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第十幕:冬の本公演10 ミュージカル研究会の頃-汗と涙の青春ストーリー-

これが終わると、この作品でも屈指ともいえる、名曲が登場する。
鉄郎の存在感もいかんなく発揮された。
さらにいえば、美也子さんは象がすごく好きだが、そんな彼女の世界観も大いに反映して、圧倒的に印象深いシーンで、自分の歌でもないのにはっきり覚えている。
象たちは主人公である子供の象に歌って語りかけるのだ。

10

”お前は我らの仲間であり また同時にそうではない”
”いかなる理由によってお前がここにやってきたのか”
”あえてたずねはしない”
”ただ今は、休息が必要だったのだろう”
”風がそう伝える、風がそう言っている”

”私の息子としてうまれてきたお前”
”さみしそうな眼をしている”
”すでに名前をもっている小さな子”
”お前にも私たちの血が伝える運命をみせてやれたら”

”はるかな大地 黄金の草の音が響く”
”混沌の 大地に溶けて ゆくところ”
”お前にも私たちの血が伝える 風景をみせてやれたら…”

ここでの鉄郎の存在感は半端なかった。凄かった。
もちろん、中人の五月さんや、新人たちもものすごく良い表情で演じていた。

主人公が生きようとするきっかけを与えるシーンであり、とても感動的だった。

そして、いよいよクライマックスに近づいていく。
主人公に象たちは同じことを二度問いかけるのだ。

”どうして写真をとろうと思ったの!?”
”どうして写真をとろうと思ったの!?”

つづく…(続きを見たい方は、ハルカナル屋根裏部屋へ!)

第一幕:未知なる舞台へ!
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/第一幕:未知なる舞台へ!

第二幕:衝撃! 初役はみんなが大嫌いなあれ!?
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act2

第三幕:最初の公演
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act3

第四幕:夏の発表会
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act4

第五幕:脚本会議、夏の陣
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act5

第六幕:夏休みも大変!? 音響スタッフで出陣!
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act6

第七幕:夏合宿
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第八幕:猫たちが大騒ぎ!?
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第九幕:試練の秋
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act9

第十幕:冬の本公演
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act10

登場人物

-新人-
僕:元帰宅部。歌、ダンス、芝居、3拍子そろわない珍しい新人。しかも、入部したのが2年生の時だったため、振り返るとかなり浮いた存在だった。
岩尾…親友。2浪しているフリーターながら、ミュージカル研究会に入る。
鉄郎:某都内に通う高校時代、伝説となった男。野性的で、繊細で、躍動的で、とても頭がよく、次元の違う存在感を放っていた。どこを行くのも裸足で歩いていた。
冴子…高校時代は声楽をやっており、作曲ができた。才能にあふれており、同期で最初に頭角を現した存在だった。彼女の作る曲は作品にしっかり寄り添いながらも、さらに作品を高めるような、素晴らしい曲が多かった。のちにNHKのみんなの歌に曲を提供した。
優有:歌と芝居が大好きで他の女子大学からミュー研に通っている。穏やかで性格が良く、みんなから好かれており、脚本家の坂上さん、美也子さんらに気に入られ、たびたび彼らの作品に主役で出演することになる。
芽衣…大阪出身でのりやよく、ダンスが好きだった。若くして亡くなってしまい、この作品を書くきっかけになった存在の1人。

-中人(2年目)-
美也子さん:容姿は少しボーイッシュで、性格は物静かで控えめ。宮沢賢治を愛しており、彼女が生み出す脚本は、独特で素晴らしい世界観だった。
江夏さん:新人の時はぺけをつけられていた僕や岩尾とかなり距離があり、あまり話す機会はなかった。坂上さんとおなじ愛知出身で、師匠と弟子のような間柄だった。普段はちゃらんぽらん、三枚目だが、ミュー研への思い入れが人一倍強く、男子では歌、ダンス、芝居が一番うまかった。とても個性があり、 後に百萬男 – フジテレビに出演した。
時子さん: 歌・ダンス・芝居、すべてのレベルがトップクラスの先輩だが、怒ると鬼より怖く、男子全員に恐れられていた。
松田さん:初対面の時に「俺、次の舞台で主役とっちゃうよ!」と言ってのけた自信家。実際は繊細で神経質な一面もある。一方でできの悪い後輩を気にかけ、面倒見の良い一面もあった。
夕実さん:松田さんの彼女。小柄でかわいらしく、親切な先輩。

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