マスクは売り切れでも、僕たちには鼻うがいがある。無痛で簡単、コロナにもインフルエンザにも、最高の予防法である鼻うがいのしかたを手取り足取り教える
実はシンプルな鼻うがいのやりかた
細かい話は後回し、まずは鼻うがいの方法から。
●用意するもの
・鼻洗浄ボトル(サイナスリンスキット)
・サッシェ(ボトルに付属の塩)1包
・ミネラルウォーター
基本的にこれだけでいい。いきなり固有の商品を挙げた理由は後述するが、簡単で失敗しにくく短時間でできる「最適解」だからだ。
(身の回りのものでも代用は出来るし、上記の物じゃないとできないという意味ではない)
●やりかた
↓使い方の説明動画(1分ほど)(YouTubeから)
①マグカップにミネラルウォーターか浄水を240CC注いで、レンジで人肌(35度前後)に温める。(500Wだと40秒くらい)
②付属の塩(サッシェ)をボトルに入れる
③温めた水を入れる。小さめのろうと(注ぎ口が5㎜程)があると入れやすい。
キャップを閉めて注水口を押さえ、軽く振って混ぜる。
④軽く下を向いて片鼻に注水口を押し当て、「エーー」と声を出しながら10秒ほどかけてゆっくりボトルを握って注水。(※YouTubeでは言及してないが、声を出しながらやることでより安全にできる。これは耳鼻科医から習った)
鼻の奥に水が入り、反対側の鼻や口から出て行く。
最初は怖いが、痛みはない。
鼻からボトルを離す。
水が残り半分くらいに。
鼻から水が流れ落ちる。
もう片方の鼻も同様に注水する。
⑤ あとは10分ほど強く鼻を噛まないで過ごす。鼻から水が抜けきったら終わり。
以上。
やることはとてもシンプルだ。
人肌温度の生理食塩水を作って、ボトルで鼻に注水するだけ。
一日1〜3回。(やりすぎは逆効果)
最適なタイミングは、仕事から帰ってすぐ。
慣れれば準備から洗って片づけるまで5分もかからない。
1週間も続ければ歯磨きや洗顔と同様の習慣になる。
鼻うがいは手洗いや通常のうがいと同列に考えるべき、生活の上で欠かせない病気の予防手段だ
鼻うがいをやっていることは、よく言われる手洗いうがいマスクを徹底するよりも何倍も心強い。
ところが世間ではその存在は知られていても実践する人は極端に少ない。
痛そう。怖そう。危なそう。ネガティブなイメージばかりで、恐ろしくハードルが高いからだ。
鼻から水が入るのはけっこうな苦痛だと誰でも知っている。
子どもの頃、プールの水が鼻から入って悶絶した経験のない人はいないだろう。
あんな思いをすれば、鼻うがいなどという恐ろしげな名前の行為を拒絶するのは当然だ。
しかしそれは完全に無知からくる恐怖だ。正しいやり方を知らないからだ。
確かに鼻うがいはやり方を間違えると苦痛だし危険も伴う。
だがしかるべき器具で適切にやれば(専用器具・生理食塩水・ぬるま湯の3要素さえあれば)簡単にできて、まったく痛みはないし、危険も限りなくゼロに近い。
それらを補って有り余る数多の恩恵がある。うまい話なのに落とし穴が無い、ローコストハイリターンな手段である。
そして一度覚えれば、一生役立つ財産になる。
鼻うがいの何がそんなに良いのか?
上咽頭と呼ばれる通常のうがいでは洗えない部分を確実に洗うことができるからである。
上咽頭は体内のウイルス防衛戦における前線と言われ、ここにウイルスが留まり増殖すると、感染→症状の発症段階へ進んでいく。
その防衛の要となる部分を直接洗い流すことで、効果的にウイルスや細菌、埃などの異物を体外に排出でき、増殖を抑えることができる。
水際で侵攻を食い止めることができる。
それにより風邪やインフルエンザなどの感染症予防から、花粉症、ハウスダストやアレルギー性の鼻炎、鼻づまりなど、鼻のあらゆる症状、咽頭炎や後鼻漏などの改善に優れた効果を発揮する。
頭が冴える、精神的なリフレッシュ効果もある。
僕は鼻うがいを始めて半年だが、この冬風邪やインフルエンザウイルスの蔓延する環境下で、毎日感染者と一日中同じ空間で過ごすいわゆる濃厚接触状態だったけど、一度も倒れることなく春を迎えた。
もちろんそれには色々な要因もあるだろうが、仕事終わりに「なんか危ない、風邪っぽい、ヤバいかも」と感染の気配を身体に感じたとき、帰宅直後の鼻うがいで幾度も難を逃れたという感覚が確かにある。
どうか、一人でも多くの人に鼻うがいを試してほしい。お勧めのキットでやるには初期投資として1000円ほどは必要だが、それ以上の見返りを約束する。
そして効果を実感した人はぜひとも他の人に伝えてほしい。
鼻うがいがコロナ発症を食い止める大きな一手になればいいと思う。
補足と注意点
▲鼻呼吸が全くできないほどに鼻詰まりがひどいときはやらないこと。
水の通り道が塞がれてるときは、水が耳のほうにいきやすかったり、抜けが悪くなる。
ただ多少の詰まりならば、鼻の通りが良くなって詰まりが改善されるのでやるといい。
▲鼻うがいが終わった後は、10分〜15分くらいは鼻を強く噛まないこと
これは徹底したほうがいい。
中に残った水が耳の方に流れてしまい、中耳炎になる可能性があるからだ。
鼻の奥に残った水が少しずつ染み出てくるが、ティッシュで拭うだけにしておく。これは鼻血のようにずっとダラダラ流れ出てくるわけじゃないので、それほど困らないと思う。
あとこれは個人差があると思うが、僕はこの10〜15分の間は食べたり飲んだりもしないようにしている。ものを飲み込む動作でやはり耳のほうに水がいってしまう感覚があり、水が完全に抜けるのが遅くなったり、風邪のときみたく耳の感覚がおかしくなったりするからだ。
もっともこれは僕のように痩せ型で、耳管開放症の人だけな気がする。
うちの家族は終わった直後から普通に食事したりしてるし。
とにかくしばらくの間鼻を強く噛まないことだけを守れば、他はまず問題ない。
ちなみにこれらの方法や注意点は僕の我流ではなく、耳鼻科医からもらった鼻うがいのマニュアルに書いてあることだ。
僕がチョイスした物について
上述したように特別な器具がなくても鼻うがい自体はできる。洗面器に顔つけてやる昔からの方法とか。
ただ難しいし必要以上の生理食塩水を作るのは無駄なので、やはりこの専用のボトルを買うことを強くお勧めする。
選ぶ基準は小さく・1回分の洗浄に充分な量が作れること。使いやすく・洗いやすく・シンプルな構造であること。比較的安価であること。
条件をすべて満たすのがこれだった。
他の製品を挙げることもできたけど、試す側にとって迷いはハードルを上げるし、手間が多いほど億劫になる。
騙されたと思ってひとまずサイナスリンスを試してみてほしい。
ちなみに大きめのドラッグストアにも置いているようだが、どこの店にもあるわけじゃないので、ネットで買うのが確実。リンクを貼ってポチれるようにしてある。
買いに出かける手間も省くためネットで買えるようにリンクを貼っているけど、べつにメーカーからお金を貰ったり、広告収入を得たりとかはしてないです。念のため。
というかコロナに乗じて稼ぐようなことはしたくない。
ただ一人でも多くの人に実践してほしいだけ。
鼻うがいを続けるのにあると便利なもの
●伯方の塩
サイナスリンスにはサッシェという食塩の分包がついてて、それを溶かせば即座に1回分の生理食塩水になる。スターターキッドには10包入ってる。一番楽だがすぐになくなるし、これを別売で買うとそこそこ高い。
どうしても手間をかけたくない人は使えばいいと思うが、塩と計量スプーンがあれば簡単に同じものが作れる。
精製塩でもいいが、ミネラル分を多く含む自然塩のほうが好ましい。
たいていのスーパーで買えて、価格ピンキリの自然塩の中では安く、コスパがいいという理由で伯方の塩を勧める。
●計量スプーン
2.5g(小さじ2分の1)のスプーンがピッタリ使える。100均で買える。
サイナスリンスのボトルで1回に必要な塩の量が約2,25gだが、多少誤差があっても問題ない。
感覚的にどちらかといえば少し多めの方がいいので、2,5グラムのスプーンすり切り一杯が1番わかりやすく簡単に計量できる。
↑こちらも合わせて100均で買うと便利。使うのは注ぎ口直径5ミリ前後の漏斗
●ミネラルウォーターor浄水
(↑銘柄はなんでもいい。スーパーで2㍑のものを買えば、1回20円ほどの計算だ)
鼻うがいで一番やってはいけないこと、それが真水でやることだ。
プールで鼻に水が入って悶絶するのは含まれる塩素と、人間の体液の濃度とかけ離れた液体が鼻の粘膜を刺激するからだ。
かならず生理食塩水(濃度約0,9%の食塩水)ですること。
この鉄則を知らず闇雲に鼻から水道水を吸い込んで、結果二度とやらなくなる人がけっこういる。
ただ生理食塩水にしても、元が水道水だと微量の塩素がある。
鼻うがいで検索すると、外国人が水道水で鼻うがいして脳を侵食するアメーバに感染して死亡したと、やたら鼻うがいの危険性や恐怖を煽る記事が見つかるが、これは極端な例であり、極めて稀なケースだと思われる。
そもそも日本の水道水の水質と同列の条件で考えることはナンセンスだし、水道水を使うことは僕に鼻うがいを紹介した耳鼻科医はとくに問題があるとは言わなかった。
ただ感覚として、個人的には水道水ではかすかにだが鼻の奥が刺激される不快感があった。
不快な感覚だと続ける気も萎えてしまうので、少し手間でもやはりミネラルウォーターか浄水を使うことをお勧めする。
ちなみに僕は台所に蛇口取り付け型の小型浄水器を使っている。
数千円ほどの物だが塩素は十分に除去できるし、ランニングコストは圧倒的に安く、何よりレンジで温めなくても給湯器でぬるま湯にできるから、これがあると本当に手間いらずで快適だ。
浄水器は鼻うがいと死ぬほど相性が良い。
家にある人は是が非でも鼻うがいに活用してほしい。
●人肌に温める必要性
鼻がツーンとするもう一つの理由が冷たい水でやることだ。
浄水の生理食塩水でも、冷たいとツーンとする。
逆に熱くても(40度とかでも)痛い。
敏感な粘膜なので熱いよりは冷たい方が安全。
35度〜37度くらいがちょうどいい。
鼻うがいの効果や安全性について
実は耳鼻科医によって意見が分かれる。
推奨する耳鼻科医も、しない耳鼻科医もいる。
また効果について明確な根拠がないと言ってる記事もある。
内服薬で治療するわけじゃないく、物理的にウイルスや雑菌を洗い流してるのだ。いわば外科的な処置である。
なので疾患の改善について根拠云々というのは僕はナンセンスだと思う。
それなら手洗いも入浴も根拠がないことになるが、そういうことじゃないだろう。
ただ、鼻うがいには然るべきやり方があり、間違ったやり方には危険も伴うのは事実だ。
耳鼻科医の見解の違いは、
・全ての患者に適切なやり方で鼻うがいをさせることは困難だと判断している
・中耳炎などを引き起こすリスクを嫌っている
・鼻うがいが今の手洗いやうがいのように全ての人にとって当たり前の習慣になったら、鼻炎など鼻の疾患を持つ患者数が相対的に減少し、自分たちの需要も減少することを懸念している
こうした要素が複合的に影響しているのではないかと思う。
防げないのなら、洗ってスッキリしよう
鼻うがいは現状、ほとんどの人にとって奇習である。
ちょっとやそっと勧められても、やろうとしない人が大半だ。
しかし今、世の中の状況は大きく変わってる。
この非日常の世界で、これまでのように与えられた常識にしがみついて、この先もこれまで当然あったものが保証されるとは限らなくなってきた。
マスクが入手困難になってもうずいぶん経つ。
これだけ経ってもいまだ供給が元に戻る気配はない。
この状況は異常である。
それはマスクの供給が追いつかないことだけじゃない。
2カ月もの間マスクの1枚すら入手困難になるような状況が、いかに日本人の大勢が深刻なリテラシー欠如の状態にあるかを物語っている。
大勢の人間がマスクをコロナから身を守る最後の砦みたいに思っているらしい。
僕は仕事柄、マスク着用が義務づけられている環境にいるが、正直なところマスクの効果はほとんどアテにしてない。
マスクにどれだけ感染を防ぐ機能があるかは話の本筋ではないのでここでは深く言及しないが、それが極めて限定的なものということだけは理解しておくべきだと思う。
理解していない大勢の人たちが恐怖心に煽られて短絡的に動いた結果が、このマスク狂想曲とも言うべき現状である。
毎日のように新たに感染感染と、まるで感染したらお終いであるかのようにメディアは報じるが、感染と発症を分けて考えるべきだ。
今は水面下のキャリアの数なんて途方もないに決まっている。
感染予防や感染拡大阻止だけに拘泥していても無意味だ。
外的な環境は個人では完全にコントロールしきれないから。
個人が確実にできることは、身体の内側からのアプローチだ。平たく言えば免疫、抵抗力をつけること、そして抵抗力を弱める要因を排除すること。
食事、睡眠、運動、そして排毒。
どれも真新しい言葉は何もない。
けれど人によってそれらについての認識の差は驚くほどだ。
知らない人が多すぎる。
伝わらない情報が多すぎる。
具体的に全て挙げればとてもこの一つの記事の中では収まらないが、
そういう事を全員が自分の頭で考えぬくようにならなければ、この窮地を脱せないと思う。
個々人は自分の課題にそれぞれのペースで取り組みつつ、
世の中の動向にアンテナを張って新しい手段を探しだし、一定の価値があると判断したら勇気をもって試してみる。
そういう思い切りも必要だ。
コロナが蔓延する非常事態の中で、外的な環境に左右されず容易に実践できて、確実な効果を得られる鼻うがい。
声を大にして言いたい。
優れた方法は日常の中に隠れている。
マスクや消毒液がお店から消えても、鼻うがいのキットは今も平然と売られている。
1人1つで事足りる。買いだめの必要も無い。
試してほしい。
この記事ができるだけ多くの人に伝わる事を望んでいます。
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