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音楽と人、お寺とオンラインライブの2020年晩夏

もしかしたら誰かの心を苦しめるようなことをしているのかもしれないなと少し思ったりもする。やりたくてもできない人がいることは分かっているから。だけどそれでも、僕がどんな界隈であるにせよシーンの一部として、できる方法があるんだったら続けていくことにも意味があるって思う気持ちが勝っている。


僕はやっと思い出せた気がしています。あぁ、こうやって頭の中の半分くらいが宙に浮いているみたいな感覚で、ライブっていうものはしていたんだった。あとの半分で足取りを確かめながらジェットコースターを渡っていくみたいに。視聴者数が何人とか、コメントがあるとかないとか、音声が聞こえているかどうかとか、そんなことは何にも気にしなくていい。目の前のお客さんと自分の手の先とお腹の下の方にだけに意識を集中して、肩の力を抜いたらふわぁーーーっと浮いてしまいそうな感覚。この感覚でこれからもやるんだぞと反芻している。目の前のお客さんはいつも僕の演奏を助けてくれているんだって、また思ったりもした。


今日はこれまで自分で企画した配信ライブの中で一番圧倒的に音楽に集中できた。だからとても心地よい疲れがあります。ステージの上に音楽はやっぱり還っていくべきだって思った。そして、それは紛れもなく場所を提供してくれて、配信を担当してくれたごとうひろみという友人とROCK FILL JAMのメンバーの皆さんのおかげです(ROCK FILL JAMは一度ぜひ調べてみて!)。前までの2回の配信は、わけのわからないパソコンを一人でいじりもがきながら自分で配信のスタートボタンを押してから演奏をしていた。任せられる人がいるというのは、本当に心強かったです。


カメラの向こうにいるのは、人だってことも少しずつ分かってきた。カメラを見つめてもそこにはカメラしか見えないのに、カメラの向こうには人がいるって思いながら歌うのは結構難しい。テレビのスタジオでお客さんのいない中演奏しているプロのアーティストは本当にすごいなって改めて実感します。けれど、少しずつ僕も慣れてきたって思える。第1回から僕の配信ライブを観てくれている皆さん、本当に本当にありがとうございます。


今回、オープニングゲストとして出演してもらったCacti lightsは僕の大好きな岐阜のユニットの一つです。そのJakeとYuki Angelには、数年前の岐阜の音楽イベント「SWEET FISH TOWN」で出会いました。柔和で自然な人柄と、日本にいながらこんなにも古いルーツミュージックに近しい音楽を鳴らしている人たちがいることが嬉しかったのを覚えています。最後には3人で一曲カバーも僕から提案してやらせてもらいました。離れ離れになりがちな今、楽しくて意味のあることのように思ったからです。そして、これから先このセッションを忘れることはないと思います。


また、今日は配信ライブに加えて、現地観覧もできるイベントにしました。日々飛び交う新型コロナウイルスの情報に疲弊してしまいそうになるけれど、広くて風通しのよいお寺という場所なら、音楽ライブが好きな人がそれを体験することのハードルを少しでも下げることができると思ったからです。そしてそういう人たちにも、またライブハウスに足を運んでほしいと思っているからです。

(僕の知っているライブハウスはどこもとても気を遣いながら、それでも明るくたくましくやっています。今回のようなライブハウス以外での配信イベントでいただいたオンライン投げ銭の一部を、一軒一軒になってしまうけれどライブハウスに渡させていただきながら自分の音楽活動をしていくということは、ライブハウスとミュージシャンがこれからも一緒に歩んでいけたらと思って続けていることです。)

足を運んでくださった皆さん。けっして多くはないんだけれど、一人一人の名前と顔がわかる。本当にありがとうございました。とてもとても嬉しかったです。


これからも配信ライブは続けていきます。次は少し先になるかもしれません。9月、10月とライブハウスからのお誘いでライブに出演する予定があるからです。それでもまた次のライブに向けて精進します。なぜってそれは本当に演る人と観る人の生活を豊かに彩ると分かっているからです。


どうか皆さん、これからもお元気でいてくださいね。僕もこの状況を楽しみながら頑張ります。


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⚫︎観たことのない方はぜひ覗いてみてくださいね。

(下記画像をクリックするとYouTubeページが開きます)

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※僕の演奏はYouTubeページ下 説明欄のチャプターの青字の時間をクリックすると観やすいよ。

《アーカイブ公開期間》
⚫︎8/25(火)23時まで!
※フジロック期間につき2日延ばしました。



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