中島晴

すぐに行方不明になる私の「書く」への気持ち。散歩に行っても、旅行に出てもいいからいつも…

中島晴

すぐに行方不明になる私の「書く」への気持ち。散歩に行っても、旅行に出てもいいからいつもここに帰っておいで。

記事一覧

ここのところの二十年、いちばん考えてきたことが思ってもなかった終焉を迎えて、こんなん前からわかってたもんって思いつつ、ダメージ受けてるな。力がでない。こんな時には、何でもいいから書く。いつも書くことで乗り越えてきた。

中島晴
2年前

文体の舵をとれ 練習問題④ 重ねて重ねて重ねまくる 問一 語句の反復使用(300字)

文章の書き方を忘れてしまうほど放置してしまった。何をするにも時間がかかるようになり、仕事がちょっと忙しいと他の時間がなくなる。昔の日記、といっても10年くらい前の…

中島晴
2年前
6

文体の舵をとれ 練習問題③ 長短どちらも 問2

問2:半~一ページの語りを、七〇〇文字に達するまで一文で執筆すること。  夜ごとに聞こえくる母家の風呂の水音に、はて、風呂を遣っているのは誰だろうと思いつく限り…

中島晴
3年前
1

文体の舵をとれ 練習問題③ 長短どちらも 問1

 課題にかけていい時間は、グループで例会中に取り組むならせいぜい30分と「はじめに」の部分に書いてある。私は課題を自習しているわけだけど、でも〈群れ〉の中で書い…

中島晴
3年前
3

文体の舵をとれ 練習問題② ジョゼ・サラマーゴのつもりで

 今回の課題のむずかしいところは、句読点がなくても伝わる文章を書けばいいというわけではないところだ。句読点の使用を禁止することで、句読点の真価を考えるようになる…

中島晴
3年前
3

文体の舵をとれ 練習問題① 問2

問2 一段落くらいで、動きのある出来事をひとつ~  次の部屋では手の長い二匹の猿が仔犬を仕舞っていた。一メートル半四方の箱の中が小さく仕切られていて、その仕切り…

中島晴
3年前
7

文体の舵をとれ 練習問題① 文はうきうきと

アーシュラ・K・ル=グウィンは日本語で読める作品はほとんど読んでいるはずのSF作家。とはいえ、結局、一番好きなのは『闇の左手』なわけだが。『ゲド戦記』を読んだのは…

中島晴
3年前
7

ここのところの二十年、いちばん考えてきたことが思ってもなかった終焉を迎えて、こんなん前からわかってたもんって思いつつ、ダメージ受けてるな。力がでない。こんな時には、何でもいいから書く。いつも書くことで乗り越えてきた。

文体の舵をとれ 練習問題④ 重ねて重ねて重ねまくる 問一 語句の反復使用(300字)

文体の舵をとれ 練習問題④ 重ねて重ねて重ねまくる 問一 語句の反復使用(300字)

文章の書き方を忘れてしまうほど放置してしまった。何をするにも時間がかかるようになり、仕事がちょっと忙しいと他の時間がなくなる。昔の日記、といっても10年くらい前のものだが、読み返すと今のペースだと3日かかるような事を一日で終わらせたりしているのに驚く。その上、長い日記を書いている。そんなふうにはもう動けないが、せめて、文舵再開しよ。

 反対しよう。叫ぶように反対しよう。ささやくように反対しよう。

もっとみる
文体の舵をとれ 練習問題③ 長短どちらも 問2

文体の舵をとれ 練習問題③ 長短どちらも 問2

問2:半~一ページの語りを、七〇〇文字に達するまで一文で執筆すること。

 夜ごとに聞こえくる母家の風呂の水音に、はて、風呂を遣っているのは誰だろうと思いつく限りの顔を順繰りに思い出してみるのだが、身内にそれほど風呂好きな者がいただろうかと考えてはみても浮かんでくるのは風呂に入るのを面倒くさがる者の顔ばかりで埒はあかず、これはもう中学校の寄宿舎に入るまでの十二年間を、家族の者が風呂に入った後も、住

もっとみる
文体の舵をとれ 練習問題③ 長短どちらも 問1

文体の舵をとれ 練習問題③ 長短どちらも 問1

 課題にかけていい時間は、グループで例会中に取り組むならせいぜい30分と「はじめに」の部分に書いてある。私は課題を自習しているわけだけど、でも〈群れ〉の中で書いていると思っている。本当はひとりぼっちかもしれないけど。だから、書き始めてから30分で終わるようにしている。ただ、そこから見直してはいる。実はアップしたあとで小さな修正をすることもある。今回は文の長さについての問題。

問1:一段落(20

もっとみる
文体の舵をとれ 練習問題② ジョゼ・サラマーゴのつもりで

文体の舵をとれ 練習問題② ジョゼ・サラマーゴのつもりで

 今回の課題のむずかしいところは、句読点がなくても伝わる文章を書けばいいというわけではないところだ。句読点の使用を禁止することで、句読点の真価を考えるようになるのが目的。

練習問題② 句読点のない語り

 中年になって郊外に引っ越したというとなにやら優雅なもしくは意志のあることのように思われるが単に家賃の安いところでぎりぎり通勤にも支障をきたさないという条件で探したのでいきおいあまり美しくもなく

もっとみる
文体の舵をとれ 練習問題① 問2

文体の舵をとれ 練習問題① 問2

問2 一段落くらいで、動きのある出来事をひとつ~

 次の部屋では手の長い二匹の猿が仔犬を仕舞っていた。一メートル半四方の箱の中が小さく仕切られていて、その仕切りの中に抱きかかえては一匹ずついれていくのだ。真っ白な仔犬たちは猿に抱かれるとうれしくてたまらないらしく猿の顔を舐めようとしたり、肩の上まで登ろうとしたりするものだからなかなかはかどらない。よく見ると猿にはなめらかな艶のある毛が生えていて一

もっとみる
文体の舵をとれ 練習問題① 文はうきうきと

文体の舵をとれ 練習問題① 文はうきうきと

アーシュラ・K・ル=グウィンは日本語で読める作品はほとんど読んでいるはずのSF作家。とはいえ、結局、一番好きなのは『闇の左手』なわけだが。『ゲド戦記』を読んだのはすいぶん後になってから。
どこまで続けられるか自信はないけどゆっくり進めてみよう、ル=グウィンの小説教室の練習問題。

問1 声に出して読むための語り(ナラティヴ)の文を書いてみよう。

 看取るときっていっつも合宿するような気分になるん

もっとみる