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文体の舵をとれ 練習問題③ 長短どちらも 問1

  課題にかけていい時間は、グループで例会中に取り組むならせいぜい30分と「はじめに」の部分に書いてある。私は課題を自習しているわけだけど、でも〈群れ〉の中で書いていると思っている。本当はひとりぼっちかもしれないけど。だから、書き始めてから30分で終わるようにしている。ただ、そこから見直してはいる。実はアップしたあとで小さな修正をすることもある。今回は文の長さについての問題。

問1:一段落(200~300文字)の語りを、十五字前後の文字を並べて執筆すること。不完全な断片分は不可。各文には主語(主部)と述語(述部)が必須。


 水音がする。誰かが風呂を遣っている。でも、ここには誰もいないのだ。カネタタキの他には。庭でカネタタキが大発生している。チッチッチッ。チッチッチッ。時折桶の音がする。桶の音? カーンと反響している音のことだ。ここには木の桶などない。それどころか風呂もないのだ。退化した翅しか持たぬカネタタキ。チッチッチッ。今はもう音だけが遺っている風呂。どうれ湯加減をみにいこう。


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