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文体の舵をとれ 練習問題④ 重ねて重ねて重ねまくる 問一 語句の反復使用(300字)

文章の書き方を忘れてしまうほど放置してしまった。何をするにも時間がかかるようになり、仕事がちょっと忙しいと他の時間がなくなる。昔の日記、といっても10年くらい前のものだが、読み返すと今のペースだと3日かかるような事を一日で終わらせたりしているのに驚く。その上、長い日記を書いている。そんなふうにはもう動けないが、せめて、文舵再開しよ。


 反対しよう。叫ぶように反対しよう。ささやくように反対しよう。みんなで反対しよう。一人で反対しよう。得意な言語で反対しよう。苦手な言語で反対しよう。横たわったままで、高楼の上で、風呂の中で、図書館で、歩道橋の上で、地下鉄の中で、胸の内で、肩先で、犬を抱きながら、米を研ぎながら、新しい小説を考えながら、歌を歌いながら反対しよう。二色の旗を手に反対しよう。あなたが誰であれ反対しよう。故郷の街ではすべての場所で生きているものは皆死んだ。墓石の下の死者も二度目の死を迎えた。そのことを知っているなら反対しよう。知っていなくても反対しよう。大きな声で反対することに慣れていない私たちだけど、今日、反対しよう。



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