたと考えられる。
「Easy revenge!」と書かれたタバコはいつから用意していたのかは不明だ。本当に天国にいるかどうか分からない姫野先輩からの置土産かもしれないし、生前アキくんが寄りかかりたくなったときに渡そうと以前から用意していたのかもしれない。

けれど、今になってはアキくんを変える大きな原動力となった。姫野先輩の未練がひとつ果たされたのではないかとも考えたくなる。

幽霊の悪魔に苦しめられそうになったアキくんは解放され、落ち着きを取り戻し「幽霊の悪魔には目がないから恐怖心を見る」という特性を生かして向かい、ゴーストを斬首――切ない最期を迎えさせる。
寿命残り2年となったアキくんも、姫野先輩の元へ「もうすぐ俺も行きます」と覚悟完了していると、悔いのない残りの生涯を送ってほしくなる。そして姫野先輩と幸せに笑える来世を送ってほしい…

◆ボーナス

沢渡を背後からCQCしてきたコベニちゃんの相変わらずの強キャラ感。本当にこの子は何者なのか。東山家は異常者の集まりなのか。

実は、前回アニオリでコベニちゃんを出したのはうっかりミスだった。別に矛盾が発生しているわけではないし、そこまで問題視するものではない。アニオリ自体は良かったし嬉しかったと言いたい。
では何故ミスかというと、サプライズが失われたからだ。原作ではこの時点では公安を辞めたかどうか判明していない。そんな彼女が結局まだいたという事実にして、沢渡にとって思わぬ伏兵となったのだ。まあ公安襲撃事件の際に対峙して圧倒的なスピードを振る舞っていたのだが、まさか再びこうくるとは沢渡も思っていなかっただろう。

そして何故公安に残ったかの理由がもうすぐボーナスが出るからという、現実的に共感できるようでかなりイカれた理由。公安は給料が良いそうだし、その分ボーナスもたんまりもらえるのだろう。死と隣り合わせの職業なので極めてハイリスクハイリターンなのだが。バウンティハンターメンタルすぎるよ。

ボーナスも兄の大学進学のためにとられてしまうのだろうか。流石に数割は自分の為に使えると思いたいが。ていうか、「(辞めるのは)ボーナスまで待ちな」とか親に言われたんだろうか。この子の両親がどんな人物像かは不明だが、襲撃事件の話を聞いても「へえそうだったの。生き残れて良かったわね」程度のことしか言わなそうなロクでもない自信がある。

◆パワーちゃん鬼つええ!!

たくさんのゾンビを前に、デンジくんが「大きな声出すなよ…」と忠告するも案の定パワーちゃんがでけえ声で名乗り上げるダチョウ倶楽部リスペクトがはじまった。これが熱湯コマーシャルだったらズェッテー面白全部でデンジくんを熱湯に突き落としてくるに違いない。
熱湯コマーシャルじゃなくてもデンジくんとの温度差もすごいな。デンジくんって「タコピー鬼つええ!!」ばかり言ってそうなテンション高いイメージがあるが、それはちょっとした解釈違いで案外落ち着きのある子だ。

まあでも、パワーちゃんはきっと修行の成果を披露したかったんだろうな。あとパワーちゃんの出番は今週ここしかないし。やっていることは雑魚狩りに等しいが。ゾンビたちは個ならともかく集団でもパワーちゃんあまり負ける気がしないんだよな。

そんなデンジくんもこれからサムソとの再戦だってのにマイペースにあくびしててかわいい。まあその後スターターグリップを構えマジモードになったけども。エレベーター内から構えているあたり、仮に天井から襲撃されてもこの子なら対応できそうだ。

◆人の心とかないんか?

サムソでも元人間のゾンビを殺してしまった時は夜眠れなくなるという。それは極めて人間らしいけど、うそくせー、なーんかうそくせー。お前この前仲間ごとデンジくんを真っ二つにする、893らしい血も涙もない非道ムーヴに走ってたじゃねえか。ズェッテー後悔とか懺悔とかしなさそう。駒にしてそう。だがそれはデビルハンターなら頭のネジがぶっ飛んでる案件になるだろう。

まあ、この後デンジくんに「お前に限っては心がもう人じゃねえんだよ」「少しでも人の良心が残ってるなら俺達に大人しく殺されねえか?」と揺さぶりをかけたあたり精神攻撃の一種なんだろう。本当にサムソはチンケ野郎として見事だ。これに「う~ん……ヤだ」と軽く返すデンジくんも期待通り。顔がかわいい。

ここ挑発的にベロ出してるデンジくんホント頼もしくて顔が良すぎて好きイ!!主人公としての期待値高すぎ!!!!

この顔とポーズは最近再販されたねんどろいどでも再現できるぞ!
なおこの後の「ああ!?でたなソレ!!それズルいんですけど!!」という台詞はカットされてしまった。まあ、無くても特に支障はないというか、例によってテンポ優先の為なのだろう。

◆空中・ビル・電車・頭・チェンソー

一気にエンジンを吹かすように盛り上がるバトルシーン!!空中戦はやっぱりロマン!!

最終回だけあって、予告PVからメチャクチャ動いてて今週も「しらん…こんなスパイダーマンみたいなスゴイ映像しらん…」と期待値高まっていた。

さらにアニオリシーンとしてビルの上での戦闘が追加!!最終回なので豪快に盛っていくぜ~~~~~~~~~~~~~!!

最終決戦の舞台は電車となった。勿論一般客もいるのでパニック映画のようなシチュであり、ロマンのあるマジ感溢れるバトルになる。電車でのバトルはいつの時代もワクワクさせられる。原作ではサムソが上空から車内を突き破り戦闘なのだが、その前に、更なるアニオリとして会話シーンが追加された。
ただ、サムソがデンジくんに何のために戦うのかと尋ねてくるのは「こいつこんなライバルっぽいこと言うかなあ?」と少し違和感があった気がした。「この生活を守るためかな?」「マキマさんに褒めてもらうんだ」という答えから、いかにも最終回らしい総決算まとめめいたシチュをやりたいのは分かるのだが。デンジくんの人生は大きく変わったからな、振り返るのも最終回らしいヤツだ。

車内でのバトル。車掌のアナウンスが、日常から非日常への変貌を強調させるマジ感を提供させる。

サムソに両腕チョンパされてしまったデンジくん。また頭部は残っているが、本当にこれで勝てるのか…!?

◆CHAINSAW KICK BACK

サムライソードを真っ二つにするほどの新技・チェンソーキック!!
これがホントのKICK BACK!!

別に作中ではそんな技名が出てこない。ぼくが分かりやすくこのように呼称しているだけだ。要は、頭や両腕だけでなく足にもチェンソーを生やすことが可能になった。修行で新たに習得した新技というよりも、チェンソーを活かした新たな可能性を引き出せたと言ったほうが良いかもしれない。チェンソーマン自体現時点でまだよく分かっていない存在だが、まあ、その気になれば足からもチェンソー生やせそうだよね的な。

デンジくんの「ジジイに教わらなかったかア~?獣が狩人の言葉を信じるなってなあ~!?」発言はおいそれただの他人の褌使ってんじゃねーかとツッコみたくなるが、まあほんそれだ。頭部のチェンソーにブラフをかけて、本命のチェンソーキックを食らわせる。もっと言うなら、相手が固定概念に囚われるのを狙った高IQ作戦でもあるのだ。
これ自体はデンジくんと岸辺先生どちらの発想なのかは分からないが、この際ふたりの思い付きでもいいし、「獣が~」の台詞回しの引用からデンジくんの悪知恵発動と考えてもいいだろう。

このチェンソーキック、実は前回から伏線が張られていた。地面の傷跡やデンジくんのズボンボロボロから、チェンソーキックの下準備がされていたと察せられるのだ。今回も電車内に同じような傷跡を刻んでいたのが確固たる証拠である。デンジくんバカだけど地頭ほんといいんだよな。

◆最強の大会

真っ二つになったはずのサムソは、デンジくんが腕をくっつけたおかげで復活した。初めて襲撃したとき、沢渡がザオラルでもかけたようにサムソが復活したのはそういうギミックなんだと今になって判明したわけだ。

そして遂に、金玉を蹴って誰が一番デケえ悲鳴を出させたかを競い合う「最強の大会」が始まった。チェンソーキックの発想は素晴らしかったのに、また一気にIQがドロドロ蕩けたようなネーミングセンスが発揮なのだが、まあ最強を決める一撃を食らわせるのならば意味なら分からなくもない。だからってキンタマ蹴るのはやべえだろ!

そうかな…?そうかも…????

だが、この一本こそが、アキくんの運命を変えた。

◆気軽に復讐を!

最高の伏線回収であり、チェンソーマンが神漫画になった瞬間。最高に笑って、最高に泣ける、令和の新次元エンターテイメント。あのアキくんが、初めてデンジくんと仲良くなれた最高のエモシーンがはじまった。

ええもう連載当時はめっちゃ笑いましたよこれ!
仲良くキンタマ蹴ってる絵面がおもしれーし、サムソが汚い声あげたのも大変愉悦でスッキリしたし(ホント気軽に復讐やってる)、なにより放課後青春サッカー漫画みたいな異様な空気感が面白すぎる。

でも、めっちゃ笑った後はめっちゃ嬉し涙出た。なんでって、やっぱりアキくんが不器用ながら笑えるようになったのが大きいからだ。
腹の底から思いっきり笑うんじゃなくて、少しずつでもいいから微笑みを取り戻してくれると、こちらも救われた気分になれる。残り寿命問題を二の次に置けるほど、アキくんに楽しい思い出がひとつ築かれたといっていい。

またこの変な放課後青春サッカー漫画みたいなノリも、デンジくんもアキくんも失われた青春を仲良く取り戻せたようでクッソ微笑ましかった。最強のふたりがしっくりきた。アキくんは義務教育を受けているとはいえ、公安に入るまではあまり友達がいなかったのかもしれない。暗い性格だったようだから。まあでも、顔が良いからファンクラブは秘かにあったかもしれないが。

「姫野先輩、天国まで聞こえるか?オレ達からアンタへの鎮魂歌(レクイエム)だ」

隙あらばハンターハンターパロディ。
これまでも伊藤潤二作品や何らかの映画のオマージュが見られたが、タツキ先生はハンターハンターも愛読してるのだなあ、冨樫先生もまさかこうして令和の時代でパロディされるとは思わなかっただろうな。ロボコもたくさんハンターパロってるけど、こんな汚い鎮魂歌に魔改造されるのはタツキ先生ならではだよ!

しかし奇妙なものだな。これも笑えるんだけど感動。感動なんだけどやっぱり笑える。きっと天国の姫野先輩も腹を抱えながら爆笑して、鎮魂歌を耳にして涙を流したに違いない。

◆後日談

沢渡から銃の悪魔の情報を聞き出そうとすれば、どういうわけか自殺。原作よりもムゴいなここの首チョンパ。なおこのくだりから特殊EDっぽくスタッフロールが流れていた。

銃の悪魔の行方は一体どこに…?というか、それ以上にマキマさんあやしすぎるよこのツラ。

◆第12話ED

今週はEve「ファイトソング」が流れた。ていうか、今回特殊EDとしてですね、

早川家の日常アニオリヤッタ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!

しかもこれ、原作で早川家が雑魚寝していた描写に繋がる最強の日常補完になっているのだ。
今回の作戦が見事大成功をおさめ、それをみんなで祝うためにスーパーでアレコレ買いまくっておうちで食事。ファンが見たかった早川家の日常が完璧に描写してくれた。
曲が流れているので台詞を被せることはなかったのが、だがこれも大変乙なもの。どんな会話が想像できる。早川家がどんどん仲良くなってきているのが十分伝わってきてマジで嬉しすぎた。まさかのサプライズすぎて涙腺破壊の悪魔にやられた。

◆Cパート

Cパート。アキくんのアニオリパートがまたもや挿入されて、追い打ちをかけるように原作ファン歓喜させてくれる。

長年姫野先輩に預かっていた、最初に吸うはずだった一本のタバコを夜風と共に堪能。復讐を完遂できた今、一体どんな味だったのだろうか。台詞がなかったのも良い余韻を提供してくれる。

デンジくんがいつも見る夢。そこには、第1話冒頭にもあった謎の扉なのだが…

扉の向こう側にいるポチタからの意味深な警告。この扉は一体なんなのか。

◆季節は夏へ

視聴者にモヤモヤを残したまま、入道雲とセミ兄貴が夏を感じます夏の季節となった。ていうか、えっ、夏だったの!?原作は全然季節感がなかったのだけれど、今まで春だったんだ!?

何故かデンジくんを知っている謎の少女。
どう見てもこれは続編で関わるキーパーソンだろう。恐らく、これから先の物語を描いているのかもしれない。というか、EDにレゼ:上田麗奈って堂々と表記されていた。じゃあこれもう続編決定確定じゃん!続編告知くるじゃん!!

2期は!?
劇場版は!?!?!?
告知こないのオオ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?

う、うーむ。呪術廻戦は1期最終話で劇場版制作決定したのだが、こっちはナシかあ~~!!いちおう今後の展開を予想すると、これから開催されるイベントで正式に決定されるのが理想的だ。ていうか、確実にそうなるだろう。と思いたい。
中には続編やりそうな布石を最後に残しつつも結局10年経ってもやらなかった(やれなかった)ケースがあるのだが、最近のジャンプアニメは原作最後までやってくれる作品が多くなったし、確実に来るでしょう。ゆっくり待ちましょう。

MAPPAのスタッフのみなさま、中山竜監督、大変おつかれさまでした。この三か月間とても楽しかったです。素敵なアニメ化、本当にありがとうございました。
中山監督は初の監督作品として色々大変だったと思われますが、新たに生まれ変わったチェンソーマンは原作をたくさん読み返したぼくでも改めて新鮮味あって興味深いつくりで楽しませていただきました。毎週日付が変わるまで一番ドキドキしていました。原作最新話と同時更新なだけに、毎週「ぼくはついてゆけるだろうか。君のいない世界のスピードに」状態になっててハラハラさせられました。

アニメから入った方も、ここからますます面白くなるので是非この年末年始の機会に原作を手に取っていただきたいです。ジャンプ+なら全話初回無料ですよ(ダイマ)


この記事が参加している募集

アニメ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?