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今週の読書録

こんばんは。
今週は小説に食欲が刺激される日々を過ごしていました。
最近は本格的なスパイスカレーを気軽に楽しむことのできるお店が増えて、梅雨時ですが食べ歩き熱が再燃中です。

私のカレーを食べてください

幸村しゅうさんの『私のカレーを食べてください』は、毎回お馴染み「日本おいしい小説大賞」受賞作。
発売日もカレーの日に合わせるというこだわりぶり。
「運命を変えたカレー」とは何ぞや?と気になり手にとってみました。

調理師専門学校に進学したものの、脇目もふらずにカレー一色。
365日カレーを食べ続ける主人公が出会ったのは、胃の不調時も忘れる究極のカレー。
通いつめ、スパイ疑惑にかかりつつバイトをはじめ、卒業後はそのまま社員になってしまうほどの気合の入りよう。

カレー一直線で人の機微に疎い主人公を支える個性的なバイプレイヤーにも注目。
カレーでつまづき、カレーで復活する主人公の頭の中はカレーでいっぱい。
読むとカレーが食べたくなる作品です。


実際にカレーが食べたくなって…

巻末には魅力的なカレーレシピもありましたが、手軽に美味しいカレーをいただくにはお店が一番。
まずは作中でもたびたび登場するようなスパイスカレー。

東急旗の台駅から徒歩3分程度の距離にある「curry but curry(カリバカリー)」さんのあいがけスパイスカレー。
この日はキーマカレーと野菜のカレーの組み合わせでした。
ホールのカルダモンもしっかり入っていて、はじめてスパイスカレーに出会ったときの主人公のように無言で食べ進めてしまいました。
味変できる調味料もあり一口ごとにわくわくします。
奥行きのある味わいに思わずはまりそう。

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続いては、ハンバーグカレーで有名な秋葉原の「牛舎」さん。
外出先に近かったため、ランチタイムの終わりがけに伺うことができてラッキー!
ラストオーダーの滑り込み入店でしたので、撮影する暇も惜しんで黙々と食しました。

最近、「マツコの知らない世界」にも登場したそうで、店内には芸能人の方のサインもたくさん。
ミディアムレアの飲めるハンバーグはもちろん単独でも魅力的ですが、こちらのカレーの味は地元の学校給食に近い風味で懐かしい気持ちになります。

また、最近では自宅用のスパイスカレーキットも充実しています。
今気になっているのはサバとフェンネルのスリランカ風スパイスカレー。
しばらくはカレー日和が続きそうです。

三十の反撃

本屋大賞翻訳小説部門第1位を受賞したことのあるソン・ウォンピョンさんの『三十の反撃』は以前から気になりつつも、いつか読もうと手が伸びなかった作品です。

韓国の日本での就職氷河期世代に相当する主人公と職場で関わる人たちが中心になって、社会悪に一石を投じるストーリー。と聞くと軽快な印象を受けるかもしれないが、正義感よりもままならない現実に日々モヤモヤを抱えているリアルな描写が際立つ。
韓国特有の不動産事情や文化なども注釈付きで紹介されているので、翻訳本ではあるものの、読みやすい仕立てです。
日本のお仕事小説とは異なり、最後に爽快感がある訳ではなく、淡々と過ごす姿にどこの国でも似たようなものかもしれない…と



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