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カウンセラーの心の自己管理~方法論~

『方法』を論じる。

記念すべき初ノート投稿として、カウンセラーはじめ対人援助職にとって自身の心のメンテナンスが大事だと考えた理論編的なnoteをしたためた。
では実際にはどうすればいいのか。
今回は方法論的なものを書こうと思う。より多くの人に感心を持っていただける内容なのではないだろうか。心の管理に悩むのは、ケアする人・される人、その両方である人、全ての人びとに関わりのあるテーマだろうから。

“ケア“よりも“メンテナンス“で。

セルフケアという言葉をよく耳にするが、私はより”予防”を意識して紹介したいと思う。そして、予防のために、心の状態がモニタリングできていることが大切になってくる。そのモニタリングと予防がメンテナンスとなり、状況によってケアを行うことが、カウンセラーとして大事な心の自己管理だと思っている。これから紹介するメンテナンスの方法は、不調に陥ってからではなく、日常に取り入れることをお薦めしたい。心が荒んでから平常心に戻るようケアをすることの方がよほど大変だからだ。

自分にフィットする方法を。

体調管理と言うと、大概決まってる。うがい・手洗い、バランスの取れた食事、質の良い睡眠・・。たが、心については決まった方法がない。だから、ここで紹介する方法から貴方に合うものを探してほしい。そのプロセス自体が自分の心と向き合う姿勢づくりになるから。
これからご紹介するのは、理論に基づいたことや実体験で見いだしたことだ。前のノートで書いたように、私はクライエントさんの立場に立つためにも私自身が心理学を実践し、体験レベルで理解できるよう心がけており、その一貫でもある。一般的なこととそこから一歩独自に見つけた方法をご紹介する。

チェックすること

自分の傾向に気づくと、それだけで気が楽になることがある。何が引き金になりやすいのか、いつなりやすいのか、そのときの自分はどんな状態になるのか。まずは、毎日ログをつけることをお薦めする。続けやすい簡単な方法で。表情イラストや、心の点数でつけてみてもいいかもしれない。実は天気に左右されやすかった、思ったより生理周期と連動していた、いつも似たようなコミュニケーションに影響されやすかった…などと見えてくるものがあるかもしれない。

リストアップすること

傾向が見えたら、そのときの自分の状態を目につきやすいところにリストアップしておくといいかもしれない。私自身実践しており、私の場合は「バラエティ番組がうるさくてつまらない」「アップテンポな音楽でのれない」などがある。感じ方のほか、第三者的に見た心身の状態をまとめておくといい。
また、いい状態にの自分のリストも作っておくのもお薦め。それをイメージすることが健やかさを後押しし、現状とそのイメージの差に自分の心の状態に気づくこともできる。

身体感覚を大切にすること

案外人は、自分の感情に気付いてないことが多い。感じる余裕がなかったり気付かないふりをしたり認めたくなかったりして。意識に登らないようにしているものだから、身体がアラートを出していきなりベッドから起き上がれないようになったりすることがある。心の声を身体が表現していることがあるのだ。言葉になる前の感情は身体で感じられているものがヒントとなることがある。日頃から丁寧に身体に耳を傾けてみてもいい。本気の深呼吸をしてみる。目を閉じて空気が肺に入る感覚お腹の膨らみやしぼみ、血の巡りを感じてみる。身体のどこかで苦しいところや解れて温かくなってくるところが見つかるかもしれない。他にもゆっくり湯船に使ったりストレッチをしたりして、それだけに集中し身体の感覚に前意識を向けてみると良さそうだ。

インドア・アウトドアのバランスをとること

インドア派の人・アウトドア派の人とはっきりしている場合もあるでしょう。一度、自分の趣味や好きなことについても一度書き出してみて整理することもお勧め。どちらの方が多いだろうか。映画を観たり読書をしたりと行ったインドアは自分の感情や考えを深める自分の内側に注意を向けやすく、マラソンをしたりキャンプをしたりすることは自分の身体や周囲など外側に注意を向けやすい。偏ると、内側ばかり目を向けて考えすぎることも外側ばかりに目を向けて過活動になりいつの間にか心が疲れてしまうことがある。バランス感覚が大切だ。私自身、職業柄、内面に目を向けがちで考えすぎになりがちだが、ダンスの趣味を持つことで程よくポジティブになれているように感じている。特に対人援助職の方にはアウトドアの趣味を持つことをお勧めしたいと思う。

分散してコミュニティを持つこと

趣味もそうだが、自分が属すコミュニティもいくつか持つとよさそうだ。社会人サークルや副業、ボランティアなど。どこまで何に就いて話せる関係か分けて拠り所をつくっておかれるといい。仕事一筋だったりするとそこでうまくいかなかたら後がなくなるが、どこかでうまくいかなくても別のところでのびのびとしていられる居場所があるといいだろう。また、SNSもその一つとする考え方もできる。直接の関わりがないからこそできる深い話もあるかもしれない。そして他では見せられない自分表現することもできる。

SNSの利用を見直すこと

Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSもコミュニティとして利用する手もあるのだが、裏目に出ることもある。それが、自己表現の手段としてポジティブに作用していればいいのだが、それに対する「いいね」などの社会的評価を気にしだすと、承認欲求が落ち着きを失くすことがあるのだ。他人の「いいね」やフォロワーの数を意識し出したり、実際には招待されなかった間柄の「友達」の結婚式の投稿にやきもきしたりし出したりする。インフルエンサーや意識高い系のビジネス系の投稿に、憧れて目標になるのならいいが、比べて自分が惨めに感じたりするのなら、逆にSNSのアカウントを整理することも自分の心のメンテナンスにはいいだろう。私自身、このnoteがそうならないような距離感でぼちぼちやっていきたいと思っている。

自分と対話すること(セルフカウンセリング)

これは飛び道具で、カウンセラーならではの方法かもしれない。自分で自分をカウンセリングするのだ。日々の悩みをLINEやSlackやメールなどで、クライエントとしての自分とカウンセラーとしての自分が対話をする。この形式が大事で、一回一回立場のスイッチの切り替えができる。始まりはクライエントとしての自分からの投稿で、本当にカウンセリングに行ってカウンセラーと話すのなら今の思いを語り、語り終えたら、今度はカウンセラーとしての自分のターンになる。クライエントしての自分を知らない無知の姿勢になり、カウンセラーとしてだったらどう返すのか考えるのだ。自分なのに知っている状況について自分でなぞるのだから最初はまどろっこしいが、だんだん深まっていくので、面白い。

泣いたり怒ったりすること

どれだけ丁寧にメンテナンスをしていようとも、外的な要因から大きく心揺さぶられることはある。そんな時、別に泣いたり怒ったり取り乱したりしちゃいけないわけじゃない。十分に受け止めてあげて許して認めてあげて、それだけの思いを抱く出来事だったんだなと少し距離が持てるようになったら十分だと思う。

一人じゃ難しい、だから、カウンセリング。

セルフカウンセリングの方法を紹介したが、これは難しいし、やっぱり限界がある。自分自身で自分のことを見つめるには、やはり一生懸命だし見えていない部分があるからだ。それが前に人がいてその人に語るだけでも自ら見えてくることがある。目の前の人に聞いてもらうだけでも楽になれることがある。カイロプラクティックに通うようにマッサージを受けるように、心のメンテナンスとして、気軽にカウンセリングを利用してほしい。

カウンセラーもカウンセリングを受ける。

カウンセラーも教育分析などと言う名目でカウンセリングを受けに行くことがある。私も自分自身と向き合うため、クライエント体験をするために教育分析を受けに行く予定だ。そこから得た学びを今後、共有していけたらいいなと思っている。カウンセリングを受けている方やカウンセラーの方、カウンセリングを受けようと検討している方、カウンセラーを目指す方に興味を持っていただけてちょっとした参考になるようなnoteをこれからも書いていきたいと思っている。

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