見出し画像

朔(サク)の章

〜プライド〜

お前は
いつも何かを探していて
俺は
いつも何かを見つけて喜んでいて
バカみたいだった

同じボールを追いかけているはずのに
見ているものは違って
同じ通学路で歩いていたはずが
いつの間にか
お前は飛んでいた

いつからだろう
焦ったのは
いつからだろう
羨んだのは

冬の帰り道
転がるみたいに笑った
街灯の下で
お前の翼が光る

飛ぼうとするお前を
俺は地べたで追いかける
負けねえよ、待ってろよ
まだ俺は地べたで叫んでいる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?