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北陸新幹線米原ルートを再考する〜東海道新幹線とあわせて〜

はじめに 2024年3月、北陸新幹線のうち金沢〜敦賀間が開通した。これによって、同新幹線の開業区間は、残すところ敦賀〜新大阪のみになった。ただ、残る区間の前途は暗い。現状、福井県小浜と京都を経由し、京阪都市圏は大深度地下で乗り切ろうとする、小浜京都ルートでの建設が推進されている。だが、このルートについては以下のような問題が提起されている。 丹波高地における環境破壊 京都市街での遺跡の出土、ならびにそれに伴う建設費の増大 京都市の財政がより一層悪化する懸念 伏見の地下

    • 京大吉田寮「ヒッチレース」参戦記

      はじめに 京都大学では大きな祭りが年に3回もある.学祭・熊野寮祭・吉田寮祭である.学祭はほかの大学同様文化系サークルの展示,体育会などによる屋台が立ち並び,そしてライブの熱狂が熱くステージを包んでいる.しかし,この大学の寮祭はおそらく日本でも有数の大掛かりな企画を有しているという点で一線を画す.「鴨川でいかだ下りをする」「山の上でマージャン大会」くらいならまだ可愛いものであり,過去には熊野寮で「時計台に登って占拠する」こともあった.しかし,現在でも行われる企画は量はおろか大学

      • 北陸新幹線新潟・仙台方面延伸案

        はじめに 北陸新幹線を巡っては、京都・大阪方面のルートに関して問題が噴出している。小浜・京都ルートでは京都市街の区間で遺跡が発掘されることが予想されるなど、工期・工費を増大させる要素が多いため、ついに米原ルートへの回帰を求める動きも出てきた。これについては、以下のリンク先のように私見を提示し、北陸方面から名古屋圏と京阪神圏の双方へ直通でき、東海道新幹線との輻輳を起こさないようなルートとしている。  その一方で、新潟県では次のような鉄道に関する問題がある。 上越妙高〜長岡

        • ローカル線紀行#06 三陸本線(下) 釜石〜石巻

          釜石  汽車は釜石駅に到着した.駅を出て市街地へ向かう道中,早々に製鉄所が現れるのが印象的である.川を渡るときには,三陸鉄道の堂々たる橋梁を潜るようになっている.そして,その先には低層の個人店舗や住宅のずらずら並ぶ市街地がある.  それでも,一角だけガラスの広場があって唐突だ.夜でもイオンに向かって車が流れる.イオンそして,制服の高校生がオープンスペースに腰を掛けて何か食べながらだべっている. 「南リアス線」  汽車は釜石駅を再び発った.断崖絶壁のリアス海岸の付け根を

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          学生時代に行くべき場所の類型化

          はじめに  「おすすめの旅先を教えて」という質問は,私に聞かれる質問の中でも上位に位置するものである.この質問に対する回答は,当然相手が誰であるかによって変化するだろう.千葉県の例のテーマパークかもしれないし,北海道の絶景スポットかもしれない.何人かの仲が良い友人,あるいは恋人同士で行けば思い出になるのは間違いないだろうし,そうでなくとも「映え」という感覚により満悦する人も多かろう.  ただ,学生の間に行っておくべき場所というのは,必ずしもそうではないと思う.学生の特権は

          学生時代に行くべき場所の類型化

          ローカル線紀行#05 八木新宮線 

          大和八木駅~五條BC  中世から続く本願寺の寺内町が現代でも白壁や街割りを残している.名家・商家の重厚な家々.微妙に直線的に進めない四辻.溶け込むように木枠で覆われた自販機.町を囲繞する環濠.300年も続いた自治都市としての栄華が今なお息づいている.  今井町を後にして15分ほど歩くと突如として建築が高層になった.近鉄一のジャンクション,大和八木だ.名古屋・伊勢志摩・京都・大阪・吉野方面からの旅客がここで落ち合い,ほとんどの特急列車も停車してドアを開く.駅ナカの商店を一瞥

          ローカル線紀行#05 八木新宮線 

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          北陸本線・最後の1か月

          北陸本線・最後の1か月

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          学生時代に行っておくべき旅先としては、以下の類型があると思われる。 1 離島・へき地など、行きにくい場所 2 歴史の舞台となった場所 3 被災地や戦跡など、何かを考えられる場所

          学生時代に行っておくべき旅先としては、以下の類型があると思われる。 1 離島・へき地など、行きにくい場所 2 歴史の舞台となった場所 3 被災地や戦跡など、何かを考えられる場所

          ローカル線紀行#04 鶴見線

          鶴見~海芝浦  日本中にローカル線は山ほどある。ローカル線に対して、多くの人は山峡や渓谷、大海原を見られる、といったイメージがあるだろう。だが、「都会のローカル線」というのもあり、都会を走っていながらにして。小旅行気分になる路線だってある。  鶴見線もそのうちの一つである。京浜東北線の鶴見駅を起点に臨海工業地帯に向かい、終着駅が3つもあるユニークな路線だ。しかも、終着駅だけでなくそれぞれの駅自体も興味深いし、駅名も企業の創設者にちなんだものとなっているところが多いことな

          ローカル線紀行#04 鶴見線

          京大熊野寮「エクストリーム帰寮」参戦記

          ※この記事は,エクストリーム帰寮アドベントカレンダー2023の25日目の記事です.(※遅刻してすみません) ファミマと連帯名古屋から高速バスと京阪電車を乗り継ぎ2時間半,神宮丸太町駅に降り立った.東に数分歩くと,突如としてタテカンがにょきにょきと生えている壁がそそり立っていた.そして,庭にこたつを出してスクリーン上に移された映画を鑑賞する人,友人と談笑する人を見かけた.京大熊野寮である. 寮内に入ると奥からなにやらにぎやかな声がした.折田先生像(過去作)の脇を進み食堂に入

          京大熊野寮「エクストリーム帰寮」参戦記

          ローカル線紀行#03 「三陸本線」(上)(八戸~釜石)

          はじめに三陸本線とは 三陸本線とは,仙台駅から八戸駅までを結ぶ鉄道路線の総称で,私が命名したものである.具体的には以下の路線を指す. 仙石東北ライン(仙台~石巻・女川) 石巻線(前谷地~石巻・女川) 気仙沼線(前谷地~気仙沼) 大船渡線(気仙沼~盛) 三陸鉄道(盛~久慈) 八戸線(久慈~八戸) なぜこの概念なのか 三陸海岸に向かう鉄道路線は,内陸部(東北本線)と連絡するものと,海岸沿いに走っていくものとがある.前者には以下のように独立した線名がある. 石

          ローカル線紀行#03 「三陸本線」(上)(八戸~釜石)

          都道府県再編案。経済や文化のつながりを重視し、県境地域特有の不利益がなるべく小さくなるようにしている。とくに県境を越えたつながりが多い西日本では、現状から大きく区割りを変えている箇所がある。

          都道府県再編案。経済や文化のつながりを重視し、県境地域特有の不利益がなるべく小さくなるようにしている。とくに県境を越えたつながりが多い西日本では、現状から大きく区割りを変えている箇所がある。

          新・遠野物語

          はじめに 花巻駅で東北本線500kmポストを見つけてから汽車に揺られて,東北本線を左に見送った.花巻の市街を抜け,重厚なコンクリートの高架線と交わるとスーツ姿のビジネスマンが乗車してきた.ここから1時間半ほどかけて,猿ヶ石川に育まれた朴訥な農村地帯を抜け,大きな街にやってきた. 駅を出ると,石垣に囲まれた池の中から河童が出迎えてくれた.ポストにも河童が乗っていた.ここは遠野である. 遠野は民俗学の聖地である.偉大な民俗学者・柳田国男が3度にわたってこの街出身の作家・佐

          新・遠野物語

          「最後の黒部ルート見学会」参加記

          はじめに「立山黒部アルペンルート」といえば、富山と長野を立山・黒部ダムを通って結ぶ一種の観光ルートとして知られている。これらはもともと黒部ダムの建設資材を運ぶためのルートとして整備されたものであるが、黒部ダムの完成後、あらためて観光ルートとして一般開放されたものである。  しかし、黒部ダムの建設ルートというのはもう一つあり、これが「黒部ルート」と言われているものである。こちらはあくまで建設・保守用の小さな規格で建設されたため、観光ルートとして大々的に公開されず、長年「見学会

          「最後の黒部ルート見学会」参加記

          夜行列車復活案03「サンライズくろしお・こうのとり」

          はじめに 私は,従来は直通で行けなかった地域へ直通で行けるようにすることで,大都市圏と地方都市の交流を深めるような寝台特急列車を新たに整備するべきである,という立場に立っている.この立場から,上記のように,大阪~新潟,東京~東紀州・飛騨の寝台特急が新たにできればと考えている.これらの列車の設定案の骨子は以下のとおりである. 3大都市圏と地方都市,あるいは3大都市圏同士を結ぶこと. 現在,都市間の移動に新幹線と在来線特急を乗り継がなければならないこと. 飛行機との競争で

          夜行列車復活案03「サンライズくろしお・こうのとり」

          夜行列車復活案02 「サンライズひだ・南紀」

          目的 前回、上記のような記事を投稿したところ、思わぬ反響があった。そこで今回は、JR東海のエリアを主体とする寝台特急を設定し、首都圏と飛騨・東紀州・南紀の各エリアを連絡することを図りたい。 時刻表下り 東京010→横浜035→小田原110→豊橋510→刈谷540→名古屋600→桑名625→四日市640→鈴鹿650→津705→松阪720→多気730→三瀬谷755→紀伊長島825→尾鷲850→熊野市920→新宮940 名古屋600/605→岐阜620→美濃太田640→下呂7

          夜行列車復活案02 「サンライズひだ・南紀」