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ロシュフォールの恋人たち

鑑賞時の感想ツイートはこちら。

1967年のフランス映画。双子の姉妹が主人公の、色彩溢れるお洒落なミュージカル作品です。原題は "Les Demoiselles de Rochefort"。

1964年に公開された『シェルブールの雨傘』と同じ、ジャック・ドゥミ(監督)とミシェル・ルグラン(音楽)が再びタッグを組んでいます。

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双子の姉妹を演じるのは、カトリーヌ・ドヌーヴフランソワーズ・ドルレアック。実はこの二人、なんと本物の姉妹なんです!(ドルレアックが姉で、ドヌーヴが妹)

可愛いものが大好きな、あなたへ♡

まずは本作のナンバーから、こちらの一曲を♩

『双子姉妹の歌』
(Chanson De Jumelles)

イヤ~ン、お洒落っ♩ 実に小粋ですよね~。

このシーンで二人が着ているドレスモーレツに可愛い!!♡ スカートの4か所が隠しプリーツになっていて、くるくると踊って裾がひるがえる度、中のプリーツがふわっと広がる―― という♩

しかも、バイカラー。ベースが白で、挿し色にピンクとイエロー。爽やか! 隠しプリーツの部分、襟や身頃のパイピング、つばの広い帽子は、挿し色で統一されて――。

や~ん♡ 着てみたい着てみたい

誰か、作って売ってください。それか、ユニクロとかで出してくれないかなぁ?(ハイブランドには手が届かないので。笑)

主な登場人物

上に貼った動画の日本語字幕をご覧いただくとおわかりになる通り、序盤のナンバーにふさわしく、曲の歌詞が主人公たちの自己紹介になっています。

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ソランジュ(フランソワーズ・ドルレアック/写真左)
デルフィーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ/写真右)
フランスの港町ロシュフォールで暮らす双子の姉妹。二人で町の子どもたちにバレエを教えている。
ソランジュは作曲家志望、デルフィーヌはバレリーナ志望。二人とも、いつかパリへ行って活躍すること、運命の人と出逢って素敵な恋をすることを夢見ている。

イヴォンヌ(ダニエル・ダリュー)
双子姉妹の母。広場にあるカフェの女主人。ソランジュとデルフィーヌの父親が誰なのかは、娘たちには話していない。
ブブ
双子姉妹の年の離れた弟。カフェを切り盛りする母に代わって、双子姉妹が送迎などの面倒を見ることも。
エチエンヌ(ジョージ・チャキリス)
ビル(グローバー・デール)
バイクの曲乗りを見せる旅芸人二人組。二日後に控えたロシュフォールの祭に出演するため、町へやってきた。
マクサンス(ジャック・ペラン)
イヴォンヌが営む広場のカフェの常連。兵役中の若い水兵。本業は画家。理想の女性を絵に描き、出逢いを待ちこがれている。
シモン・ダム(ミシェル・ピコリ)
楽器店の主人。作曲家志望のソランジュに、友人であるアンディを紹介する。10年前に身重の恋人と別れた想い出がある。
アンディ・ミラー(ジーン・ケリー)
アメリカ人の著名な作曲家。友人ダム氏の楽器店へやってくる。

主な登場人物のプロフィールは、ざっとこんなところ。

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『雨に唄えば』、『巴里のアメリカ人』のジーン・ケリーが作曲家アンディ役を演じています。

それにしても、このパステルカラーのコーディネートを見てください! ライラック色のジャケットにピンクのポロシャツ! 素敵だなぁ。お洒落♩

とにかく色彩が素晴らしい!

ジャック・ドゥミ監督の作品は、カラフルでありながら調和のとれた色彩が素晴らしい!―― というお話は、前回の記事『シェルブールの雨傘』にも書きました。

本作も同様に、計算し尽くされた色彩の美しさが見どころです。深くて鮮やかな “きれい色” の印象が残る『シェルブールの雨傘』に比べて、本作は白が混ざったようなパステルトーンが基調。

なので、より一層おとぎの世界のような “軽やかさ” と “可愛さ” が際立っています。

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広場でのシーン。ミニスカートにベレーが可愛い。

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重めバング(前髪)が 60年代ですね~!

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本作では「白」がとても素敵に使われています。はぁ~、このセンス♡ ため息が出ちゃう……。

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クライマックスのお祭のシーンでは、一転してビビッドに。ドレスのスリットがセクシー♡

ミシェル・ルグランの音楽

本作に欠かせないのが、ミシェル・ルグランの音楽♩

はじめにご紹介した『双子姉妹の歌』(Chanson De Jumelles)も心華やぐ素敵な曲ですが、わたしが一番驚いたのが、この曲!

キャラバンの到着』(Arrivée des camionneurs)

テレビで流れていた CM の曲として聴き覚えがありますよね! ビッグバンドで演奏されるジャズワルツが格好いい~♩

こちらのシーンでは、同じメロディーに歌詞をつけて歌っています。

(Nous voyageons de ville en ville)

ウエスト・サイド物語』でも抜群の踊りで魅せてくれた、ジョージ・チャキリスのダンス! キレッキレです! 見て~♩

粋でお洒落なミシェル・ルグランの楽曲、本作でたくさん聴けますよ~。

ストーリーのこと。

ストーリーに関しては

ひとつ難を言えば、ストーリーの退屈さでしょうか。観終わるのに要忍耐。

なんて、感想ツイートに書いていますね、わたし。笑

でも『シェルブールの雨傘』のドラマチックで切ない感じが苦手な方は、本作の方が軽やかで明るいストーリーなので、最初に観るジャック・ドゥミ作品としてはおすすめかも。

登場人物たちが、何も知らずに街角ですれ違ったり、再会したり―― 意外な人物同士がカップルになったりするので、その “運命の糸のもつれ加減” が面白みでもあります。

・・・

本作の美しい色彩お洒落な世界観粋な音楽に酔いしれてみてはいかがでしょうか?

 

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