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267.「記憶」を「思い出」に昇華し続けたい

秋の空気が漂うようになってきました。
外の匂いを吸い込んで「秋だ」と感じます。

匂いと記憶は深い結びつきがあるといいます。
皆さんも懐かしい匂いや香り、季節の変わり目の空気から記憶が想起されるような経験がある方も多いかもしれません。

僕がよく思い出すのは、大学四回生の頃。

学生生活最後の一年間は非常に濃くて、たくさん思い出があります。

毎月毎月、何があったか思い出せる。
そんな一年だったように思います。

さて、ふと秋の訪れを感じて、昔を思い出しながら、思うこと。

思い出はたくさんある。

今は、思い出となる日々になっているだろうか?

季節ごとの、記憶

秋は特に大学四回生の頃の記憶が強いです。

大学野球の引退公式戦が10月14日~17日でした。
自由が急に生まれた時期でした。
野球という、14年間かけてきたものがなくなった、とても印象強い時期でした。

寮にいた友達が引っ越すからと運転を依頼されました。
高校の野球部に練習を教えに行きました。
研究も大詰めだったので、自分の論文を進めたり、友達の実験に参加して手伝ったりもしました。

たった二ヶ月ほどの記憶は、今でもたくさんあります。

一番好きな5月6月の初夏は、大学二、三回生の頃が思い出されます。
一人で遠出をしました。
あちこちに行きました。
夏を感じて、野球の合間に小説を書いていました。
たくさんの本と出会いました。

この頃の感性が、今までの人生で最も研ぎ澄まされていたように思います。

自然に触れ、身体を動かし、行ける土地や街も増え、多くの作品を知る。

初夏は、至る所にインスピレーションが点在していて、今でもとても好きな季節です。

年末年始は、三年、四年前に実家に帰らず東京で過ごした期間が思い出されます。
千葉県の鴨川市に、仲のいい人たちとカウントダウンで泊まりに行ったり、初詣で明治神宮の人の多さに驚いたり、実家以外で過ごす年末年始は新鮮でした。

春は大学一回生の頃を、晩夏は高校三年生の頃を、真冬は高校野球の厳しかった練習を、それぞれの季節で、それぞれの記憶が蘇ります。

それらはとても輝いていて、僕のこれまでの人生を鮮やかに彩ってくれていました。

今の記憶は、思い出になるか?

社会人になり、名古屋で新入社員研修。
その後東京配属でゴールデンウィークに上京し、二年ほどは友達も少なく一人で過ごす時間が多かったです。

一年目、二年目の記憶は正直あまりありません。
仕事はしていたし、いろんなところにも行き、アニメや本など作品もたくさん触れましたが、思い出されるほどの記憶かというとそうではない。

二年目の終わりに、人生の方向性を大きく変える出会いがあってからは、仕事以外の出来事が非常に充実し始めました。

それでも、大学四回生の頃の自分が時折顔を出してくるのです。

今は、あの頃ほどすべての記憶が思い出になるような日々を過ごしているでしょうか。

明らかに、経験は増えた。
できることも、やっていることの大きさも、起こる出来事自体も、学生の頃や社会人三年目までの自分には想像もつかないことばかり。

もちろん、ステキな思い出は数え切れないほどある。

ただ、もっと増やせるのではないだろうか、と。
いつまで経っても鮮明に思い出せる記憶は、もっともっと創り出せるのではないだろうか、と。

ここ数年を振り返ってそう思う。

並大抵のちょっとした新しいことでは、もはや僕の脳はそれぐらいなら些末なことだと認識しているのかもしれない。

成長の証拠だろうか。

10年後、僕は今の何を思い出しているだろうか。

記憶が、思い出になるように。

思い出となって残っていくように。

より大きな挑戦と、新しいステージに身を置き続けよう。
たくさんの人に触れよう。
いろんな感情を心から味わおう。

思いっきり、人生を楽しもう。

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