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私が、小説を書いた理由

こんにちは。
私は、30代女性、元教員です。
私が、小説『恋しい彼の忘れ方』を書いたキッカケは、"第8話 純真" で登場する、海東くん(仮名)との再会です。
(※この第8話については実話ベースです。
 ⚠ネタバレ注意⚠)

私は、教員時代、「生徒をコントロールしようとする指導」「部活動での価値観の押し付け」など、生徒のやる気を搾取するような関わりをしていました。
そんな教員生活5年目に、私のお腹に新たな命が宿りました。

育休に入り、必然の余白の中で、子育てをする日々が始まりました。
そこで、"教育のプロ"と呼ばれる教員である自分が、我が子1人を育てるのも上手く行かないという事実を突きつけられました。
思い返せば、生徒たちには押し付けの教育しかできなかった、私なんかが担任なんてやっていたせいで、あの子達は傷つき、あの子達を伸ばせなかった、そんなダークな想いが次々と溢れてきました。

私にとって、教員生活は、『暗黒期』としかいいようのない日々だ──。
毎日、毎日、教員生活を思い返す度、「自分はダメだ」と自己否定、自己卑下、自己憐憫を繰り返しました。
私の教員としての記憶は、薄暗い灰色のフィルムに収められることとなりました。

そんな中、初めて、教え子と再会する機会が与えられました。
それが、"第8話 純真" で登場する、海東くん(仮名)との再会です。

当時、彼は15歳。私は22歳でした。
理科教員としてある中学校に配属された私は、その土地にも馴染みがなく、教科指導の経験もなく、人脈もなく、右往左往しながらの日々をスタートさせました。

そんな折、私に懐いてくれたのが、彼、海東くんでした。
釣りが趣味で、夏休みの理科研究では、魚の解剖を行い、とても丁寧にまとめるような博学な生徒でした。
素直で純朴な彼に、理科室の清掃や水槽の管理を手伝ってもらいながら、他愛もない会話を楽しんでいました。

そんな彼が、約10年の時を経て、26歳の素敵な青年となって私の前に再び現れてくれたのです。

そこで受けた告白が、
「先生は、あの頃の初恋みたいな人でした」
という言葉──。

私にとってのダークな暗黒期が、正しく黄金色に書き換わった瞬間でした。
あの当時、こんなに純粋な想いが、「私」に向けられていたなんて──。
思いがけない衝撃を受けました。


私は、幼少期から、「喜び」「楽しさ」を感じるよりも、「つらさ」「悲しさ」「怒り」を感じる感度が高く、思い出として蘇る"楽しかった記憶"があまりありませんでした。
人から言われた「酷い言葉・態度」「傷ついた記憶」を、何度も何度も、岩に深く刻み込むように、脳内でリフレインさせ、握り締めて生きてきました。
幼少期の写真は、他の兄弟は笑っていても、私だけがほとんど無表情で。自分で、自分のことを"暗い"と思っていました。

昔から、
「私は愛されていない」「私はダメなんだ」
そう思い込んで生きてきた約30年。




それが、彼の語る思い出の数々によって、
「私には、温かな眼差しが手向けられていたんだ」
「私は愛されていたんだ」

と実感するに至りました。

──彼と別れたあとも、泣き続けました。
安堵と、懺悔と、後悔、愛おしさ……。
様々な感情が私の中から溢れ出しました。

そして、このような思いが噴き出てきました。

「私は、もう既に、多くの人から、たくさんの愛を与えられていたのではないか。」

「私は、大きな取りこぼしをしてきたのではないか。」

「私は、多くの人の愛を受け取って来なかったのではないか。」

「私の生きてきた世界は、温かく、美しい世界だったのではないか。」

そう、私は、「私は愛されていない」「私はダメなんだ」という世界を、私自身が創り上げていたことに気が付きました。

海東くんがもたらしてくれた、この出来事と気づきは、オセロで敷き詰められていた黒が、パンパンパンッと全て白へ転化したくらいの衝撃で、私の見ていた世界を180度変えてしまいました。

よく、"過去は変えられない"といいますが、
例え「事実は変わらない」としても、「過去の捉えが変わった」「私の中の真実が、確実に変わった」感覚を得ることができたのです。

そこで私は、
本当は、愛に満ち溢れている、
この温かな世界を表現したい、
人の心の美しさを表現したい!

自分を「駄目」だと思っている、
自分を責めてしまう、"清き人"へ届けたい!

と思い立ち、小説を書くに至りました。


この小説を書くに当たって、私が今まで出会ってきた温かな人々の言葉を散りばめながら、
「親から子への愛」
「子から親への愛」
「夫婦の愛」
「友の愛」
「師弟の愛」
「仕事仲間の愛」
「自分への愛」
「存在の愛」
「与える愛」……
様々な人の"愛の形"に気が付いていく主人公の変容を、存分に表現したつもりです。

何しろ処女作であり、稚拙ではありますが、読者の皆様には、楽しみながら、ご自分の人生を振り返るキッカケにしていただけたら、幸いです。


それでは、本編をご覧ください🌸
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※また、この作品に出てくる方々について、それぞれモデルがいらっしゃいます。
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新しいでしょ?(笑)

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