顔を知らない受験生へ
学習参考書を販売している者です。
15日に控えた共通テスト、いよいよ明日になりましたね。
私が受けたときの名前はセンター試験。その前は、共通一次?、だっけか。
私は自分のお客さん、つまり学生であるあなたに、直接関わる機会はありません。けれどもしかしたら、私が販売した教材をあなたは使っていたかもしれない。だから少しだけそわそわしています。そんな14日の朝。
私は、
〜〜をして寝るといいよ!
⬜︎⬜︎をすると逆効果!?
〇〇の暗記法が効く!
……という類のオトナからの助言(だと当人たちだけが思っているもの)に、ハァ? データでも出してみろやどこに根拠あってそんな大口叩いてんねん、と鼻で笑う高校生でした。だから偉そうなことは言いたくないのだけど。
ふと思い出した歌の一節がありました。
それだけ、書きたかった。
過去の出来栄えも全部 今日は無力だから
Goose House の『Pop Up!』という曲です。曲自体は女の子への応援ソングなのだけど、この一節に関しては受験そのものだと感じました。
そう。無力なんです。
これまでの出来栄えなんて。
私は高校当時、これに結構励まされた。
ポイントは「出来栄え」というところ。過去にやってきたことが、無力なわけではない。そりゃそうよ。ンなこと言われたらシャーペンぶち折りたくなるよね。あなたが「やってきたこと」は、十二分、いや十八分くらい信じて胸を張ってほしい。
張る胸がない? 気にすんな、張れ。
ただ、あなたがこれまでにどんな良い点数を取ったとしても、逆に及第点にすら一度も到達しなかったとしても、「出来栄え」は、関係ない。その通りだと思います。最後の模試で志望校の合格最低点を3桁下回った私が言っています。3点じゃない。3桁です。ちなみに私はセンターの点数のおかげで合格しました。
この詞は、浮つきそうな自信を鎮める意味にもなるし、自信の無い中でひとすじの希望を信じる意味にもなります。励ましてんだか嗜めてんだかよくわからないけれど、少し心が落ち着くことばではないでしょうか。試験結果にこれまでの模試の点数が加算されるわけじゃない。過去の出来栄えは、無力です。「そうだよね」と、ひとりでも気を引き締めて前を向けたなら万々歳。
どこの大学へ行くかで人生は変わるけれど、
どこの大学へ行っても人生は終わらないし、
たぶん、志望校へ行けても人生終わるときは終わる。わろた。
私のクラスには、教室の守り神みたいな女の子がいました。
校門が開く時間に登校して、閉まる時間に下校していました。その後、そのまま塾に通っていたそうです。2年の終わりから本人の希望で席はずっと黒板の前。10分休みには文法書。移動教室は単語帳。ウィダーinゼリーを飲みながら昼休みに過去問を解いているような子でした。
その子は落ちました。そんなことが普通に起こる。努力すれば必ず夢は叶うなんて、……うーん、全くの嘘ではないかもしれないけど、真理ではない。
でも、夢が叶った人は、少なからず努力をしていた人だと思います。
落ち着いて、と今書いたのだけれど、そう言われて「はい! 落ち着きました!」ってなれば苦労せんよね。
とりあえず、ハイ、息吸ってーー、止める、ハイ、吐いて〜〜。
スゥーーーーーーーーーーーーーーー、ハァーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
あとはやるだけだ。
正直それしか言えん。
あなたがどれだけ頑張ってきたか、全てわかっているのはあなただけです。
大丈夫。なるようになるよ。
終わったあとにあなた自身が「やりきった」と思えますように。
どこかの販売員は、あなたがフルパワーで闘い抜けるよう、願っています。
がんばれ。
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