「結婚式」との言葉を使わない「DIY結婚式(仮)」の裏側と終わった今、感じること
私事ですが、先日、結婚式を挙げました。
実は私たちが結婚式を挙げると決めたのは、ちょうど一年前。
2021年12月12日、日曜日。
約束の時間はゲストの皆さんの集合時間と同じ9:30でした。
入り口のカフェではその日に式を挙げられる方が撮影をされていて。そのピッタリ一年後、まさか私が同じように結婚式を挙げるとは、思ってもみませんでした。
「楽しんでね!」「主役なんだから周りは気にせず!」とたくさんの方からいただきながら「楽しめたのか?」というと、実はそうでもなく。トラブルがあったり、普通ではない演出の数々にゲストの反応や時間が気になったり。心配性・気遣い癖がドッと襲った一日、帰宅後はそんな「楽しめない」自分を責め、つい悲しい気持ちに。
それでも、その後、ご列席いただいた方の多くから「らしかったね」といただき、その度にやってよかったなぁ…と思っています。
私自身の結婚式の話を書くのは憚られる気持ちもありながら、実は最後のスピーチでお話ししたかったことが全く言えず…ひっそりと仕込んだままの想いと仕掛けが数々あり。(あれだけ話をしておいて、マジかよ…?となる方も多いはず。私も同じことを思ってます…)
ご列席いただた皆さんにお伝えしたかったことと共に、どうしても自分よりも相手を気遣ってしまう方に向けて何か後押しになればと思い、記してみたいと思います。
自然と欲した「私たちらしさ」
昨今は「結婚式を挙げる・挙げない」とカップルそれぞれの形があります。どんな結論でも互いが納得していれば、それでいいと思います。
実は私は、結婚式にそこまで積極的ではありませんでした。あらかた決まっている、正解のような、流れやコンテンツ・内容をゲストにも強要する感覚があったのです。
ゲスト側で参列した際には「へぇ〜こんな過去があったんだぁ…!」などと思えるのですが、いざ自分自身のこととなると乗り気になれず。「それならば一緒にご飯に行って、対話から知ってもらいたい!(何十回と行く気は満々!)」と思ってしまう派でした。
とはいえ、昨年秋から冬に変わる頃、後に夫となる彼から「結婚式やる…よね…?」と言葉もあり、会場探しをスタートすることに。ホテル?結婚式場?レストラン?など、最初からさまざまな選択肢があったため、二人の対話であらかたの方向性を定めました。
ピンポイントなこだわりや希望があるなかで、叶えられそうな会場へ優先順位をつけて見に行くことに。私たちの希望も笑顔で聴いてくださったり、抜群に美味しい料理が決め手となり、最初に行った今回の会場で即決しました。(軽い試食をしながら、最後のデザートをいただく時にチラッと見た夫の顔には「ここでやる」と書いてありました…笑)
とはいうものの、それ以降は共に目の前の仕事に一生懸命。本格的な準備は各種〆切が迫り始めた秋にようやくスタートすることに。
とはいっても「結婚式がゴールではないからね」と毎週末は決まって取材に行く夫。アイディアを考えてはLINEで相談したり、帰宅後に軽く提案をしたり。(愚痴に見えてしまうけど、決してそんな気持ちはありません)
互いの熱量の違いでケンカをする…とよく聞きます。確かに私たちもゼロだったわけではありません。でも、私はこのやり方がよかったな、とつくづく思います。
私の「大好き」なことを強く再認識する時間となりました。
普通は、ドレス・お花などにさまざまなリソースを割く方が多いものの、結果して私たちは結婚式での体験そのものをDIY。ドレスも最低限、お花や待合スペースなどの制作物もほとんど手を加えず。結婚式の準備をされる方がイメージされる「普通のDIY」とは、少し異なることご了承ください。
「私たちらしさ」を集めた体験のつくり方
やりながら最適解を決めていったため、時に遠回りだったり、こだわろうと思えばまだまだできたと思うのが正直なところ。それでも、できる限りを尽くした「私たちだからこそ」の時間のポイントはこちら。
整理をすると、事前準備における数が想像以上に少なく。なぜそこまで大変だったのか…と考えてしまうのですが、全てが一人では進まず、一つ決めない次に進めないことも多かったからなのかもしれない…と分析しています。
既存の枠にとらわないカタチをみんなでつくる
実は、式場の次に決めたのは司会者。涙よりも笑いに振り切りたい!と、夫がいつもお世話になるお笑い芸人さんにお願いすることにしました。
通常の挙式・披露宴にあるコンテンツも精査。また「結婚式」「挙式」「披露宴」との言葉を使うと「結婚式」のイメージを引っ張ってしまうため、台本から削除しました。
そこで、どんな時間にしたいのだろうか……と頭を悩ましながらも、「私たちらしい時間」を演出するため、夫の代名詞である「サッカー」の試合に見立てることに。夫色が強めだと思われるだろうな…と思いながらも、実は私にとっても「サッカー」は人生の転機をアシストしてくれた存在なのです。
今の会社の門をたたくきっかけの一つは、日韓W杯の時から大好きだった宮本恒靖選手が在籍していたガンバ大阪。よく見ていたあのユニフォームにスポンサーとして入るロゴはよく目にしており、大阪の会社と意識せず、就活をしていました。
私自身、自分のことを積極的に話すタイプではないので、また新たな一面を知っていただくきっかけにできれば…と思う時間でした。(とはいうものの、このお話もさわりしか触れておらず…)
ということで、下記の通り言葉を書き換え、当日を過ごしました。
ゲストの皆さんは「試合」にお越しくださったサポーター。爽やかめな選手紹介をイメージしたオープニングムービーと、試合さながら審判が先導しながら新郎新婦が入場する形に。本来であれば、音楽と共に開く扉の前には新郎新婦がいるはずなのに、審判がいる…そんなオチに皆さんが驚かれている写真を見て、やってよかった!と。笑
試合は前半・後半あわせて150分間。審判の笛で終了した前半は二人で退場するし、最後にはアディショナルタイムを10分取り新郎・新婦でスピーチをしました。
さらに試合に必要不可欠なチケットを席札&マスクケースに。開いたところには、一人ひとりにメッセージを添えました。
もちろんこの全ての仕立てを考え、台本を書いたのは私。胸を張って言いますが、台本執筆が準備の中で一番楽しかった時間でした。笑
そして、コンテンツを精査した結果、生まれた余白。久しぶりの再会も多かったこと、また互い以上に長い付き合いの方々がほとんどだったため、よく知る人から互いのことを教えてもらえないか…と、主賓の方々からのお祝辞とともに、ゲストの皆さんにも突撃でテーブルインタビューを。
新郎新婦からのスピーチも最初と最後に行ったため、比較的お話しした方だと思います。しかしゲストの皆さんからのお話は、まさにこれまでを知るサポーターだからこそ知る秘話の数々でした。(突然のフリにに関わらず、それぞれ楽しいお話をしてくださった皆さんにも感謝!)
ペーパーレスでゲストに負担をかけずに、気軽にご参加いただく
また、忙しいのは私たちだけではなく、ゲストの皆さんも同様。招待状の返送やお祝儀袋やピン札の用意など、意外にやることがあるよね…と招待状はWEB一本。あわせてその場でお祝儀の決済ができるサービスを活用することに。
さらに銀行口座振込よりもクレジットの方が便利との夫の意向もあり、あえてクレジット決済の仕組みがあるものを選びました。結果、約半数の方が事前決済いただきました。
当日はPayPayのQRコードも用意、お祝儀袋でもいただきました。
さらに当日お渡しするプロフィールブックや席次表もWEBで制作。個人情報が盛りだくさんで、捨てるのに困らないのかな…?との素朴な疑問と、自分達の写真を皆さんにお見せするのも…と思ったのがきっかけです。
今は簡単・無料でサイトを制作できるのがありがたい限り。紙だと入稿・印刷も必要なので、ギリギリまで制作できるのは便利でしたが、つい後回しになりがちに。笑
また、会場で全て知っていただくよりも、事前に少しでも雰囲気を掴んでいただきたい…との想いもあり、前日と当日の朝2段階で公開しました。
あわせて、皆さんが撮影された写真はGoogleフォトで共有いただきくお願いを。カメラマンさん以外にも、あらゆる角度からたくさんの写真をいただくことができました。
番外編その1:1年間の悩みの末に決まったこだわりの音楽
ということで、これらを全て私が主導で進めました(もちろん夫にも手伝ってもらいました)が、こだわりがあった音響とムービーは夫にお任せすることに。実は式場・司会者とともに「音楽は自分で決めたい」と話があり、こだわりがない私は「もちろんどうぞ」と即答。約1年間の準備期間があったにも関わらず、選曲リストを出したのは締切当日。理由を聞くと、より良い曲がないか、締切ギリギリまで考え抜きたい…と。最終的に決まった一連の選曲に「最初から最後まで曲が良かった」と言ってくださるゲストの方もおり、私たちらしい時間に花を添えてくれました。
ちなみに実は、全ての曲が決まったのは当日朝とのこと。私も終わってから聞き、驚きでした。
番外編その2:ひっそりと「VS」に仕立てたヘアメイク
2人で並ぶとどうしても夫側に目がいきがち。日頃から致し方ないと重々承知のうえで生活をしていますが、ヘアメイクさんには「新郎に負けたくなくて…」とこれまでの準備で感じていることも含めてご相談。互いのアイディアを掛け合わせたテーマを設けながら、3パターンのヘアメイクをお願いすることに。
「結婚式」のイメージが全く浮かばず「準備はこんなで良いのだろうか…」と思っていた最初。少しずつカタチが見えてくることが楽しくなってきた中盤。最終的に自らをもって表現したいと思うように。結果、挙式からトップスピードでいくのではなく、あえてお色直しを最高潮に…することに。
また私の性格上「きれい」との言葉をうまく受けとることができず…(モデルさんには勝らない!と思ってしまう)、「きれい」よりも「らしくあれるように」と。実は、大学の卒業式で袴に合わせた高めのお団子ヘアが今でもお気に入りで。ちょうど10年もの時が過ぎてしまいましたが、再度採用してもらいました。
さらに今回きちんといえず…でしたが、実は一番のこだわりはお色直しで新郎の髪色に対抗し…私は銀に!(パーソナルカラーでゴールドよりもシルバーの方が合うのもありますが)
「VSとあり、何か対決するのかと思った…!」との言葉もあったのですが、実はひっそりと対決をしていたのです。
番外編その3:夫も知らないであろうプチギフトを決めるまでの裏話
お帰りの時にお渡ししたプチギフト。今回は宮城県女川町のTEAVER TEAFACTORYさんの紅茶を選びました。
引き菓子のクッキーと一緒に楽しんでいきただければ…との想いだったのですが、なぜ女川の紅茶だったのか。
遡ること、夫と初めて対面で会った時のこと。私の会社の名刺の裏には、自己紹介では欠かせない東北・みちのく未来基金の記載があります。その日も変わらず話をしました。ほとんどの方が共感してくださるのですが、夫に限っては「共感します。実は…」と、将来やりたいと考えているとのある構想の話が返ってきたのです。詳細は割愛しますが、基金に近しいお話でした。
普段、共感+αの言葉が返ってくることはないので、その後は聴く側に回ってしまったのですが、こうやって基金がまた新たな形で他者の役に立つのかもしれない…と、鮮明に感じたのを今でも覚えています。
紆余曲折あり、その後結婚したのですが、ある日「女川で大会がある」と聞きました。コロナ禍もあり、現地になかなか行けていなかったため「もし行くなら、一緒に行ってもいいかな…?」と聞いてみると「行こうか」との話になり、初めて帯同させてもらいました。
日本全国を飛び回る夫も、東北に行くことはそう多くはありません。だからこそ、いつか行く時には一緒に行ってみたいな…と密かに思っていた想いが叶い、私自身の記憶や二人の関係にまた新たな一ページが加わる感覚でした。
ちなみに、もちろん取材中の日中は別行動(お昼も一人)。唯一、一緒に歩くことができたのは震災遺構となっている旧女川交番でした。少し説明をしながらも、そこで夫がどんなことを感じていたのかは分かりませんが、また行けたらいいな…と。
少し話はそれましたが、最後にお渡しするものも、せっかくなのであれば、二人にとって何かゆかりのあるものを…と思った時、実は結婚式直前に一緒に訪れた場所となった(!)女川の紅茶をお渡ししよう、と決めました。オーナーの内海さんも快諾いただき、お送りいただくことに。
後日、「香りもとっても良くて美味しかった!」といただき、お料理だけでなく、プチギフトでも嬉しいお声が聞けてとてもうれしかったです。ご興味ある方がいればオンラインでも購入できます。
番外編その3:実はまだ終わっていなかった「結婚式」
冒頭にも記したように、当日夜は自分でも驚いてしまうほどの気分の落ち込みでした。時の経過とともに少しずつ気持ちも落ち着き、こんな自分も受け止めるようになった時、ふと思ったのです。「あ、まだこれは終わっていない証拠だ…」と。
たくさん考えたのに明かせなかった仕掛け、確実に存在する気持ちの変化…それならばnoteに記そう。そう思い、この1本を決めました。
実は式の3週間くらい前、夫から「noteで何かやるのもいいよね」と話がありました。ゲストの皆さんにはお伝えしましたが、実はnoteは私たちの出会いのきっかけでもあります。そして基本的に夫の提案には乗ると決めているので「(すでにWEBはあるから)例えば、当日に向けて対談とかしてみる…?」と言ってみたら「それは…嫌かな…(終了)」と返されお蔵入りに。
今回、このnoteでその時の「結局、何がしたかったの…!?」との心の想いを回収したいと思います。笑
もし今後参考にいただけるのであれば…
さまざななチャレンジをした今回。「私たちもやってみよう!」とのお声があれば、下記はご注意ください。実際に私はあれ…と白目をむきました。。(ご連絡いただけたら、詳細は別途お話しします)
終わった今、考えていること
互いに仕事に一生懸命がゆえ、エンジンがかかるのも遅かったし、やりながら方向性が定まったため、準備が順風満帆に進んだわけではありません。そして仕事やワンオペでの生活もあるなかで完全にプラスオン。「終わったらやって良かった!と絶対思うのに、そもそも準備は終わるのだろうか…」と何十回と思いました。ワールドカップが開幕してからなおのこと。。
今、振り返ると、私は「みんなの笑顔を見ながら、自分らしくあれる時間をいかにつくるか」ずっと考え、カタチにしようとしていました。
サッカーで自らの道を切り拓いている夫の隣で、どうしても「大好き」を見つけられなかった私。それでもこの時間を通じて、私たちらしさを前提に、ゲストの皆さんと楽しい時間(描いた理想)をいかに実現させるのか、考え、カタチにすることが「大好き」だと再認識することができました。
これは、アイディアを提案するごとに「うん、いいね!」「面白いね(笑)」と言ってくれた夫、楽しそうに、時に嬉しそうな笑顔を見せてくださったゲストの皆さんのお陰です。
こうやって目の前のことに一生懸命になると、自分の強みや好き、逆に不向きなことも分かり。まずはこの機会をもらえたことに感謝をしながら、どんな時でも「目の前のことに一生懸命になると見える世界がある」と信じて歩んでいこうと思います。(当日は別の文脈でお話しましたが、やっぱりそう思わせてくれました)
そして何より、どんな時でも見てくれている人は必ずいるのだと実感しました。だからこそ私も「些細でも『その人らしい素敵な部分』を見つけながら、時に『見ていたよ、らしかったね』と声をかけられる人であれる」ように、と。
私の主賓の方からのお祝辞でお話いただいた、基金在籍時に一人ひとりのプロフィールなどバックグラウンドを記憶していたエピソード。実はその時の記憶力は健在で…今回も、夫側のゲストの皆さんのお名前を何度も見るなかで、お名前はバッチリ頭の中に。もちろんお顔は知らなかったので、お会いでき、お名前とつながる瞬間がとてもうれしかったです。
また一つ二つと新たな自信につながったのと同時に、一人ひとりがそれぞれの人生の主人公として歩む日々でも、主人公は周りの皆さんによって成り立つのではないかと。
だからこそ、今、私が歩んでいきたいと考える道は理想や目標に対して、どうやって進んだらいいのだろうか?と考える人に伴走をすること。そもそも理想ってどんな状態?それにはどんなアクションが必要?どうやったらできる?と、問いとその答えから小さくてもアクションを重ねていけるように。
また広報PRの領域の仕事をしていたり、これまでも数十人〜数百人規模のイベント企画〜実施を多々行なってきたこともあり「魅せ方」も大切にしているのだ、と今回つくづく実感しました。そんなサポートをし続けながら、自分の道を歩んでいきたいと思います。
(今回のnoteをきっかけに、私について興味を持ってくださった方がいればぜひお気軽にお声かけください!あなたらしさが溢れる日々になるように、プロデュースのお手伝いをさせていただきます)
最後に…といってもまだ2つある「実は…」
実は本格的な準備で、一番最初に求められたのは招待状。全く形がなかったその当時、定型文にご挨拶の季語を変え、私の独断で「『私たちらしい』小宴」と加えてみました。少しでもそう感じていただけていれば、うれしく思います。
そして公開日を今日にしたのにも実は理由が。
初めて会場を訪れ即決した後に、次に必要だった本契約。それが昨年の今日、2021年12月29日でした。当時、一緒に朝ご飯を食べるなんて片手で数えられるくらいだったので、目の前のIVY PLACEでモーニングができるだけで「気分はよき」となり、会場へ。
とはいっても、うん百万円の買い物をするのも初めてなのに、行うのは1年後…と、説明を数十分ほど受けながら、当日を元気に迎えることができるのか、とても不安になった一日でした。
思い返すと、仕事も互いが一生懸命だったがゆえ、この1年で新たなステージへ、また見える世界が変わっていきました。公私共々支えていただいた皆さん、本当にありがとうございます。年が変わっても、変わらず突き進む二人をどうか温かく時に厳しくお付き合いください。
改めて、当日ご参加いただいた82名の皆さんがいらっしゃらなければ成り立たなかった、あの時間に感謝申し上げます。ありがとうございました。
Photo:島田翔斗
Hair & Make-up:鶴岡美代子
Place:リストランテASO
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