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今、音楽に必要だったもの

ライブを全部観てくれた人に向けて書きます。最初から最後まで観てくれて本当にありがとうございました。そういう人がいてくれることが、僕は主催者として一番嬉しいです。

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僕が考えていたことは3つで、1つは観てくれる人にこの音楽配信ライブを楽しんでもらえるものにするということ。2つ目に、出演者にこの日を楽しんでもらえるものにする。3つ目に、音のことはMr.Studioのマスターが、映像のことは配信担当のごとうひろみくんが、納得できるものにすること。そうすれば、きっとこの日は良いものになって、音楽が未来へ繋がっていくと信じていました。

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その日は、そして、その日まで、知らず知らずのうちに考えなければいけないことがたくさん自分の中に溢れていました。いろんな人とのやりたい気持ちがぶつかってしまって正直苦しかったこともありました。自分自身が小さい人間だって自分自身に思い知らされる瞬間もありました。

それでも僕がやれることは、運営として、ちゃんとコロナ対策をすることと、観てくれるお客さんを少しでも増やすための宣伝、関わる人全員ができる限りやりやすい環境を作ること。そして、演者兼主催者として、ちゃんといい演奏をした上でちゃんと自分の口から観てくれている人に想いを伝えることだと思っていました。

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このイベントを通して、僕が何を伝えたかったのかというと、それは一言で言うならば「みんなでこれからも音楽を続けていこうよ」ということです。人から生まれて、人の心を渡り歩いて広がっていく音楽は、人がそれを諦めた瞬間にふっと消えてしまう。コロナ以降それをまざまざと感じてきました。そして、「なんで?必要ないじゃん?コロナだよ?」っていういろんな自問他問に対して、それでも続けるその理由をイベントの中身で表現したかった。

だから、観てくれた人にとって、「いいじゃん!できるじゃん!また観たい!」って、それでも音楽を鳴らし続けていくことの価値や可能性を改めて感じることができるものになっていたらとても嬉しいです。


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このイベントは僕1人ではできなかった。音楽だって弾き語りですら、1人でひたすらにやっていくことは無理です。

関係者のみんな、とてもあたたかかった。最後の自分の演奏が終わってスタジオの外でうずくまってなぜか僕は柄にもなく震えて泣いていたんだけれど、関係者みんながわーーっと僕のところへ駆け寄って何かを言ってくれていた。よく覚えていないんだけれど、それにとても心を励まされて、僕も何か言葉を返していた。スタジオのマスターは、泣きすぎだよと笑いながら握手してくれたのを覚えてる。ひろみくんは最後まで配信現場にいて、落ち着いた大きな声で「配信とめまーす!」と言った。

そしてお客さんの存在に、心から勇気をもらいました。終わったらたくさんの投げ銭や感想や反応が僕らのところに届いた。配信ライブはお客さんが目の前にいないから、信じるしかない。画面の向こうで観てくれてるって信じることから始まるし、信じたときから音楽に魂が乗る。そして、信じたその後でいただいた投げ銭や感想や反応に支えられて僕らはまた強く信じる気持ちをもって次に向かえる。そうやってお客さんに確かに支えられながら、音楽をやれています。だから、ありがとう、ありがとうと僕たちは言うのだと思います。

だから音楽は1人じゃできない。みんながいて、みんなと一緒に何倍もの力になっていくものだって改めて感じざるを得ませんでした。

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もしかしたら、この日のイベントはただの打ち上げ花火だったのかもしれないなとも思う。一発一日打ち上げで散ったらその日は終わってしまう。

だけど、打ち上げ花火の光が消えた後で、誰かの心に残るものがあるはずだから、それが誰かの心にこれからも残っていくことに僕は託しています。そして、その中のまた誰かが次の花火を作り始める。そうやって、繋がっていくのだと思っているし、繋いでいってほしいって本当に思います。

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これからも、ミュージシャン、お客さん、スタジオ、音響や配信スタッフ、そしてライブハウスやその他の音楽関係の仕事に携わるすべてのみんなで力を合わせて音楽を繋いでいきたいです。

一匹オオカミみたいな人が多い業界だと思うし、みんなとっくに始めからばらばらなんだけど、みんなで同じ方向を向いていたい。大袈裟かもしれないけれど、確かに音楽を繋いでいくっていう方向を向いていたい。

今でも鳴り止まない音楽を、これからも繋いでいこうよ。その価値は音楽に心揺さぶられた人が確かに知っているはず。馴れ合いでも慰め合いでもなく、それぞれの持ち場で、ばらばらな僕たちのままで、一緒に進んでいけたら嬉しいです。

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最後まで読んでくださって本当にありがとうございました。またどこかの会場でお会いできることを楽しみにしています。どうかこれからもお元気でいてくださいね。


※このブログは3/14(日)ハルラモネル主催YouTube生配信ライブ 「今でも鳴り止まない 音楽を繋いで -第4回-」について書いたものです。


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