シャレード
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
1963年のアメリカ映画。オードリー・ヘプバーンが富豪の妻を演じ、スキー旅行から自宅に戻ると突然知らされる夫の死、葬儀以来つきまとい、周辺を探りまわる見知らぬの三人の男―― 彼らの正体とは? 夫の死の真相とは?―― パリを舞台に二転三転しながら謎を追う、コミカルなタッチのロマンチック・サスペンス作品です。原題 "Charade"。
出演は、主人公「レジーナ」に『麗しのサブリナ』『ティファニーで朝食を』『マイ・フェア・レディ』のオードリー・ヘプバーン、レジーナが恋心を寄せる相手「ピーター」に『北北西に進路を取れ』のケーリー・グラント。
共演に、『がんばれ!ベアーズ』のウォルター・マッソー、『荒野の七人』『大脱走』のジェームズ・コバーン、『人間の証明』のジョージ・ケネディ、ほか。
監督は、『踊る大紐育』『雨に唄えば』のスタンリー・ドーネン。
タイトル・シークエンスがお洒落!
まずは、本作のタイトル・シークエンスをご覧ください♩
鮮やかな色使いとモダンな幾何学モチーフが印象的ですよね。
いやー、カッコイイなぁ! ハイセンス!♡
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このタイトル・デザインを担当したのは、あのモーリス・ビンダー! 1950~1960年代、数々の映画のタイトル・シークエンスを手掛けた有名なデザイナーです。
『ウエスト・サイド物語』などを手掛けたソール・バスと並ぶ、タイトル・デザイン界2大巨匠のひとり! 学生時代からデザインが好きなわたしは、彼らの作品を観る度に衝撃を受けています。どちらも大好き♡
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モーリス・ビンダーは本作『シャレード』のほか、『007』シリーズのオープニング・タイトル(*)をはじめ、ボンド映画の象徴とも言えるガンバレル・シークエンスを創り出したことで良く知られています。
モーリス・ビンダーがデザインした『007』のタイトルやガンバレルについては、下記の記事で詳しく書いています。ぜひ併せてご覧ください。
ヘンリー・マンシーニの音楽♩
さて、先程ご紹介したタイトル・シークエンスの音楽に、みなさん聞き覚えはありませんか? 一定の年齢以上の方なら、映画音楽のスタンダードとして馴染みがあるのではないかしら。わたしも大好きなアメリカの作曲家、ヘンリー・マンシーニによる楽曲です。
ゆったりしたテンポのヴォーカル Ver. も素敵~♩
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わたしは下の記事に書いたような環境で「映画音楽大全集」を日常的に聴いて育ったせいか、この時代(1960~1970年代)の映画音楽って個人的にすごく好き! 聴いていると……はぁ~♩ なんとも落ち着く……♡ 時を超えてずっと残っている名作映画は、音楽もまた、やっぱり良いんですよね。
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同じくオードリー主演の映画『ティファニーで朝食を』(1961年)。この作中で彼女が歌う『ムーンリバー』は、マンシーニの代表曲。
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それから、マンシーニといえば『ひまわり』(1970年)も良いなぁ~!
この映画のテーマ曲は、甘く、物悲しく、聴いていると胸がキュッと切なくなります。
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そして、マンシーニ作品の中でわたしが最も愛してやまない、大好きな曲が『Lujon』!
わたしの iPhone の Spotifyアプリには、珠玉のお気に入り曲だけ集めたプレイリストがあって、その中にいつも入っています♡
この『Lujon』という曲、調べてもあまり詳しい情報が出てこないのですが、アメリカの TVドラマ『ついてる男』(Mr. Lucky/1960年)のサントラ曲らしいです。
わたしの中では、優雅なバカンスに出かけた南国リゾートのプールサイドで、冷えた飲み物などを片手に聴きたいイメージ♡笑
ジバンシィの衣装に身を包んだオードリーが素敵!
本作のもうひとつの大きな見どころといえば、全編ジバンシィの衣装に身を包み、うっとりするほど洗練されたオードリーの着こなし。
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フランスのハイブランド「ジバンシィ」(GIVENCHY)の創始者であり、ファッション・デザイナーのユベール・ド・ジバンシィと、彼の最も著名な顧客であり親友でもあったオードリー・ヘプバーンの関係はとても有名ですよね。
『麗しのサブリナ』(1954年)以来、オードリーのファッションといえば「ジバンシィ」と言われるほどアイコン的な存在に。
上にご紹介した『シャレード』の衣装。どれを見ても、オードリーの華奢な体つきをとても上手に活かしたデザインになっています。
バレエで培った細くて長い首は、高さのある襟で。細いウエストは、太めのベルトで強調。細い腕は、七分袖と長手袋でエレガントに。肉感の乏しい全身のシルエットは、張りのある素材と立体的な仕立てでカバー。
人がそれぞれに持っている外見的な個性(背が高い/低い、グラマー/華奢、肌が色白/色黒 ……など)は、ファッションにおいては「弱点」と「強み」(=魅力)のどちらにでもなりうる――というのがよくわかります。
オードリーの個性を、完璧なまでにデザインの力で「魅力」に変えてしまう
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ジバンシィ、さすが!
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これが一流デザイナーのセンスと力量なのですね~。
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ジバンシィを纏った美しいオードリーの姿は、こちらでまとめて見られます。
サスペンスで、コメディで、ロマンス。
最後に、本作の内容について。映画のストーリー的には、記憶に残るシーンなど、実はそれほど無かったよなぁ、という印象。
お話の展開が
「おっと! そうなの?」
「あらま! そういうことだったの?」
と二転三転し、わりと捻られた脚本になっています。
主人公の夫が突然殺害され、その真相を追うサスペンスがベース。そこにプラスして、オードリーとケーリー・グラントのロマンスもありつつ、お洒落なテイストのコメディ、といったところでしょうか。
サスペンス、ロマンス、コメディの要素がバランスよく織り込まれていて、気軽に楽しむのに向いている作品だと思います。
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同じスタンリー・ドーネン監督の作品ならば、断然『雨に唄えば』の方を推しますけどね♩(ミュージカル作品が得意なドーネン監督なので)
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わたし個人的には、キャストの中にウォルター・マッソーがいるのがポイント高いです!
わたしの洋画史のルーツとも言える作品、『がんばれ!ベアーズ』(1976年)の「バターメイカー」さん!♡
▼ オードリー・ヘプバーンの関連作品
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