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314.ChatGPTは小説を書けるのか

破竹の勢いで世界中を席巻している「ChatGPT」
Googleで検索する、という多くの人が行っている今となっては当たり前の行為を、根本からひっくり返す可能性を孕んでいます。

人間の歴史上でも大きなターニングポイントになるかもしれません。
AIがこれほどまでに一般化してきた証左なのです。

訊いたことを何でも文章で指示通りに答えてくれるのは、確かにすごい。
まだGoogle検索に及ばない点はたくさんあるかもしれませんが、今のうちに触れておくといいのではないでしょうか。

今大井町にいるので、大井町について質問を投じてみました。
早速使ってみて、実際の画面と共にChatGPTの可能性を見てみましょう。

ChatGPTが導く情報

検索エンジンで検索すると、出てきた情報から自分で選ぶという作業が必要になってきます。
世の中いろんな意見がありますから、どれを選択するかが検索するにあたって大切なことでした。

ただChatGPTでは、こうして文章で回答が出てきます。
指示を細かくしても、ある程度その通りに回答が出てきます。
つまり情報をこちらが選ぶのではなく、情報が選ばれた状態で、人々に届くようになっているのです。

使いようによっては、活用の幅はますます広がりそうです。
これからより多岐に渡っていくでしょう。

小説を書くことはできるのか?

文章の回答が非常に秀逸なのは、いろいろと質問していればとてつもなく体感します。
そこで、一つの疑問が浮かびました。

仮にも僕は物書きを謳っている者。
独学で小説を書いてきて、ここ数年で記事を書くようになりました。

では果たして、ChatGPTは小説は書けるのでしょうか?

これも早速、試してみます。

僕の小説は基本野球を題材にすることが多いので、そのように指定して文章が出来上がるのを待ちました。

画像にもありますが、以下が全文です。

夏の甲子園予選が始まった。小学校から野球を始め、高校に入ってからもずっと野球部に所属している主人公・山田は、この大会で全国制覇を目指すことになった。

山田はチームのエースであり、ピッチャーとしての腕前は抜群だ。しかし、チームメイトたちは彼に頼りすぎる傾向があり、山田自身もその重圧に苦しんでいた。そんな中、山田はかつてのライバルだった清水と再会する。

清水は、中学時代に山田と対戦したことがあるピッチャーで、当時は山田に勝利を収めたことがあった。しかし、高校に入ってからは野球を辞めてしまっていた。

清水との再会によって、山田は自分がチームメイトに頼られすぎていたことに気づく。彼は、自分がエースであることを理由に、チームメイトたちに横柄な態度を取っていたことを反省する。

そして、山田は清水から、勝つためにはチーム全員が力を合わせることが必要だというアドバイスを受ける。山田はチームメイトたちとコミュニケーションをとり、彼らとともに戦うことを決意する。

予選を勝ち進んでいく中、山田はチームメイトたちとの絆を深め、自分自身も成長していく。そして、ついに甲子園への切符を手に入れた彼らは、全国制覇を目指す。

甲子園での試合に挑む彼らは、清水から学んだことを実践し、ピッチャーだけでなく全員が力を合わせて戦う。激しい試合を経て、ついに彼らは優勝を果たす。

山田は、清水に勝ったという借りを返すことができたことに感謝しながら、チームメイトたちとともに喜びを分かち合うのだった。

500字という制限を設けたからか、なんだかまとまったあらすじを見ているようですね。
無料版は字数制限があるためこのようにしたものの、どこか無骨な印象です。

実は小説を書くAIはすでに存在しています。
こちらの方が小説としての完成度は圧倒的に違いますが、それもある意味当然で、やはり用途によってAIはそれぞれ強みが違うのでしょう。

とはいっても、人間の文章とAIの文章との違いは、まだわかりやすいのも事実です。
特にプロが書く文章はまだ人間業であり、AIでは追いつかない領域にいると個人的には思っています。

例えば、同じ「夏の甲子園予選が始まった。」という文章から始めるとしたら、僕が書くとこんな感じになるでしょうか。(夏の甲子園予選という言葉自体微妙ですが、なんとかショートショートにしてみました。)

夏の甲子園予選が始まった。
テレビから流れる試合開始のサイレンの音は、いつでも高校球児だった頃を思い出させる夏の風物詩である。

今でも蘇る。熱い日差し、舞い散る砂埃、澄んだ金属音に、硬球が手に収まる小さな衝撃。鮮明に思い出せる過去があることは、人生にとって非常に有意義なことだと思う。鮮明さは充実度と比例しているのかもしれない。

さて、社会人になった今はどうだろうか。あの頃ほどの熱い夏を、過ごしているだろうか。
ただ過ぎ去る忙しない毎日。仕事に手一杯ながらも頑張っているし、自分は充実していると思っていた。ただ、数年後の自分はこの夏を思い出すことができるだろうか。
思い出せる日々を今、作ることができているのだろうか。

高校生のあの頃から数年経った自分が、数年後の自分を思い起こしてみる。
もしかしたら仕事以外にも、何かできるかもしれない。何かやってみてもいいのかもしれない。
ずっとやりたかったことがあったはずだ。今だからやれることもきっとある。何もなくても、今からまた探せばいい。
あの頃のような情熱を、また体感したいのだ。

試合開始のサイレンの音は、別の何かの始まりも告げているようだった。
セミの声が聞こえる。テレビの向こうから、懐かしい金属音が聞こえた。
この夏は、久々に熱くなるぞ。

野球の試合や勝負事といった状況説明だけがストーリーになるわけではないですね。
ちょっとした一言に、いろんな想いが詰められます。
優劣では測れませんが、このように比較して感じ取ることはできます。

今の段階では、AIに物語は書けるかもしれませんが、小説を生み出すことはまだ難しいと思っています。

これも、数年後には変わっているかもしれませんが。

兎にも角にも、世の中を大革新させるだけのポテンシャルを秘めていることには違いありませんから、ChatGPTを始めAIに対するこれからの進化にも大注目です。

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