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多様性という雲

「みんなちがってみんないい」という言葉を聞いたことがないという人の方がまれであると思う。私が小学生の頃、たしか道徳か国語の授業だったか、この言葉を知り自宅に帰ってすぐに母親に言ったことを今でも覚えている。「みんな違ってみんな良いってさ、そんなわけなくない?」


 SDGsという言葉が世間を跋扈している。
 今日の朝だった。地下鉄に乗るとスーツに虹色のドーナツ型バッジをつけている男性を2人見かけた。会社からの指示でつけさせられているのか、自らの意思でそのようなSDGsバッジをつけているのかまでは拝察できなかった。持続可能な開発目標というSDGsを高らかと目標に掲げている国連の常任理事国がR国とC国なのだから笑わせてくれる。さらに軍縮合意を目指す国連機関であるジュネーブ軍縮会議の議長国が北C鮮だという、、、もはやここまでくると笑えない。

 国連の形骸化はさておき、SDGsに話を戻す。
SDGsの中でもとりわけ大きく取り上げられているのがジェンダー平等だ。多様性という雲のような言葉を全面的に押し出してくる感じがたまらない。


 先日、大学で倫理の講義が行われた。その講義は6人1班で教授から提示された問題についてグループディスカッションを行い、最後に班の代表者が自分たちの班の総意を全体の前で発表するという楽しいものだ。

 教授から提示された問題は『ジェンダー格差をなくし、多様性ある社会の実現のために企業ができること』というものだった。グループディスカッションが行われる前に、教授が全員に資料を配布し、ジェンダーについて及び様々な性について、そして多様性の重要性を教授して頂いた。

グループディスカッションが始まると、私の前に座っていたAが即座に発言した。

A「企業の幹部にLGBTQの枠を定める。」
私「LGBTQというのを公表せずにそっとしておいてほしいという者もいる それにLGBTQというのは全く関係ない、LGBTQだろうが男だろうが女だろうがその組織にいかに貢献し、企業利益を最大化させることができる人材が幹部になるべきだ。」
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 グループディスカッションを終えて、班の総意を発表する時間となった。私たちは3班であったため、1班・2班の発表をまずは聞く。

1班「LGBTQ専用の更衣室・トイレを設置する~云々」

2班「幹部のLGBTQの割合を定める~云々」

どちらの班の発表も教授は非常に満足そうな表情で深く頷きながら、特に何も言わず聞いていた。

そして私達の班だ。

3班代表者「ジェンダー平等というのを騒ぎすぎない(そっとしておいてほしいという方もいるため)、基本的には教育に委ねるが企業としては匿名のカウンセリングシステムを強化し、LGBTQの人間を排除するという人間がいれば降給・降格等の措置を取る」

突然、椅子に深く腰掛けていた教授が立ち上がり、3班代表者に詰め寄った。

教授   「ジェンダー平等というのを騒ぎすぎない?」
3班代表者「はい 騒ぎすぎることでかえってジェンダー格差を助長する恐れがあると考えました。」
教授   「エビデンスは?」
3班代表者「え? エビデンスは、 、 、ありませんが恐れがあるということです」
教授   「エビデンスがないことを言わないように その発言は必要ない それにそんなことを私は教えていない」


私 「何で私達にだけエビデンスを求める? 1班のLGBTQ専用の更衣室・トイレを設置したら改善されるというエビデンスはなぜ聞かないんだ」
A 「本当  多様性のある意見として受け入れられないらしい そういうとこありますよね」
私 「というと?」
A 「多様性っていうのを言う人に限って他人の多様性を認めたがりませんよね」

私は机に目を向けた、グループディスカッション前に教授が配布した資料に目がいった。
そこにはでかでかと『いろいろ違ってみんないい』と書かれていた。


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