宇宙人ポール
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
2011年のイギリス/アメリカ映画。SFオタクのイギリス青年二人組が、憧れのコミコンを目指してアメリカを訪れ、念願のSF聖地巡礼を楽しんでいた。旅の途中「ポール」と名乗る本物の宇宙人と遭遇。ポールを故郷の星へ帰してあげようと奮闘する二人の様子を描いたSFコメディ作品です。 原題 "Paul"。
主演は、『ショーン・オブ・ザ・デッド』、『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』でもコンビを組んだサイモン・ペッグとニック・フロスト。宇宙人ポールの声に『グリーン・ホーネット』のセス・ローゲン。
共演に、ジェイソン・ベイトマン、クリステン・ウィグ、ビル・ヘイダー、ブライス・ダナー、ジョン・キャロル・リンチ、ジェーン・リンチ、ジェシー・プレモンス、シガニー・ウィーバー、ほか。
監督は、グレッグ・モットーラ。
ペッグ&フロストのコンビ、大好き!
本作の主演を務めるサイモン・ペッグとニック・フロスト。なんと、脚本も彼ら二人が手掛けています。
後述しますが、彼らのオタクっぷりがサイコーで! もう、笑いに笑いましたよー。彼らの映画を観るのは本作がはじめてだったわたしは、
「なに!? この面白い人たち!!」
と大ウケ。以来、あれこれ作品をチェックしています。
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『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(2007年)も面白かったなぁ。
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『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)も好き。
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サイモン・ペッグといえば、『スター・トレック』シリーズ(キャストを刷新した2009年以降~)のエンジニア「スコッティ」役や――
『ミッション:インポッシブル』シリーズのイーサン・ハントの仲間「ベンジー」役など、ハリウッドの人気作でも活躍していますよね。
これらの作品も含め、彼が演じる役どころに共通しているのは、「特定の分野のエキスパート」であることと、どこかトボケた雰囲気の飄々としたキャラでありながらも「いざという時はアツい」頼もしさを持ち合わせているところでしょうか。
SFファンなら大笑いするオタクっぷりが最高!
さて、このサイモン・ペッグ&ニック・フロストのコンビが本作で演じるイギリス青年二人組は、かなりのSFオタク。そもそもコミコン(*)に行きたくて、はるばる英国からアメリカまでやって来るところからして、なかなか重度の(笑)SFマニアかと。
彼らの仕事も、クライヴはSF小説家、グレアムはその小説に挿絵を描くイラストレーター。
子どもの頃からの親友同士で、ディープなSF仲間でもある二人。憧れのコミコンを目指し、キャンピングカーに乗ってアメリカを旅します。道中、「エリア51」など、SF好きにはたまらない聖地を巡ったりして、ウキウキのワクワクです。
この二人の様子がほんとに可愛い♩笑
そうだよね。そんなに好きだったら、長年の夢が叶ったら、そうなるよね。超ハッピーだよね。うんうん。めちゃ幸せそう!
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他にも、クライヴがクリンゴン語(*)を話せたり、『未知との遭遇』で有名な「デビルズタワー」が登場したり、『エイリアン』シリーズのシガニー・ウィーバーまで出演していたり―― わたし自身もSF好きなので、散りばめられた小ネタに大いに笑いました。
ちなみに、クリンゴン語とはこんな感じ。笑
実は今回、上記の動画を探すために YouTube で "klingon language" と検索してみたら、ギークの人向けに(本気で)「クリンゴン語を習得しよう!」的な動画がたくさん出てきて、それにもちょっと笑いました。
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それから、英国が大好きでイギリスの映画をいろいろ観ているわたしとしては、本作を観た時、こんなふうにも感じました。
ハリウッド俳優に代表されるような外見の端正さや華やかさも素敵だけれど、英国の俳優さんが演じる “人間的な味” って、なんだか独特の良さがあるよなぁ――なんて、常々思っています。
意外に深いテーマが……
ところで本作では、主人公コンビのグレアム&クライヴが、旅する途中で出会うアメリカの親子がおりまして――
父・モーゼは、家族経営しているRVパーク(キャンピングカー専用の滞在施設)のオーナー。脅威に対してはショットガンを持ち出してぶっ放すような厳格なおじさんなのですが、彼はキリスト教原理主義者で進化論を信じていないなど、中西部で暮らす保守的なアメリカ人のステレオタイプのようなキャラクターなんですよね。
娘・ルースも同様に、父の影響で科学を信じていません。主人公たちが連れているポールのことは、宇宙人ではなく「悪魔」だと思っていた。――というのが作中の笑いどころのひとつでもあります。
――ここで、お気づきになったでしょうか?
宇宙人の名前が「ポール」(Paul)。これは聖書に登場する「聖パウロ」の英語読み。
キリスト教や聖書に馴染みの深い方が本作をご覧になると気づかれるかもしれませんが、作中で起きるある出来事は「目から鱗」の語源にもなった新約聖書のエピソードになぞらえて描かれています。
また、父の名前が「モーゼ」というのも、何か意味があるのかな?……なんて考えてしまいます。
片や「神の子」である、モーゼ&ルース父娘。片や「科学の子」である、宇宙人ポールとSFオタクのグレアム&クライヴ。
ドタバタなコメディでありながら、実は「宗教」と「科学」の対比という深いテーマをシニカルに描いているあたり、脚本のサイモン・ペッグ&ニック・フロストには
おぬし! なかなかやるな?
と、ニヤリとしてしまいますね。
ここにもご注目
最後に、わたしの個人的な注目ポイントをご紹介。やっぱりここでしょう。
グレアムたちが立ち寄るダイナーの女主人に、『glee』の「スー」ことジェーン・リンチ!
・・・
そして、まさかのシガニー・ウィーバー!笑
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