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今週の読書録(2023.10.25)

朝夕が涼しく過ごしやすくなり、バスタイムの読書もはかどります。
今週は、実用書、小説まで幅広いジャンルの4冊を読了。


百年の子

古内一絵さんの『百年の子』は、最近手に取った中でも特に印象深い一冊です。
小説丸の紹介を見て興味を惹かれました。

女性の参選権は戦後から。
戦時中に男性不足がきっかけで、女性や子どもたちが変わって多様な仕事をしていた時代。
戦時中とコロナ禍という非常事態の日常を過ごす若き日の祖母と孫。
折しも二人は偶然同じ出版社で働くことになる。

時代の常識や仕事内容、思うままにならないことは多くあれど、仕事に向き合う二人が交互に描かれます。

これまでの出版社勤務に焦点をあてたお仕事小説とは異なる、朝ドラや二時間スペシャルドラマになりそうな作品。
仕事選びや働き方を自由に選べる時代。
選べるからこその悩みや葛藤もありますが、この本を読むことで明日も頑張ろうと思えるかもしれません。

昭和~令和へ壮大なスケールで描く人間賛歌

人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権の歴史は、まだ百年に満たない。
舞台は、令和と昭和の、とある出版社。コロナ蔓延の社会で、世の中も閉塞感と暗いムードの中、意に沿わない異動でやる気をなくしている明日花(28歳)。そんな折、自分の会社文林館が出版する児童向けの学年誌100年の歴史を調べるうちに、今は認知症になっている祖母が、戦中、学年誌の編集に関わっていたことを知る。
世界に例を見ない学年別学年誌百年の歴史は、子ども文化史を映す鏡でもあった。
なぜ祖母は、これまでこのことを自分に話してくれなかったのか。その秘密を紐解くうちに、明日花は、子どもの人権、文化、心と真剣に対峙し格闘する、先人たちの姿を発見してゆくことになる。
子どもの人権を真剣に考える大人たちの軌跡を縦糸に、母親と子どもの絆を横糸に、物語は様々な思いを織り込んで、この先の未来への切なる願いを映し出す。
戦争、抗争、虐待……。繰り返される悪しき循環に風穴をあけるため、今、私たちになにができるのか。

いまの時代にこそ読むべき、壮大な人間賛歌です。

Amazon紹介より

前の家族

一言でいえば、世にも奇妙な物語でありそうなお話。
思い立って購入したマンション、マンションを売却して新居に引っ越す元住人。
ご近所の住人も関わって、奇妙な関係がはじまります。

世にも奇妙な物語等がお好きな方であれば、おおよそ結末は予測できるはず。
不可思議な前の家族との関わりの結末とは…。

迷わない新NISA投資術

来年から変わるNISA制度を理解したいと思い手に取った一冊。
Webでも多数の情報があふれていますが、お金に関することはやはり紙の本もしっかり読みたい。
『日経マネーと正直FPが考え抜いた! 迷わない新NISA投資術』は、入門者にも現在NISA枠内で投資信託を行っているくらいのレベル感の方にも分かりやすい内容ではないでしょうか。

概要は日経BOOKプラスでも紹介されています。

先月あたりからオールカントリー系の銘柄は下落傾向にありますが、読んでいるとバタバタせずに今が積み増しのチャンス!と思いました。
来年から変わる制度の概要を頭に入れて長期的な計画で運用予定です。

新NISAと記載されていても、永久化が決まる前の制度内容が紹介されていることも多いので、見極めは要注意。
こちらは実際に来年から変わる制度に対応した正統派の内容なので、これからNISAのお勉強をする方や情報をアップデートしたい方にはおすすめです。

姜維

三国志の有名どころが少しずつ登場する作品。
メディア化が続いているパリピ公明の中で取り扱われるエピソードも出てくるので、歴史ファンもアニメドラマのファンにも楽しむるかもしれません。

文武両道の姜維は、魏から蜀へ移った人物。
舞台は曹操の全盛期から三国志の終盤の時代。
同じ著者の『趙雲伝』等に比べると戦闘の描写は少なく、官吏としての有能さが印象に残りました。

戦国時代や幕末のような躍動感あふれる歴史小説がお好きな方よりも、総論としての本を好む方向けかもしれません。

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春賀
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