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ぺトリコールと詩の虹

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自作の詩をまとめてます。
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2020年3月の記事一覧

朔(サク)の章

〜プライド〜 お前は いつも何かを探していて 俺は いつも何かを見つけて喜んでいて バカみた…

10

優(マサル)の章

〜陰に伸びゆく〜 生まれた日のことを、 よく覚えている。 夏のような日差しが 春の風に焦…

6

パーが殿様

握り固めた拳は 人を傷つけることにしか きっと使えないから 怖くても、怖くても 僕らはパーで…

8

春入場

疲れきった肩にのしかかる 2万トンの快晴 100万ボルトの桜 目覚めなければ見えない世界で …

7

頑な

愛を定義づけることは 多分圧倒的に不合理だね? 愛は人それぞれって言ってあげなきゃ 多分人…

9

ボンベ

助けて下さい。 できるだけたくさんの酸素と ありったけの愛を詰め込んだ ボンベを下さい。

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横顔

一番欲しい言葉は いつも冷蔵庫の隅で固く乾いている 雨上がりのコンクリートから 立ち上った空の匂いに うっとりして、 思わず愛してると言ったけれど 誰に届くことも無い言葉は ビー玉に変わって コロコロと足元で僕をつまずかせる。 伝えることが出来ないのに 知っている言葉と、 伝えるための言葉を 持たない想いは どちらが可哀想なんだろうと考える時、 僕は君の横顔ばかり思い出す。 君はいつも何かを探し求めるような目をして 僕の砂漠を見ていて そして いつも風が吹いていた。

孝(タカシ)の章

〜背中〜 泣いている顔ばかり 今は覚えている いつも後ろをついていた 子分のように思って…

10

ウツケモノ

3回笑ったら 1度泣いていいかな 3回笑わせたら 1度泣かせていいかな ずっと笑いたいのに ずっ…

8

葵(アオイ)の章

〜色色に夜明け〜 彼を照らした光が 眩しすぎて私にはむしろ闇だった 君の影にすら私はなれ…

10

燈(アカリ)の章

〜翼〜 君はその日から 明らかに違う生き物になったと言える 少し寄れた制服のシャツ 背中か…

5

ひと愛逢いて、人と成り

ヒト愛逢いて、人と成り 昇る朝日に焦げた声 ヒト愛逢いて、人と成り 五臓に滲みゆく乳の香 …

6

生存宣言、或いは誓い

ぼくが明日 死ぬと言っても 目の前の信号は 青にならないし ぼくが明日 死ぬと言っても コンビ…

2

紅茶の薫り、猫の街

紅茶の薫り、猫の街 翡翠色をした僕達は 雨と踊り、悲しみとハグをして 罪はこれからも償えない 英国紳士の靴音が ひどく無機質な今朝は パンケーキを焼いた後に ひとしきり泣いて、かけっこ 風にすり切られ 朽ちるまで