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二人暮らしから二人と一匹の暮らしに。家族が増えた今、思うこと

「ワンちゃん飼いたいな」

夫からの言葉に私はついこんな言葉をかけた。

「え?お家にいないよね…?」

月日は流れ、この会話から2年以上が経った2023年6月1日。

私たちは「二人暮らし」から「二人と一匹暮らし」になった。まもなく生後3ヶ月になる、トイプードルの女の子がやってきた。金髪と黒髪の間にふさわしい(?)、少し赤めの茶色い子犬だ。

私たちを知る人たちに「犬を飼う」と話をしたら、100% (笑)同じ返答をもらって、こんな会話を繰り広げることになった。

「旦那さん、いないよね?大丈夫…?」
「いや…大丈夫じゃないかもしれないけど…なんとかする…かな…?」

そう、2年経っても状況は変わっていない。
隣で見ている身としては、むしろ会社・個人の仕事ともに忙しくなっている気がする。ありがたい状況だが、「犬を飼う」と考えると、むしろ逆行しているくらいだ。

実は3月の引っ越しも、「今よりも広い家」以上に「ペット可の家が見つかった」ことが大きな決め手に。初めて一緒に住む家を探す時から「ペット可」を条件の一つに入れていたが、この一つを加えると、物件が一気になくなり断念していたのだ。

だからこそ今の家を見つけた時には、すでに夫は犬を探し始めており、ますます私の反論の余地はなくなっていったのだった。

以後、曖昧な返答をし続けていたが、GWも中頃のある日、話が一気に進むことになる。

「この子がいいな。5月はこの日のこの時間なら空けられそう」

ついにブリーダーさんと連絡を取り、犬の元へ行くことになった。私はどの子でもかわいいと思っていたが、送られてくる写真を見比べながら、なんとなく夫の好みが分かった。

「初めまして」をした犬は確かにかわいかった。それでも日々の生活がどのように変わるのか?不安しかない私。そんな天秤が揺れもせず、平衡を保っている感覚にその場で「飼う」決断には至らず、帰宅することに。

正直、その不安を解消する術はなく(唯一の選択肢は「夫が仕事を減らす」だが、非現実的だ…)、私の不安を伝えるしかなかった。そして返ってくる「できる限りの協力をする」との平行線の会話。そんな日々が3日ほど続いたが、「また新たな世界が見えるかも…」と思えるようになり、決断した。

背景には私のある想いもあった。

12月の結婚式が終わってから、急に「子どもとか…(欲しくないの?)」と話を振られるようになった。「家族を増やしたい」との気持ちがあるのは嘘ではないが、私の場合は「そう簡単ではない」ようだ。月日を重ねながら、その現実に嫌気がさすようになっていた。

もちろんワンオペの日々にさらに守る命が増えることへの不安もあるが、そう簡単ではないことに向かう日々に、少しの癒しがあってもいいかな、と思ったのだ。

少し話は脱線したが、「家族が増えること」は私にとっても念願だった。

そんなこんなで迎えることになった犬の名前を考えるにあたって夫の話を聞いていると、なんとブリーダーさんの元で抱えながらすでに考えていたという。私たちのスピード感はどこまでいっても両極端だ…と半分絶望しながらも、それぞれが「これがいい」と譲らなかった名前があり、仲良く一文字ずつ取ることにした。

しかしそんな楽しいことばかりではないのも事実。20年くらい前に実家で子犬を迎えたことがあるが、当時、私は小学生。散歩には両親がついていたし、なんせ全ての記憶が曖昧だ。ぼんやりした記憶を取り戻すべく、「犬と共に暮らす」ことについて改めて調べてみた。

たかが犬だが、されど犬。
人と全く同じではないけれど、同じ命である。

ずっと一緒にいると共依存になってしまうため、一人の時間も一定与えた方がいい、と書いてあった。

私は夫が自由に、のびのびと、やりたいことに邁進できる環境をつくることが一番だと思っているが、それは犬でも同じ。

もちろん犬がいると、人間もそう簡単には旅行に行けなくなる。毎晩帰りが遅くなるなんてこともできなくなる。

それでも、私は私、夫は夫、犬は犬。
それぞれの人生がある。

言葉が通じないことが残念だけれども、心は通じ合える、と信じて日々向き合ってみようと決めた。

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そして始まった二人と一匹の暮らし。
実は夫が仕事のため、早速一人と一匹の暮らしになっていて(笑)、都度「これでいいのか?」と心配になり、改めて自分の性格を悟る日々。

それでも「飼ってよかったな」と思っている。

夫ほどでは無いけれど、私も仕事が好きだ。
ずっとパソコンに向かってしまうし、どんな時でもつい仕事のことを考えてしまう。頭から話したくても離せられない、私の弱みでもあった。

それでも「仕事を完全に忘れて過ごす時間」を彼女がもたらしてくれた。
さらには「家族が増えたら…」との強い気持ちの一方で、そうは難しい現実も、少しずつ受け止められるようになってきた。

さらには、目の前のことに向かう大切さを教えてもらっている気がする。

これから先、さまざまなことがあるだろう。
もしかしたら私たち家族は、他の家族とは異なることもあるかもしれない。
それでも「この家に来てよかったなぁ…」と思ってもらえるように、私たちなりに楽しく過ごせたらいいな、と思う。


夫との日々を書いた、その他のnoteはこちら↓


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