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自然な流れというか、タイミングというか。目に見えないものに、そっと背中を押される瞬間ってあると思う。

今回も、多分そう。

久しぶりに親子でショッピングに出かけることもあって、ふたりともご機嫌だったのも、影響していたのだろう。

それに、何となく感じる春の気配も、私たち親子が話しやすい雰囲気をセッティングくれたように思う。

▼娘とショッピングに行った話はこちら

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最寄り駅に向かうまでの約10分間。下り坂を並んで歩いていたとき、娘のほうから話しだしたのだ。

「〇〇も、4月になったら4年生やわあ」と、ちょっぴり誇らしげな顔をして。

それを聞いた私は、気付いたら「あのさ、4年生の最初の日に一回ママと学校に行ってみない?」と提案していた。

最近はお互い、学校に関係する話題を口にしなくなっていたから、自分でも驚いた。

そして、私の問いかけに対して、あまりにも娘が「うん」とあっさり答えたので、ちょっと戸惑う。一瞬の沈黙したあと「大丈夫。始業式のあとのことは、そのときに考えよう」と彼女に声をかけた。

***

「始業式のあとのことは、そのときに考えよう」。

そう言葉にしたとき、気付いたんだ。

私は娘を学校に行かせたいわけじゃないんだって。

不登校の前と同じスタイルで通わなくてもいい。別室でも構わない。今の学校が合わないのであれば、フリースクールだって問題ない。

ただ、彼女自身が自分の気持ちを確かめて納得したうえで、次のステップに進んでほしい。それが「始業式にとりあえず行ってみよう」の、本当の目的だ。

親の私にできるのは、さりげなく選択肢を教えてあげること。あとは娘が自分で答えを出すまで、信じて待つしかない。

***

別れと出会いの多い春は、「変化すること」へのハードルをさげてくれる気がする。

いつもだったら、行動するのに勇気が必要なことも、新年度の慌ただしさに紛れこんで、いつの間にか挑戦してたりとか。自然に一歩を踏み出しやすい季節だと思う。

娘が選ぶ道は、まだ分からないし、これからも悩みはつきないだろう。

でも、何だか大丈夫な予感がしている。わが子の不登校を経験するなかで、私も少しだけ成長できているはず。

それ以上に、娘と濃度の高い時間を過ごすことで、今までよりも「この子を信じて見守りたい」と思えるようになったんだ。

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