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風に揺れるカーテン
もう9月だ。あんなに勢いのあった夏の暑さは徐々に影を潜め、空気は着実に冬に向かっている。
窓を開けると、涼しい風が部屋の中にやさしく吹き込んでくる。風に揺れるレースのカーテンを見ながら、ふと懐かしいような、何かを思い出しそうな気分になった。この気持ちは何だろう。
何となく、子供の頃の自分が浮かんだ。もしかしたら赤ちゃんの頃までさかのぼるのかもしれない。ずっと昔、まだ小さかった頃、こんなふうに気持ちのいい風が入ってくる実家の部屋で、うとうとしながら風に揺れるカーテンを見ていたんだと思う。柔らかいタオルケットをおなかに掛けてもらって、眠くてだんだん重くなってくるまぶたの隙間から、ふわりふわりと風に舞う白いレースのカーテンを、ただ見ていた。
幸せなまどろみの中にいた、あの頃の自分の目を通して、今、見てる。
仕事を進めないといけないのだけど、ものすごく眠いからかな。昼下がり、今の自分と昔の自分が、一瞬だけシンクロした。
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