見出し画像

今週の読書録~番外編:本の舞台長崎へ~

今回は読むと長崎に行きたくなる2冊です。
実際に長崎を訪れ、『家康の海』に登場した出島跡地や、『見果てぬ王道』の舞台をほうふつとさせる中華街を散策。

本の舞台長崎へ行ってみた

長崎の出島

オランダ商人の居住地や倉庫が並ぶ出島。
入館料は各種電子マネーも取り扱っていたので、スムーズに入場できました。

出島の商館支配人?の住居跡
和洋折衷のインテリア

日本のパフェ発祥の店なるうたい文句にはひかれつつ、まだ肌寒いのでパフェよりハトシが恋しい。
長崎は昔からの交易の影響か洋菓子のクオリティが高い印象で、オシャレなチョコやスイーツが充実しています。
そういえば文明堂さんも元は長崎が創業の地。
長崎市内では、フレーバーや形状も多様なカステラが競うように並び、ついつい帰りに購入してしまいました。
個食を意識した1カットずつ買えるものもあって、帰りのおやつにもピッタリです。

ランタンフェスティバル

日中のみの滞在でしたので、ライトアップしたところは見ることはできませんでしたが、日中でも雰囲気のあるランタン。

ランタンフェスティバル期間中

この日は、数年ぶりに開催される長崎ランタンフェスティバル期間中とあって、中華街には人がいっぱい。
出島前の会場でも、キッチンカーや屋台が日中から並んでいて賑やかな様子でした。
まだ海外の観光客はさほど多くない時期か時間帯だったようで、のんびり撮影しながら散策もできましたよ。

長崎が登場する二冊

家康の海

植松三十里さんの『家康の海』は、今期の大河ドラマでも主役である徳川家康が登場する作品。
これは後に徳川家康の養女となる韓国出身の貴族令嬢、三浦按針の名で知られるウィリアム・アダムスなど、徳川家康と縁のできるキリスト教徒たちの物語でもある。

植松 三十里さんは『万事、オーライ』で、油屋熊八を描いたときにも感じましたが、目標に向かって奔走する人物の描写が好きです。
ウィリアム・アダムスといえば、大航海時代にオランダから東洋を目指したイギリス人航海士?なぜイギリス人がオランダから?と歴史の授業で不可思議に思った記憶がありますが、本作の中で彼の人生が丁寧に描かれ、日本に帰化しながらも故郷の家族に思いをはせる苦悩も伝わってきました。

八重洲が神田のお山を崩して埋め立てられた土地とは今では想像がつきませんが、当時の江戸や日本を発展させた人物たちの日常を目にするとついつい登場した土地を訪れてみたくなります。

戦国を勝ち抜いた男の卓越した外交戦略が、この国を平和に導いた――。

今川家での苦難の人質時代、太原雪斎から天下国家のあり方、外交論を教わった竹千代。長じてのち、天下分け目の決戦を制した徳川家康が、雪斎の教えを胸に目指したものこそが、諸外国との対等な外交であった。
豊臣秀吉によって途絶えた朝鮮との国交回復、さまざまな思惑をもって来日する西欧諸国との交渉、そしてメキシコへの野心……。
知られざる家康の後半生を、その外交戦略を支えたイギリス人航海士のウィリアム・アダムス、家康の庇護を受けながらもキリスト教徒としての信仰を貫いた朝鮮貴族の娘・おたあの視点を交えて描き切った、感動の歴史ロマン。

Amazon紹介より

見果てぬ王道

川越宗一さんの『見果てぬ王道』も長崎出身の主人公が登場する小説です。
川越さんの前作『海神の子』も面白かったので、手に取った作品です。

今作で登場する人物に関してはこのようなイベントも開催されるくらい長崎では有名な方のようです。

孫文は知っていても、梅屋庄吉という方は初見。
失敗続きの孫文に惚れ込み支え続けた方のようです。

主人公自体が破天荒すぎて、結構難ありなはずの孫文が平凡に見えてくる不思議…
登場する女性たちがいずれも強いのが印象的。
弱気になった男性を支え、時には鉄拳制裁で発破をかける…

400ページというなかなかのボリュームですが、ついつい読み進めてしまう引き込まれる内容でした。

長崎の貿易商・梅屋商店の跡継ぎとして育った庄吉は、香港で写真館を経営する。
そこで出会ったのが、清朝を打倒し、西洋の武力支配からの自立を目指す若き孫文だった。
西洋列強による東洋の侵略に理不尽を感じていた庄吉は、孫文の情熱を知り、革命を支援することを約束する。庄吉はやがて、日活の前身となるMパテー商会を創立。黎明期の映画事業は大成功を収め、その資金で革命を支援し続ける。

実業家・梅屋庄吉の熱き生涯を描く!

Amazon紹介より


この記事が参加している募集

読書感想文

歴史小説が好き

サポートして頂けると嬉しいです。あなたの応援が励みになります♪