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【チェンソーマン】アニメ第8話「銃声」感想

ここからがチェンソーマン本番です。キメラアント編がはじまるようなものだと思えば結構です。よろしくお願いします。

◆これまでの感想まとめ

◆日常と非日常、生と死を分かつ第8話

今週第8話は原作第22話途中から第25話ラスト直前まで、性行為未遂からサムライソード襲撃~姫野先輩死亡までがアニメ化された。実質3.5話分…というよりは、3.8話分といったほうがしっくりくるかもしれない。何故ならあとワンシーン残したところで第25話終了かつ原作3巻分終了だからだ。これまでで一番話数を費やしているが、その分後半は大ゴマを駆使したアクションシーンが発揮されている。

先に原作サブタイをまとめると、

第22話「チュッパチャップスコーラ味」
第23話「銃声」
第24話「呪い」
第25話「ゴースト・ヘビ・チェンソー」

今回ばかりは「銃声」がしっくりくるだろう。特に印象付けていた音であったのだから。それよりも今週を見るに、今後一体どうやって区切りをつけてくるのかちょっと先が読めなくなってきた。残り4話で締められるのかますます不安になりながら視聴していたのだが。最終回、一時間SPだったらいいのになあ。いいですよねえ。

今週は結構意外な構成だった。いやここ数話そんな感じだったのだけれど、ぼくは先週7話はマキマさん死亡という衝撃的なヒキ(原作第22話ラスト)で一旦区切りをつけるのかなと予想していた。
そして今週第8話は姫野先輩死亡というヒキで終わった。原作3巻ラストまで進んで一気にテンション上げてくるのかと予想していたら今回もソレは外れて、ますます絶望を煽らせるヒキになってしまった。が、これでも全然アリだし、この構成をやりたいことも分かった。瀬古先生、悪魔みたいなヒキ狙ってきやがったな!

日常から非日常へ、生から死への急降下がよく出来すぎているのだ。まさにジェットコースターそのもののように。

◆姫野先輩視点によるアニオリアバン

まさかのこれが描かれた。
姫野先輩がデンジくんをおんぶして自宅へ帰宅し(ラブホではない)、シャワーを浴びて、冷蔵庫からビールを手に取り、前回終盤へ繋がるビール口移しキス。特に印象的だったのは姫野先輩視点でデンジくんへ接近していくぬるぬる作画。やけに生々しい。実写寄りなつくりになっている本アニメ版のこだわりが伝わってくる。

実は最初は「えっ、こういうの嬉しいけど、でも尺は大丈夫なん…??」とめちゃくちゃ不安になっていた。ずっと癪に障るくらい尺尺うるさいなあと我ながら意識しているし、尺に気を遣いながら見てしまうのは自分でもアカンなあと思うし、フツーに見てくれ警察も出勤してきて全然オッケーなのだが、どうしても余裕は持ちたくなってしまう。ぼくは瀬古先生を信頼しているのに大変申し訳ない気分です。

けれど、このシーンその後の朝食のシーンも兼ねて、Bパートから非日常へドロップアウトするまでの前フリとして機能されているのだ。といってもこういう雑感は原作を読んだときはそう思わなかったのだが、改めてアニメで数話分まとめてやってみたことで姫野先輩への喪失感が際立ち、強く意識させられたのだ。
この日デンジくんは互いに好きな人とくっつけ合うために姫野先輩と同盟結成して友達になれたというのに、ゲロからはじまった距離感の縮め方だというのに、お互いフツーにタメ口で話せる良い年の差友達になれたというのに、どうして…

結局姫野先輩はアキくんのことが好きだった理由が顔が良いのはやっぱりな、そりゃあ顔は良いからだな。やっぱりあのガム事件からアキくんへ好意を寄せて、徐々に愛を育んだのだろうか。そのへんの過程については詳しく述べられないからこそ、想像が育む。

◆チュッパチャップスコーラ味

チュッパチャップスそのまま出たアアアアアアアアアアア!!
ペロペロキャンディに改変とか特にそんなのなかったアアアアアアアアアアアアア!!!!

や、うん、良かったです。
いちおう前回のゲロチューEDでマキマさんがチュッパチャップスらしきもの持っていたから改変されないだろうと思っていたんだけど、それでもそのまま商品名ごと出せてびっくりしたわチュッパチャップス。
これはもしかして放送終了後、例によってコラボ企画やるのか!?と公式Twitterチェキったけどそんなことはなかったぜ!ええ~、今のうちにやりましょうよ~。ていうか今日はチュッパチャップスコーラ味爆売れの日確定だと思う。もしバイト先で買っている人を見かけたらコイツ明らかにマキマさんに影響されたなとか変なことは思わずほっこりすればいいと思う。だって、今週のマキマさん最高じゃあないっすか…

この前のパッド事件に続く、完璧すぎるマキマさんの神対応、アフターケア。ゲロキス喰らったデンジくんを気遣ってくれたし、近くのドラッグストアで色々買ってくれたし、ゲロの味をチュッパチャップスコーラ味の間接キスで上書きしてくれるだなんて、いやあこれはもうマキマさん好きになるしかないよな。
マキマさんってちょっとキナ臭さはあるけど、フツーここまで見てくれるお姉さんいないぜ?良い人に決まってんじゃん。これで実はワルのお姉さんで~すとか言われたら、「じゃああのときのチュッパチャップスはなんだったんですか…??」とマジのガチで問い詰めたいぜ。小一時間問い詰めたい。

酒の余韻に浸れるマキマさんかわいい。こんな一面があったなんて…まあチュッパチャップスなんて買ってきちゃう時点でかわいかったんだけど。

だからこそ、Aパート終盤でマキマさんが撃たれたのはマジのガチでショックだった。

◆銃声

あの、ここのBGMめっちゃこわいんですけど。BGMめっちゃこわすぎなんですけど。コワ~…

ここからの原作の展開を知っていて、ぼくはもう「これからがほんとうの地獄だ…」と身構えていたんですけど、なに…あのBGM?やばない?
直球めいたトラウマホラーBGMではない。穏やかなようで不安定なBGMで、死へのいざないを物語るに秀逸すぎるんだよな。まさか伏さんたちに近づいてきたモブ連中、特にコベニちゃんと荒井くんの背中を狙ったババアが撃ってくるとはフツー思わないじゃないですか。故に日常の崩壊、非日常の到来だ。

なんかこう、ぬるりと非日常やってきちゃった感がパネェんだよな。マキマさんが撃たれたときも、まずそうなる前に前後の席のモブが画面から急に消えたじゃないですか。何事だと思うじゃないですか。そこからシームレスに躊躇なく撃ってくるのマジリアルじみててこわすぎた。銃声が鳴り響きBGMが止まるのも心臓にわるすぎた。

◆イケボのサムライソード

デンジくんがド底辺時代に世話になり、だがゾンビの悪魔と契約して裏切ってきたヤクザのジジイ、その孫が登場した。本名不詳。別にモミアゲの悪魔ではないし、というかこの後頭部と両腕に刀を装飾した姿になったから全然違う。作中ではこの後呼称される予定だが、EDスタッフロールでサムライソードと列挙されたので本感想でもそのように述べていく。
しかしこいつ、デンジくんたちを狙ってきたのにわざわざラーメン注文してきたとか、過程を想像してみると面白おかしいな。

このモミアゲ男、平気で発砲してきて姫野先輩を死に陥れた時点でヘイトを早速稼いでくれる。しかも謎の正義のヤクザ理論を振りかざしてくるわでとにかくタチがワルい。殺るしかない。かといって大物かと言われると、しょうもないヤツの予感が早速してくる。謎の正義のヤクザ理論のせいで。

だが無駄に声が良い。クロエネンを彷彿させる変身後の姿も無駄にカッコイイ。こんなヤクザ野郎に力と声帯を与えたのが勿体ないくらいにだ。OP終盤でまるでラスボスのように登場してきたのもしっくりくるほどにだ。その正体がこんなモミアゲ野郎なことに驚愕した人はきっと多いと思う。ぼくも原作読んだとき変身後の姿に衝撃を受けたもん。

◆アークシステムワークスは早く格ゲー化しろ

アキくんVSサムソめっちゃかっこい~~~~~~~~~~~!!!

アキくんの戦法はサムソに呪いの悪魔による釘ソードを3発撃って、呪いの悪魔ことカースによるカウントダウン後に絶命させるという、ギルティギアやブレイブルーの一撃必殺技のような演出がカッコイイ。これは勝ったなガハハと言いたいところだが…

謎の女・沢渡が見せられないよ的ムーブをやらかしてサムソ復活。

見よ!!この格ゲーみたいな演出!!

これは連載当時の3年半前から「格ゲーみたいだ!」「アークシステムワークス格ゲー化あくしろよ」とキャッキャして今でも懇願している。なかなか格ゲーに落とし込むのはむつかしいかもしれないが、アークは過去に世紀末スポーツ格ゲー作ったんだし、バランスなんかめちゃくちゃになっても良いと思う。チェンソーマン自体そんなめちゃくちゃな作品だから。

あとサムソが撃ってきた後、パワーちゃんが素早く攻撃してきたのがめっちゃかっこよかったですね~。ここ原作でも判断に迷いがないプロフェッショナルな動きしてて、パワーちゃん基本クズなのに惚れ惚れとさせられたもん。仲間にすると頼りがいある。

◆徐々に命を削っていく姫野先輩

幽霊の悪魔(ゴースト)に自分のすべてを差し上げる姫野先輩。それは、自分の右腕、左腕、両足を、そして…

原作でも姫野先輩が徐々に命を削っていく実感がヤバかったのだが、リアルタイムでその様子が知れ渡る本アニメ版では更なる実感が押し寄せてきた。このまま何もしなくても死に直結するけれど、少しずつ身体を失うのは視覚的にエグすぎて姫野先輩を止めたくなる。

だが、ゴーストはヘビの悪魔に呑み込まれてしまう、あまりにも無情な結末…こんなのずるすぎるだろ…クソゲーかよ…

姫野先輩の消失は死亡ではなく、天国ではないどこか遠くへ行ったと望み薄なことを考えたくなる。ヴァニラ・アイスの奇襲からポルナレフとイギーを庇い亜空間へ呑み込まれたアヴドゥルさんのように。
Aパートでのデンジくんとのやりとりも兼ねて、姫野先輩が死んだなんてとても認めたくない。

◆なにもかもぐちゃぐちゃ

頭を撃たれたデンジくんは大丈夫なのか。

各地で鳴り響く銃声は、公安のデビルハンターたちは無事なのか。

姫野先輩曰く呪いの悪魔による契約の代償は寿命。それは一体どれほどのものなのか。

これらの様々な不確定要素も視聴者へ不安が押し寄せてくれる。姫野先輩のことで頭がいっぱいなのに後ろ髪を引かれるとはまさにこういうことだ。特にあの頼れる上司であるマキマさんが撃たれただけでも絶望的だというのに、相当キツすぎる状況だし、突破口が全然見えてこない。

とてもキツい展開ですが、ハッキリ言うと、チェンソーマンはここから面白さが飛躍的に増していきます。

◆第8話ED

今週はTK from 凛として時雨「first death」が流れた。
まさかの凛時。まああの歌声は特徴的なので分かりやすいのだが、最初全然気づかなかったのは本編で感情めちゃくちゃにされたからだと思う。

個人的な意見ですが、凛時の歌い方は感情メチャクチャなのを上手く物語っているなあと感心している。凛時はちょうど10年前の「PSYCHO-PASS」のOPで初めて知ったときは「うっおなんてめちゃくちゃな歌い方なんだ」「なんて言ってんだ」と衝撃を受けたし、腹から声出せとネタにされていたのだけれど、それが本作においては予想以上にマッチしていた。インパクトはそこまで高くないのだけれど、スルメソングとして聴きたい。

そして曲名が「first death」という火の玉ストレート。これまでのネームド死亡キャラは1話のポチタだが、現在デンジくんの中で生きているのならノーカウントにしたい。マキマさんはまだ完全に息の根を止められたかどうかは分からない。
だから、姫野先輩が明確なはじめての死者なのが重すぎる。なんて曲名にしやがったんだ。最高にして最悪のタイミングだろ。考えたヤツ悪魔かよ。


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