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学生時代に行くべき場所の類型化
はじめに
「おすすめの旅先を教えて」という質問は,私に聞かれる質問の中でも上位に位置するものである.この質問に対する回答は,当然相手が誰であるかによって変化するだろう.千葉県の例のテーマパークかもしれないし,北海道の絶景スポットかもしれない.何人かの仲が良い友人,あるいは恋人同士で行けば思い出になるのは間違いないだろうし,そうでなくとも「映え」という感覚により満悦する人も多かろう.
ただ,学生の間に行っておくべき場所というのは,必ずしもそうではないと思う.学生の特権は,時間がたっぷりとあることといえる.となると,その権利を存分に活用する必要があろう.そうすることで,「時間を存分に書けないと見られない何か」を人生の糧とできるのである.
以下では,その具体例を示す.そして,各項目について理由を示す.
離島・へき地
戦跡・被災地
開発途上国
離島・へき地
離島やへき地へのアクセスにはどうやっても時間を要する.日に数本しかないバス・船に乗らなければならないことが多いし,所によってはデマンドバスしかないようなのもある.「日に数本」というのもまだマシな水準で,毎日は運行がない場合もある.
このような場所へ旅しようとすると,どうしても日程が長くなりがちだ.たとえば青ヶ島に行くのには八丈島での前泊後泊を含め3泊4日を要し,小笠原諸島ともなると最低5泊6日だ.これらは極端な例であるが,離島や半島,山間部を訪ねるにはどうしてもまとまった時間が必要である.
戦跡・被災地
戦争や災害について考えるのは,ごく短時間だけ訪問して消費する方法では当然不可能である.長時間をかけその土地に身を置くことでしか得られないものがある.
三陸海岸を例にとると,延々と「海岸部には更地に高い防波堤,山側には山を切り開いた団地や在来の集落」という構図を目にすることとなる.そして,駅から出れば,各都市で復興の在り方が何もかも違うのを目にすることとなる.たとえば宮城県女川では,山手に住宅地を建設し,海側には防波堤と商店街とを配置した.岩手県陸前高田ではかつての街の跡の上に高く盛り土をし,中心部に大型商業施設や広場を集約した.これらの景観を目の当たりにしないと到底味わえない感情がそこにはあるのだ.
もちろん,東日本大震災以外にも,たとえば原爆関連(広島・長崎)や特攻隊関連(知覧・鹿屋ほか)も該当するのは言うまでもないことだ.
開発途上国
日本人に人気の海外旅行先といえば,韓国や台湾,東南アジアの国々が目立つ.これらの国々は,日本から近く食文化が発達していること,観光地やリゾート地を擁すること,などの観点で共通している.ただ,ここでいう「開発途上国」というのはそうではない.未舗装の道や板に穴の開いただけのトイレは当たり前,買い物ができるのはバザールだけ,ぼったくりや物乞いも普通に見かける,といった国の話である.
こういった国の慣習や文化というのは,到底日本列島では考えられないようなものもたくさんある.そういったものに自らを位置付けつつも,その中で地理や歴史といった背景を思索し止揚せしめることが,旅する上で必須となる.
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