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スポーツの力

卓球との出会い

中学生になって変わることと言えば、”部活”ではないだろうか。
私は運動が苦手で、かけっこやマラソンでは大体ドベだったが、スポーツに憧れはあった。”運動部”に入ってみたくて、1番楽そうな卓球部に入部した。
練習場所が狭く、人数が多かったこともあり、何か月も球拾いや素振りばかりで台に入らせてもらえない日々が続いた。
う~ん、これはいかん。と思い、クラブチームに所属することにした。
これが、私の人生のターニングポイントになった。

全然楽じゃないのだが…?

どのスポーツにも、感覚派とそうじゃない派があると思う。
私は後者だった。感覚派は、お手本を見たり大体のニュアンスを聞いたりしただけで、なんだかできてしまう。うらやましい限りだ。(一方で、体に染み込んでないから忘れてしまうという欠点もあるらしいが。)
卓球のセンスがある人、運動神経が良い人を横目に、「下手くそ」「もっと動け」と怒号を飛ばされ続けた。でも神様は私に一つだけ、とても貴重な才能を与えてくれた。
”努力の才能”だ。
部活→車内でおにぎり→クラブチーム→車内で蒸しパン→お風呂→寝る
というハードスケジュールをこなす為に、宿題はいつも学校で終わらせていた。母は、「うちの娘はオリンピックにでも行くのか。」と思っていたらしい。笑
どんなに怒号を飛ばされようが、酸欠で苦しかろうが、スランプに陥ろうが、決して努力をやめなかった。心の底から卓球が大好きだった。

卓球を卒業しました

大学生になり、やりたいことがたくさんあった為、大好きだった卓球をやめた。ラケットを封印し、シューズも捨てた。
2回生になるとスポーツをする機会が激減し、卓球のことなど忘れていた。
充実した大学生活のはずなのに、人間関係や今の環境に悩み、「地元に帰りたい」「何をしてもわくわくしない」と悶々とすることが増えた。

なったことないけど、五月病?病み期…?

とりあえず、友人とたくさん遊んだ。楽しくて心から笑ったが、モヤモヤは消えないまま。

気晴らしにと部屋を片付けていると、もう使わない教科書と一緒に段ボールに封印していたラケットを見つけた。

…もう一回やってみようかな。

やっぱり大好きなんだ

大学に卓球サークルがあることは知っていて、すぐにアポを取って見学に行った。
体育館はガラス張りで、台を準備している姿が見える。
久しぶりにワクワクした。ドキドキした。走り出して、すぐにでも打ちたい。

久しぶりの感覚に興奮冷めやらぬまま、体育館を出た。
ふぅ、と星空を見上げた時、悩みやモヤモヤがどうでもよくなっていることに気付いた。
心が軽く、足取りも軽い。
あれ?スポーツって、汗をかくってこんなに気持ちよかったっけ?

スポーツの力

スポーツをしたからって、悩みやモヤモヤが完全に消えるわけではない。
でも、「じゃあこうしてみよう」とか、「誰かに相談してみよう」とか、前向きに捉えることができるようになる。

最近うまくいかないな。モヤモヤするな。疲れやすいな。という時は、スポーツの力を頼ってみるのもいいかもしれない。




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